大手学習塾 校舎運営(教室長)
法科大学院 卒 未就労
森口 充則 氏 28歳 / 男性
学歴:明治大学 法学部 法律学科 卒
早稲田大学大学院 法務研究科 法務専攻 修了
私は、中学生の時の職場体験で、裁判の傍聴をしたことがきっかけで、法律家を志すようになり、大学は司法試験合格に定評のある大学の法学部に進学しました。そして、大学卒業後は、迷いもなく、司法試験を受験するため、法科大学院に進学しました。
私は、大学院を修了した2012年度の司法試験の受験を考えておりましたが、試験数日前に体調を崩してしまい、その年は試験を受験できず、1年間、受験勉強に専念しました。そして2013年度の試験を受験しましたが、残念ながら不合格でした。その時、公務員あるいは民間就職も考えましたが、それでも司法試験の受験回数分は挑戦しようと考え、2014年度の試験も受験しました。しかし結果は不合格で、自分の年齢等も鑑み、2015年度の受験の際には、地方公務員試験も同時に受験しましたが、司法試験の方は択一試験で落ちてしまい、公務員試験は一次試験は合格したのですが、二次の面接で不合格という結果でした。
公務員試験の結果が出た9月に、民間就職をしようと考えました。しかし私の場合、学生時代をすべて司法試験の受験勉強に捧げていたため、民間就職どころか、アルバイト経験さえなく、28歳という年齢にして完全な未就労というかたちで就職活動をするという状況でした。勿論、就職活動のやり方なんて一切分からず、とりあえず、インターネットで調べようと思い、検索ワードに 「法科大学院 就職」 というキーワードを入れて検索をかけたところ、私と同じような方 (と言っても、その方は司法試験受験1回目で、私より2歳若かった訳ですが) の 『転職体験記』 を読み、それが (株)エリートネットワークさんのもので、本当にすがるような思いで、その場で登録しました。
登録後、すぐにご担当の伏見様からご連絡を頂き、私とのカウンセリングを設定して頂きました。私は、これまで、司法試験の受験勉強しかしておらず、法律家あるいは公務員の道しか考えていなかったので、民間就職をするにしても、どのような業種に就きたいかという希望さえ自分の中で定まっていないような状況でした。そんな中、伏見様にカウンセリングして頂いて、“コミュニケーション能力やボキャブラリーの豊かさを活かした職業に就いたらいいのではないか” という提案を受け、それを活かせる企業を紹介して頂き、そこから私の転職活動は始まりました。
転職活動をする上で心がけていたことは、私の場合、司法試験受験というものに長い間身を捧げてきたため、それを引きずらないようにすることでした。私は司法試験受験では結果が出せず、その点では失敗した訳ですが、それを失敗=負けとして、ネガティブな感情のまま新たな挑戦をスタートすることだけはしたくありませんでした。
そしてそのために、まず自分が学習してきたことを直接活かせる職業に就くということに執着するのではなく、もっと広い視野から、自分の経験、資質等を含めて、自分の潜在能力を活かせる職業に就くということ、私の場合には、コミュニケーション能力を活かせる職業に就くことにこだわり、転職活動に取り組みました。
また、私が転職活動においてこだわっていた点として、企業と自分とのマッチングがあります。いくら能力を活かせると言っても、その仕事の業務内容に自分の信条や理想が合わなければ、それを長く続けることはできないと思います。私の場合は、まず企業理念が自分に合うかどうかということから企業とのマッチングを考えました。なぜなら企業理念は、その会社に就職し仕事をした時の根本的な基準となるものであり、それが社会人としての自分の基本的な振る舞いとなるからです。
そして次にその職場で働いている自分を想像して、自分の能力をどこに活かせるか、ということを考えました。勿論これは一人で考えていては、それこそ独りよがりの考えや思い込みで終ってしまいますが、転職活動は、企業側が転職希望者を面接するというだけでなく、こちら側もその会社で実際に働いている人達と会って話せる絶好の機会でもあります。
私は、伏見様との最初のカウンセリングで、転職活動をする上でのイロハを教わりましたが、その中に、企業研究をして質問表を作成する、というものがありました。私は、自分の能力に照らし合わせて、仕事のどの部分に自分の能力を活かせるかという観点から質問表を作成し、それを素直に面接の際に担当官の方にぶつけました。これによって、自分の価値観やその企業に対して抱いているイメージが正確なものかどうかを確かめることができ、面接中も会話が途切れることなく、且つ、生産的な話ができました。
