法務担当、電機メーカーから銀行への転職

法務担当、電機メーカーから銀行への転職

No.837
  • 現職

    地方銀行 東京本部   法人企画部門

  • 前職

    一部上場 大手総合電機メーカー 半導体部門  法務部員

畑中 結子 氏 27歳 / 女性

学歴:慶應義塾大学 法学部 法律学科 卒
TOEIC 990点
知的財産管理技能検定 2級
証券外務員二種
(既婚)

【はじめに】

今回の転職活動を通じて、一部上場の大手メーカー法務部から銀行の法人企画部門に転職することになりました。その経緯と転職活動を通じて学んだ点や今後の目標について記載させて頂きたいと思います。その前に、お世話になった(株)エリートネットワーク様、ご担当の転職カウンセラー 小中出様に深く感謝申し上げます。小中出様がいつも丁寧なアドバイスを下さった点、ご担当がマンツーマン (候補者窓口&企業窓口) であった為情報共有がスムーズだった点が私の転職活動の成功をもたらして下さったのだと思います。最後まで信頼して相談させて頂きました。本当にありがとうございました。

【転職の理由】

転職に至った動機は、前職の法務部の業務を通じて金融業界での仕事に興味を持った事、及び自分の強みである英語力を活かした仕事をしてみたいと考えており、出来れば翻訳の仕事をしたいと思った事にあります。翻訳の仕事については、新卒時には希望が叶わなかったので、転職をしてもう一度挑戦してみたいと思いました。

金融業界に興味を持った理由は、前職にて法務部員として事業スキームの検討に加わる中でお金の流れについて興味を持ったためです。ビジネスを行う上で的確な判断を下すためには、各業界特有の知識を理解することと同じくらい、お金がどのようなルールで流れていくのかを把握することが大切だと思いました。その点で、ずっとメーカー法務部に留まるよりも、金融業界に身を置き、資金調達に関する知識を身につけることで、ビジネスの仕組みをより深く理解するができるのではないかと思いました。

また、翻訳の仕事をしたいと思った理由は、その道で有名な恩師がおり、プロとして活躍されている姿に憧れていたからです。異言語間のコミュニケーションを円滑にすることが出来る点もかっこいいと思っていました。新卒時には特にこれといった専門性もなく、翻訳経験もないので翻訳という職種では企業や翻訳会社から全く相手にされませんでした。しかし法務部での仕事を通じ英文契約をドラフトしながら日々依頼部門からの交渉サポートにあたったり、社内で英文契約の解釈について相談に乗ったりしていたことで、英語に関してはかなり自信がついていました。

【転職活動を通じて学んだ点】

転職活動を通じて学んだことは、自身の経験や自己分析だけを根拠に希望する職種を限定しないようにすべきということでした。選考を通じて客観的な評価に晒されることで、自分のどの部分が評価されているのか、それを踏まえ今後どのような仕事がしたいのか、改めて考え直すことが出来ました。客観的な評価に耳を傾けると、自分の能力を開花させる道筋や新たなチャンスが見えてくると思います。

私の場合、翻訳という職種で職探しを始めたものの、結局、選考を受けた企業からは、もっとコミュニケーションの発生する色々な業務に対応することが出来るのではないか と評価されました。むしろ、時には1日中誰とも喋らずに文書に向き合う翻訳の仕事では長く続かないのではないかと懸念されることもありました。

金融業界に特に興味があったので、銀行での翻訳、監査法人での翻訳業務の選考は積極的に受けました。その結果、事前課題についてはどこの企業からも一定の評価を得たものの、未経験なので他の候補者に負けてしまったり、要求される水準にまで至らなかったりで、落ちました。更に、先ほど触れたように、「キャラクターが翻訳の仕事をする人と合っていないかもしれない」 と言われてしまいました。面接の場で言われたので面喰らいました。(転職活動では一貫して翻訳の仕事を募集している企業の選考を受けていましたので。)

