大手銀行 法務部門 企業内弁護士
首都圏の政令指定都市 法律事務所 弁護士
永松 美代子 氏 35歳 / 女性
学歴:慶應義塾大学 法学部 法律学科 卒
国立大学 法科大学院 修了
第66期 司法修習
英検準1級
TOEIC840点
私は,このたび(株)エリートネットワークさんのお力添えのお陰で,望外の企業から内定をいただくことができました。
私の経験が転職を考えている現役弁護士の方々の参考になればと思い,さらに言えば,「こんなぱっとしない経歴の三十路女でもチャンスがあるのか」 と,もう手遅れかもしれないと考えている30歳位の女性弁護士や法律事務所と企業内弁護士の選択に迷っている方に一歩踏み出す勇気を持っていただきたく,筆をとらせていただきます。
私は,手に職を との思いから,弁護士になることを志したものの,旧司法試験に受からず,一方で,経済的事情から容易に法科大学院に進学する決心がつかず,正社員で働くこともないまま20代を過ごしてしまいました。
そして,いよいよ旧司法試験制度が終了するとなり,この道を諦めるか考えた結果,この先自信を持って生きていくためにはもはや司法試験に合格するほか道はない,と腹を括りました。
その後,学費の安い国立の法科大学院に入学でき,若くて優秀な同級生に引っ張り上げられて,無事,(新) 司法試験に合格しました。
修習中は,修習地 (首都圏政令指定都市) の事務所と企業内弁護士を両にらみで就職活動をしました (志望度は事務所の方が高かったです。大先輩の弁護士や50期代の友人等から,「企業内弁護士になるにしても,まずは事務所で弁護士業務を経験すべき」 とアドバイスを受けていたからです。)。興味のある企業を数社受験しましたが,当時は人材紹介会社の存在すら知らず,結果は出ませんでした。一方で,修習地で規模及び業務内容のバランスの良い事務所から内定をいただいたので,当事務所にお世話になることにしました。採用条件は,2年間の有期雇用で,その間の働きぶりと2年経過後の事務所の事件量次第で,3年目以降 (歩合制に移行) の在籍の可否が決まるというものでした。
2年間は,働けることがただただ嬉しく,またボスに認められたい一心で夢中で楽しく働きました。その甲斐もあって,3年目以降も事務所に残れることになりました。
もっとも,人は贅沢なもので,この街だけで人生を終えたくない,もっと広い世界を見たいとの思いが徐々に頭をもたげてきました。
また,給与制が終わるに際し,営業活動や事務所経営の問題も現実化してきました。これらの問題を前にしたとき,自分の性格や能力では,一人で,経営,営業及び経理,そして当然のことながら法律事務処理をこなすことは難しいと考えました。さらに,30期代ないし50期代の弁護士の総数と60期代 (67期まで) の弁護士の総数がほぼ同数という弁護士過多の世代に属しているという事実を前に,苦手な営業を無理して頑張ったところで営業の得意な弁護士には敵わず,自分は淘汰されてしまうだろうと考えました。
そこで,企業内弁護士,任期付き公務員及び弁護士任官という道を考えるようになりました。
とはいえ,現事務所の業務内容等に大きな不満はなかったので,平成28年の1年間で各キャリアについて調べようとのんびり構えていました。
しかし,平成28年1月のある日,事務所の体制が大きく変わることが判明しました。楽しいながらも精神的肉体的に疲れが溜まっていた時期でもあり,これはちょっと受け入れられない,転職しよう,とその翌日,「弁護士 転職 インハウス」 でネット検索して充実した 『転職体験記のページ』 がヒットした(株)エリートネットワークさんにウェブ登録しました。
事前に履歴書及び職務経歴書を提出した上で,2月2日,松井さんに面談していただきました。私の転職活動が実を結んだのは,この日松井さんにカウンセリングしていただけたというその一点に尽きると思います。
転職市場についてプロに状況を伺う程度のつもりであった私は,転職市況の知識ゼロで面談に臨みました。そんなどうしようもない私に対して,松井さんは実に4時間余りもの時間を割いて下さいました。時にはパンチのある言葉が出てきて,なによぉっ,と思う場面もありましたが,仰っていることはどれも真っ当で的確に私の性質を見抜かれてのお言葉でした。