私の転職活動は、約1ヶ月で、その間に業種としては、法務系、教育、飲食等の企業に面接をして頂きました。その中で、業種を超えて共通していたのは、企業が求める人材は、時代に対応できる柔軟性のある人材、すなわち、経営環境の変化への対応力が求められていると感じました。私は、今回ご縁があって就職する会社の最終面接で、面接担当官の方に 「受験勉強だけしてきたとは思えないくらいコミュニケーション能力があるね。普通に就職してればよかったんじゃないの? 司法試験には向いてなかったんじゃないの?」 という言葉をかけられて、その時、私はハッとしました。
自分が向いていると思っているものにこだわるよりも、それが向いてなければ、自分に向いたものをやればいい、そんな当たり前のことに気づきました。変化に対応するためには、周りの状況を分析することも勿論重要ですが、それに対応する自分の資質をきちんと見定めることが何よりも重要だと思います。
どうしても、時間をたくさん費やしたものであったり、それなりにプライドを持っていたりするものほどなかなか手放し難く、それに執着してしまうものです。しかし、そのままでは状況の変化に対応できず、仮にそれを実現できたとしても、その後必ず行き詰まります。何かにこだわることは悪いことではないですが、そのこだわる対象を見誤ってはいけないと思います。私の場合は、学んできた法律知識を直接活かすということにこだわることではなく、法律を学ぶ上で養ってきた言語に対する理解力やコミュニケーション能力を活かすということにこだわって転職活動を行いました。
転職というのは職を変えることで、今までの自分の経験なり知識を考慮して、それを仕事に反映できるかという視点から、新しい就職先を決めるということも多いかと思いますが、そこで重要なのは、自分がやってきたことに固執することではなく、自分の本質的な競争力を自分自身で把握し、広い視野から転職先の企業を選択することであると思いました。
今後はこの転職活動で学んだ変化への対応力を仕事においても活かしていきたいと思います。
私が今回就職する会社は学習塾であり、法律の勉強をしていた私にとって、全くの畑違いの業界です。そもそも私は働くこと自体、初めての経験であり、勿論不安もたくさんあります。しかし、今は不安よりも、この新しい変化の状況を楽しみたいという気持ちの方が強いです。
私は、司法試験受験の失敗、転職活動を通じて、初めて自分の能力と本当の意味で向き合ったような気がします。その能力を今回の転職活動では自分の売りにして、それを見込んで頂いて今回の内定に至りました。このことは私の中で大きな自信にもなり、初めての就職で、且つ、新たな業種への挑戦であっても、勇気を持って挑もうという気持ちを持つことができました。このように考えると、転職活動というのは、転職後の自分の仕事に対するモチベーションにもつながるものであり、転職活動の中身やプロセスを充実させることが、まず何よりも大切だと思いました。
今後の私の密かな野望として、日本において “法教育” というのはまだまだ未発達の段階であり、学校教育においても十分に実現できていないという現状を踏まえ、その基礎となるものの考え方、いわゆるリーガルマインドを大学受験を通じて、自分が担当する生徒さん達に少しでも身につけてもらえたらと思っています。リーガルマインドは何も法律だけに使えるものではなく、対立した利益の調整、論理的な思考力、コミュニケーション能力等、普段の日常や社会生活においても応用でき、これを身につけることで、真に自立した個人として生きていくことができます。大学受験だけではなく、生徒さんのその後の人生においてもずっと役に立つようなサービスを提供することが私の現在の夢でもあります。
勿論、このリーガルマインドは、自分の今後の仕事においても、また社会人としても実践していきたいと思っており、これが私の新しい職場における個性となって、お客様の更なる満足、そして会社の利益につながればと願っています。
私がこれまで一喜一憂せず、強い気持ちを持って、新たな挑戦としての転職活動に前向きに挑めたのは、ご担当の転職カウンセラーの伏見様の真摯なサポートがあったからです。特に最初のカウンセリングの際に言って頂いた、「あなたにはコミュニケーション能力がある。その能力を活かせる仕事が必ずある」 という力強い言葉は、この年齢で、しかも完全な未就労であった私の胸に強く響き、転職活動中どれだけ励まされていたか分かりません。
今考えると、この言葉によって、ご担当の伏見様を信頼して転職活動を乗り切ろうと思ったと同時に、何より自分自身を信頼することができて転職活動のスタートを切れたことが、今回の成功に繋がったのだと思います。勿論、成功とは完成ではなく、常に追い求めるものであり、今後も伏見様にかけて頂いた言葉を胸に刻み、新たな環境で日々精進していきたいと思います。
最後に、この場を借りて、担当して頂いた伏見様に改めて心からの感謝を申し上げたいと思います。