でもその時点でやっと、自分には様々な人とのコミュニケーションを通じて意見をまとめたり、もっと幅広くビジネスジャッジに貢献したりする仕事をするチャンスがあることに気付きました。それを踏まえて、やはり金融業界で働きたいことを主張したところ、銀行での法人企画部門の仕事のオファーを得ることができました。今まで法務部で培った経験と知識に加え、今後は銀行員の立場で資金調達に関する知識を身につけたいです。その上で、将来はビジネスを行う上で必要な情報を分析し、的確なビジネスジャッジが出来る人材になりたいです。

【こだわった点】

金融業界で仕事がしたいという気持ちはブレないようにしました。そのために、金融系の資格を取得して面接でアピールしたり、英文会計の本を読んだりしていました。金融業界未経験からの挑戦になるので、実際に何か努力している事や、やる気をアピールすることは必須だと考えていました。

【こだわりを捨てた点】

安定した、終身雇用を想定する企業で働くというこだわりを捨てました。私は歴史ある大手メーカーに在籍していたので、先輩方は皆一生この企業で働くという気概を持っていました。(定年退職すれば沢山の退職金が貰える会社でした。) ただ、私は転職を通じて、自分の足りない知識や経験を身につけることを主眼に置いていたので、向こう数年間で何を習得しどんな実績を残せるかという点を重視しました。

また、女性で既婚なので、将来出産したらどうなるのか、今から転職するより前職に留まった方が過去の実績もあるため周囲の理解を得易く、安全なのではないかと思いました。しかしそういったこだわりも捨てました。Facebook の COO シェリル・サンドバーグ氏が自著 『LEAN IN (リーン・イン)』 の中でも読者に伝えているように、結婚・出産・育児などの問題はそれが顕在化してから考えればよいのであって、実現してもいないことを不安に思うあまり、自分の可能性を潰すべきではないと思います。男性にとっても女性にとっても、20代の経験は30代以降の仕事の可能性を決定づける重要なものだと思います。

また、男性であっても病気や怪我によって仕事の可能性を阻まれることはありますが、男性たちが、将来怪我をしたらどうなるか、病気になったらどうなるかということを考えて仕事をセーブしてはいないと思います。女性の本能として、出産や子育てのことを早くから気にするのは仕方ない事かもしれませんが、そうやって思いあぐねているうちに貴重な時間が過ぎて行ってしまうので、踏み出したい一歩があるのにその気持ちを抑えてしまうのはもったいないことだと思います。自分が楽天的なだけで、あとで泣きを見るかもしれませんが……挑戦することには価値があると思います。

【面接の事前準備】

企業の事前調査と想定質問に対する準備を丁寧に行いました。企業の事前調査については、有価証券報告書にざっと目を通し、企業の特徴や最近の業績で特筆すべき点、質問しておきたい事項を書留め、面接で話せる状態にしていました。例えばどの分野を収益の柱としているのか (セグメント情報)、利益率、沿革、従業員の規模、取締役のプロフィール等です。上場企業であれば時価総額と株価の推移も見ます。また、経済界でその企業がどのような位置づけかという点は、常識力を試されると思ったので気をつけて調べていました。媒体は日経新聞、東洋経済、Wikipedia、時には2chなどのカジュアルなものまで幅広く見ます。

なぜなら、経済界での評価・評判に関する話題は一般的には面接官の口からは出てきませんが、企業は常に気にしている点であり、ふとした会話でその線から外れたくなかったからです。本当にその企業で仕事をしたいと考えているのであれば、その企業の良い点、悪い点含めて自分の出来る限りの方角から検討を行い、悪い点をうっかり追求しないことが得策です。 (企業としては悪い点ばかりに目を向ける人材を欲しいとは思いませんから。) 想定質問に関しては、“業界” の志望動機、“職種” の志望動機を詳細に詰めました。また、自分が即戦力として役に立つ点と、将来的に役立ちたい点を明確にするようにしました。

【最後に】

転職活動はいわば自分が 「時価評価」 に晒される場だと思います。面接で得られるフィードバックは必ずメモし、転職カウンセラーの方によく相談をしながら、ひとりで抱え込まずに進めると成功するのではないかと思っています。また、転職活動中に得られた様々な方からのアドバイスや指摘を受けた点は今後の自分の課題として取り組みたいと思います。数年後に今回の転職が自分の人生にプラスだったと思えるよう、初心を忘れず努力していきたいと思います。

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