面談の中で,転職活動における私の唯一のマイナス要因であると指摘されたのが,実年齢の割に実務経験が短い (約2年) ことでした。結果 「早く動こう!」 と。実年齢の高さは客観的なマイナス要因ではあるが,各企業の採用基準はまちまちだからチャンスはある,と。その上で,採用面接の意義,面接時の心得や女性弁護士が敬遠される点等を教えていただきました。その中で,最後まで支えになった言葉は,面接はアピールの場ではなく自己開示の場であること,だから偽りのない自分を開示してそれでフィットする会社を選べばいいということ,最後に,私の場合は根っからのクソ真面目さを自然体で出せばいいということでした。
最後は,その場でいくつも募集案件を紹介して下さいました。私が個人で転職活動をしていたら応募することすら気が引けるような名門企業ばかりで,そんな案件を紹介して下さったことだけでもとても嬉しかったです。年齢がネックであり,また,企業内弁護士の業務に直結するような業務経験も少ないことから,業種は絞らず広く応募することにしました。
今思うと,この日の面談は,実質的に,各企業の人事部を代表しての松井さんによる一次面接だったのだと思います。
松井さんの熱意と的確な状況分析を受け,真剣に転職活動を始めることにしました。その週末に写真館で証明写真を撮り,2月9日に履歴書 (私は司法試験の成績が多少良かったので,司法試験の成績表も添付しました。) 及び職務経歴書を完成させました。
すると,その日中に1社から書類選考通過の連絡をいただきました。その後,書類完成から1週間後位を中心に書類選考通過の連絡をいただきました。無知な私は,例えば月曜日に書類選考通過の連絡をいただいたら,一次面接日程候補として,その週後半か遅くとも翌週前半の候補日を挙げるものであるという恥ずかしいほど初歩的な点から指導していただきました。
2月23日の初めての一次面接は大阪の会社で,前泊した際,松井さんからアドバイスと激励の電話をいただきました。初めての面接且つ慣れない土地で不安な気持ちがありましたが,百人力でした。その会社からは,2日後に一次面接通過の連絡をいただきました。
一方,内定先の会社は,2月26日に一次面接があり,3月2日に二次面接,3月4日に三次面接があり,3月9日に内定通知書をいただきました。この採用過程においても,一次面接後に松井さんに第一志望であるとお伝えしていたことを踏まえ,3月1日の二次面接前日,松井さんから電話をいただき,必勝法を伝授していただきました。
最終的には,22件の募集案件を紹介していただき,うち5件で書類選考が通過し,うち3件で一次面接を受験し,通過し,その後は,第一志望だった内定先の選考が進んだため,一次面接を通過した他の2件は辞退させていただきました。
速やかに事務所の上司に辞意を伝え,了承していただきました。退所まで2カ月弱というのは短い方だそうで,実際,引継ぎは慌ただしく,事務所の同僚には大変な迷惑をかけてしまいました。にもかかわらず,事務所では送別会まで開いていただき,改めて恵まれた事務所で働けていたことを実感しました。
履歴書等の完成から内定通知書の受領までちょうど1か月の怒涛の転職活動でした。
私は,通常の業務と並行して転職活動をしていたため,企業分析,面接,適性試験対策等に時間をかける分,通常業務の仕事の進みが遅くなり,さらには新件も受任しなければならず,仕事が溜まっていく恐怖と転職活動がいつまで続くか分からない恐怖が常にありました。そんな中,松井さんからの元気な激励の電話やスタッフの方からのきめ細かいサポートのメールは大変励みになりました。(株)エリートネットワークの皆さん,本当にありがとうございました。
最後に,この体験記を読んで下さった方にお伝えしたいことは,素直にプロの意見を聴き,その力を借り自分の良さを引き出してもらえれば,今迄どんなルートを辿ってきた者であれ道は開けるということ,そして,「早く動こう!」 です。
以上