総合商社から、メガバンクのインベストバンク部門へ

総合商社から、メガバンクのインベストバンク部門へ

No.905
  • 現職

    メガバンク インベストメントバンク部門   大企業向け法人営業職

  • 前職

    一部上場 総合商社 合成樹脂部門   法人営業職

大垣 作治 氏 35歳 / 男性

学歴:横浜国立大学 工学部 知能物理工学科 卒
TOEIC 775点
米国公認会計士 科目合格
体育会 ラグビー部  卒部
(全国高等学校ラグビーフットボール大会 (花園) 出場経験有)

まる10年間総合商社の営業の最前線で仕事をしてきた当方が、メガバンクの大企業向けフロント営業職 (いわゆるインベストメントバンク部門) に転職した背景を以下に記載する。言い方は悪いが、今となれば、迷いに迷い、何人ものエージェントと会うがしっくりこない中で、最後にふらっと立ち寄らせて頂いたエリートネットワークさん経由で、しかも、当初まったく考えてすらいなかった銀行の法人営業という選択肢を選ぶ事になるとは、人生なかなか面白いものだと思う。

約10年前、世に言う商社マンの 「大規模なビジネス」 「グローバル」 に惹かれ、総合商社に入社した。当初、何となくのイメージ感だけでプラント部門への配属を希望していたが、結果、希望は叶わず、合成樹脂部門の営業グループに配属された。

前半5年間は、マーケットは自動車、家電、OA業界、取扱商材は合成樹脂、素材等、日本国内、海外営業に携わっていく中で、商品知識、業界知見、物流業務、貿易実務、語学、財務会計知識といった知識面や、顧客とのハードな折衝を通してのコミュニケーション能力など、あらゆる面で鍛えられたと感じる。旧来の総合商社のトレーディングビジネスをメインとする部門であり、樹脂は昔ながらの伝統的な商材で、非常に古い、泥臭い業界ながらも、まさに総合商社の最前線にて、社会人の基礎を学ばせて頂いた。

後半5年間は、グローバル戦略策定、海外拠点を巻き込んでの新規開拓など、個別営業担当というよりは、全体を面で見るような立ち位置で仕事をさせて頂く機会を得ることができ、世界のマーケットのニーズを嗅ぎ取り、戦略を練り、P・D・C・Aを回し、時には力技で案件を完遂する中で、日進月歩だが、着実に案件を1歩1歩前に進める脚力がついた。

入社してから10年が過ぎていたこともあり、海外駐在など何か変化・刺激が欲しいと感じていた中、とある事情で所属する部署が解散することとなった。このように書いてしまうとシンプルに思われるかもしれないが、実際は非常にいろいろとあり、解散という結果も衝撃的なものであった。 (詳細や背景は記載できずご容赦願いたい。)

当方含め、その部署に所属していたメンバーは全員、社内の他部署に振り分けられることになる。この部署が良い、といった希望を言える雰囲気ではなかったが、振り分けの際、会社からは便宜を図ってもらったと感じたし、上長からの情報では実際そうであったらしい。総合商社の場合、隣の部署に異動するだけでも、商材、仕入先、顧客、相手国ともに完全に異なれば最早違う会社と言っても過言ではない。新入社員と同じく素人同然の状態からの再スタートとなるため、折角積み上げたキャリアもまた一からやり直しである。

そうであれば、どうせなら好きなことをやろうと考えた。実は前々から 「会社に依存するだけでなく、多少、エッジの効いたキャリアを積みたい」 と頭の片隅で考えていたこともあり、転職が頭をよぎったが、35歳、子供も生まれたばかりといった状況で、会社に残るのが一番安全だろうと考えた。しかし、日々過ごしていく中で 「もし転職をするなら、年齢的にも最後のチャンスかもしれない」、「10年後、今の生え抜き至上主義の世界は大きく変わっているのでは? つまり、自発的なキャリアメイクが重要では?」、あるいは 「最早、部署の解散は、転職を考えるための神の思し召しでは?」 などと悶々と考えるようになった。

そのような気持ちが日に日に抑えられなくなっていったある日、身近な先輩の転職もあり、最終的に、「会社任せではなく自分の人生は自分で決めよう」 「転職が本当に厳しいものなのか、自分で体験してから言おう」 と社外の可能性も検討する決意をした。正確に記載すると、転職を頭で考える・想像するだけではなく、転職に向けてエージェントと会ったりと、実際にアクションに移す事を決めた。

