ポスドク、有期雇用満了後、公益社団法人のシンクタンク研究者に

ポスドク、有期雇用満了後、公益社団法人のシンクタンク研究者に

No.875
  • 現職

    公益社団法人 シンクタンク部門  准主任研究員

  • 前職

    地方自治体 行政苦情調査・処理部署  専門調査員 (5年有期雇用)

首藤 紀章 氏 35歳 / 男性

学歴:三重大学 人文学部 社会科学科 卒
早稲田大学大学院 博士後期課程 (人文社会科学系) 修了
※最終取得学位:博士 (公共経営)
英語力 ビジネスレベル

1. はじめに —転職活動の経緯—

私は、平成21年3月に大学院 博士後期課程を修了後、主に地方自治体の苦情調査・処理の部署での専門調査員を勤め上げた後、転職活動を経て、平成28年4月現在、公益社団法人の中のシンクタンク部門での准主任研究員として就労しています。
地方自治体の苦情調査・処理の部署での専門調査員の雇用形態は、有期雇用 (5年) であり、そこを任期満了まで勤め上げた後、再び転職活動を行うこととなりました。

当初は、就職ないしは転職活動を支援する大手のエージェントが運営するwebサイトに登録し、同サイトを通じて、紹介される求人に応募させていただくという作業を繰り返していました。また同時に、これらの大手と業務提携の関係にある複数の転職エージェントからいただいたオファーやスカウトのメールについても、適宜、応募させていただいてきました。

私の場合、社会人としてスタートする年齢が、4年制の大卒者や大学院修士課程等の修了者と比べると、遅れてのスタートであることは言うまでもなく、しかも、自身の専門分野が人文社会科学系であり、且つこれまでの職歴としても特殊性があることから、そもそも、応募させていただくことのできる求人案件数自体が多いとは言えないものと認識していました。そのため、就職で苦労するということは多少なりとも覚悟していましたが、中々、適合する求人案件に巡り合うことができず、時間の経過と共に、精神面での負担も、想像以上に蓄積されていきました。そのような状況の中で、株式会社エリートネットワークの安藤様から、結果として、受け入れていただくこととなる、公益社団法人の求人案件の紹介をいただきました。

2. 転機 —株式会社エリートネットワークの安藤様との出会い—

安藤様からご紹介をいただいた当該求人案件の詳細を拝見すると、その職務内容というものは、これまで私が専門とする分野とは、必ずしも一致するものではありませんでした。ただ、一方で、これまで、複数の転職エージェントから、度々、オファーやスカウト等はいただいていましたが、ご紹介をいただいた企業なり団体の設置形態の中で、「公益社団法人」 と名のつくものは、特段見当たりませんでした。

私の就職に対する基本的な心構えとしては、業種や職種如何に拘わらず、また、どのような立場であっても、自分自身の持てる知見や能力は洵に微力ながらも最大限に発揮して、「広く世のため、人のためのお役に立てること」 に、僅かでも資する活動に捧げたいという想いが常に意識の根底にあります。この点、上記の求人案件の職務内容は、これまでの私の専門分野とは必ずしも全て一致しないものの、アプローチの仕方が異なるだけであって、公益の実現という到達目標に変わりはないため、新たな領域に挑戦させていただくことを決意しました。

公益社団法人による選考自体は、「書類選考 → 適性検査・筆記試験 → 面接 → 内定」 という選考スケジュールで、厳正且つ迅速に進められました。その傍らで、安藤様とは、当該求人案件の選考と並行して、株式会社エリートネットワーク様のオフィスにおいて、2回、カウンセリングをしていただきました。安藤様との面談の中では、選考状況に合わせて、面接に際する準備や心構えを、改めてご教示いただきました。このおかげで、初心に立ち返ることができましたし、それによって、これまで鬱積した負の感情を、多少なりとも入れ替えることができました。

また、折に触れて、要所、要所のタイミングで、お電話によるご連絡もいただき、そこでも様々な助言をいただきました。今、思い返してみても、安藤様は、私の適性をよく見抜かれていて、地に足の着いたご発言で、納得できる内容が多かったと受け止めています。
このように、株式会社エリートネットワークの優れた転職カウンセラーによる的確且つ人間味のあるご尽力のおかげで、立ち止まって、自分自身の足元や今後の可能性を冷静に見つめ直すことができました。これらが総じて、功を奏する結果に結び付いたと考えられます。

3. おわりに —株式会社エリートネットワーク様の意義と今後の抱負—

私が拝見させていただいた限りにおいても、転職エージェントは、世の中にたくさん存在し、競合関係にある中で、市場も形成されていることと見受けられます。そのため、これから就職ないしは転職活動を展開される予定の方々におかれましては、そのご経歴や専門性、目指す業界や各企業様との相性はもとより、その間を仲介する転職エージェントとの相性というのも、十人十色であって、一概に断定したことを申し上げることは困難かと思われます。

私にとっては、株式会社エリートネットワーク様にお世話になったことで、たくさんの職種の中から、現職に巡り合うことができました。最終的には、株式会社エリートネットワークの持つ顧客ネットワークと、転職カウンセラーによる的確なご判断、及び、転職者の気持ちに寄り添った、きめ細やかな対応が上手く噛み合わさってもたらされた結果となったと受け止めています。


今後の抱負としては、これまでの私の経歴と新天地での職務内容とを並べてみますと、その事業を通じて、公共性や公益性を考究していくという点では、目指す方向性は同じであり、当方にとって、この度は “公益の実現” に向けたアプローチの中で、新たな領域へ挑戦させていただく大変貴重な機会に恵まれました。このことに深く感謝すると共に、早く仕事を覚えて、洵に微力ながら、公益社団法人のお手伝いをさせていただけましたら幸甚に存じます。

いわゆるポスト・ドクター (ポスドク) の問題は、年々、深刻化の様相を呈しており、その問題構造としても、非常に根深いものがあります。社会問題化するポスドクの就職問題に対して、国による新たなポスドクの支援のための事業として、「卓越研究員事業」 が平成28年度から開始されました。ただ、卓越研究員の定員数を見ると、数に一定の限りがあり、これをもって、社会における全てのポスト・ドクターに救いの手が差し伸べられるとは、ただちに言い難いものがあるのではないかと考えられます。

月並みな言い方となりますが、専門職や研究職を求めること自体、その就職先が狭き門であるのは不思議なことではありませんが、各自の才能を発揮する場は、予期せぬところに潜んでいるのかもしれません。この点、私はこれまでの人生を思い返してみても、「人生において意味のないことはない」 と考えており、苦悩した時間は何があっても絶対に自分を裏切らないし、努力して生み出した成果というのは、形を変えて、巡り巡って、自分の未来に必ずつながっていくということを信じて止みません。そして、私の場合、このような想いと経験、更には実務家という立場での研鑽の成果を積み重ねていくことにより、私が背負っている博士学位である 「公共経営」 の社会的な付加価値を高めていくことができると信じています。

末筆ながら、株式会社エリートネットワーク様におかれましては、これからも、私と同じような境遇に置かれている方々に対して、決して容易なこととは言えませんが、一人でも多くの方に救いの手を差し伸べていただきますよう、切にお願いを申し上げます。

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