思い込みの強いコメントに見える可能性が多分にあるのは否めないが、総合商社の人間はやたらとコンサル業界に行きたがる傾向が強いように感じる。たまたま当方の周りがそうだっただけかもしれないため、その点はご容赦願いたい。ただし、コンサルであれば、これまで積み上げた経験を活かしつつ、更に発展させ、かつ、キャリアにエッジを効かせることが出来そうだと感じ、検討を開始した。

当方は実際に自分で考え、動き、結果まで牽引したい現場タイプの人間だが、コンサル業界をいろいろと検討していく中で、なんと表現してよいか分からないが、いわゆる ”肌感” が合わなかった。得られるものが何かもいまいちピンと来なかった。明確なことは、「家族との時間を削ってでも仕事に専念すること」 であった。どうも、投資に対するリターンが見えないような気がした。コンサル業界を悪く言うつもりは毛頭ないが、これが肌が合わないというやつであろう。

検討を開始して約2ヵ月が過ぎ、このまま悩んでいても仕方ないと、いろいろなエージェントに会ってみることにして、実際に5社程と面談したが、どこもコンサルばかりを勧めてくる状況。さて、どうしたものかと思案していた中、偶然、インターネットのバナー広告からエリートネットワークさんを発見したので、言い方は悪いが会うだけ会ってみようと面談予約をしてみた。

結論から述べると、今回はエリートネットワークの松井社長、高橋部長、ご両名のお陰で転職ができた訳であるが、特に松井社長には言葉では表現し尽くせない “パワー” を感じた。他のエージェントは、書面の上でのスペック合わせに重きを置いている中、松井社長はいろいろと質問の玉を投げて来られる中で、当方がどういう性格・思考の持ち主の人間なのかを見出そうとしておられたと感じる。また、「35歳でお子さんも小さいのに、あなたは自分自身のキャリアの事しか考えていない。家族の事も考えなさい。」 と言われたのは初めての経験であった。

その後も紆余曲折あるが、結論として、メガバンクの大企業向けフロント営業に転職することになったが、何故、総合商社から銀行なのか、詳細に書くと非常に長くなってしまうため、シンプルに記載させて頂く。ご多分に漏れず、銀行も今、非常に厳しい経営環境に置かれており、旧来の金貸し業務だけでは生き残っていけず、顧客先に深く入り込み、ニーズをつかみ取り、銀行のみならず、グループ会社の証券やコンサル部門と連携してお客様に真の価値を提供していく、攻めの法人営業が出来る人間を求めており、これまでの生え抜き至上主義を転換し、従来の投資銀行部門においても転職者に門戸を開いた。具体的には、顧客の懐に入り込み、海外でのM&A等の案件を推進できる人材を求めていた中、当方が土地勘を有する業界、海外マーケットの知見、単独で企業に攻め込み、0の状態から何とか商売を創出してきた経験がマッチした。

以上が紙の上でのスペックの話ではあるが、銀行での面接の前、松井社長に事前にミーティングをして頂き、銀行側がどんな人材を求めているのか、当方に何を期待されるかなど、書面上のスペックだけではない、そんな表面的なものを凌駕するレベルのアドバイスを頂いたことが一番大きかったと思うが、お陰でこの歳で異業種たるメガバンクからの内定を頂くことができた。浪人や留年など、決して綺麗な履歴書ではないため、このアドバイスがなければ難しかったであろう。

当初、まったく考えてもいなかった、当方にとっては未知の業界。職場では一からのチャレンジであり、不安があるのも確かではあるが、実際に入ってみたら、皆様良い人で親切にいろいろと教えてくれ、本当にありがたい。何より、「自分で考え、自分で選び、自分で決断し、自分で行動した」 という事実は本当に清々しく気持ちが良いものである。自分で決めたのだから、最早何の言い訳もできないので、一生懸命やり、結果を出し、道を切り開き、更なる経験を積むのみ。
所属部署の解散で腐りかけていた当方には何と気持ちの良い世界だろう。

ご縁に感謝をし、家族に迷惑をかけずに、粉骨砕身の覚悟で頑張りたいと思う。

この転職者を担当したカウンセラーに
転職相談したい

この記事をご覧になったあなたに

関連する転職体験記

転職体験記を絞り込み検索 全ての記事一覧は
こちら