日系大手証券会社 投資銀行部門 フィナンシャルスポンサーセクター AVP
日系大手証券会社 投資銀行本部 地方上場法人担当 アソシエイト
臼井 孝太郎 氏 30歳 / 男性
学歴:早稲田大学 商学部 卒
証券外務員1種
内部管理責任者
保険販売資格 ( 一般/専門/変額 )
私は日系大手証券会社の投資銀行部門 (以下、投資銀行と記載) に新卒入社し、約6年あまり上場企業の資金調達支援やM&Aアドバイザリーといった投資銀行業務に従事してまいりました。直近では地方都市に本社拠点を置く上場企業に対し、投資銀行ビジネスの提案及び案件遂行を行っておりました。地方の上場企業に対する日々の営業活動を通して、顧客企業に止まらず事業承継や再生 / 再建ニーズが多いことを実感致しました。
ちょうどその頃、前職投資銀行では希望するポジションへの異動や待遇面などでアップサイドはあまり望めない状況にありました。私自身のキャリアについても真剣に考えるようになり、職種変更や待遇面の向上などステップアップのために転職を決意致しました。
前職の投資銀行で身に着けた経験 / スキル / ノウハウや転職に至るまでの経緯から、主にPEファンドへの転職を当初は志望しておりました。PEファンドの中でも地方企業も含めて事業承継や再生 / 再建案件に強い日系ファンドへのエントリーを目指しておりました。
私にとっては初めての転職であるため、まずは情報収集から開始致しました。転職マーケットの状況、PEファンド業界情報、具体的な求人案件などを知るために複数の大手総合系及び金融専門系のエージェントに職歴や希望などの個人情報を登録致しました。(転職エージェントによってご紹介頂ける求人案件が異なるため、複数のエージェントに依頼した方が良いと思います。)
PEファンドなど金融専門職の求人は非公開案件が多く、あまりサイト等では掲載されておりませんでした。また、ファンド業界自体の情報があまりオープンではなく、かつ業界も狭いため実際に業界に詳しいエージェント / ヘッドハンターに話を聞くしかないと思いました。
そのため、基本的には私が登録した情報と希望を確認して連絡を頂いたヘッドハンターの中から、具体的な話を聞きたいと思った方にアポイントを取って実際にカウンセリングをして頂くように致しました。各エージェントで保有している求人案件が違うため、複数のエージェントとコンタクトを取り、その中で厳選した求人にエントリーさせて頂きました。
私は早々に転職したいというわけではなかったので、期間についてはある程度余裕がありましたが、就業しながらの転職活動であったため、活動の時間は制限されておりました。転職を開始する段階で大体の期間や同時並行する社数の上限を自分なりに設定しておくことで無理のない転職が可能になると思いました。私の場合は、転職期間は開始から終了まで最大3か月程度、同時並行する社数の上限は4社と決めておりました。
複数の転職エージェントサイトを通してご連絡頂いたヘッドハンターやカウンセラーの中から厳選してカウンセリングを受け、求人案件をご紹介頂きました。保有求人案件が異なるため、1社ではなく複数社のエージェントを利用し、それぞれのエージェントからPEファンドへのエントリーをさせて頂きました。幸いなことに書類選考で落ちることなく、4社程のPEファンドの面接を開始致しました。
PEファンドの面接を通して、ファンド業界の状況、ファンドビジネスの詳細内容などを知ることが出来ました。当初、私が想定していた通り、事業承継や再生案件などファンドビジネスの需要は増加傾向であり、仕事内容についても非常に興味が持てました。
しかしながら、投資銀行からPEファンドへの転職事例は比較的多いものの、私が今まで培ってきた経験 / スキル / ノウハウが即戦力として活かせるかどうかは疑問 / 不安があり、ファンドビジネスの大部分は未経験の業務内容が多いという認識を持ちました。
PEファンドの面接は一般的にファンドのチームメンバー全員と面接することから、内定まで2〜3か月程度かかることがあります。転職を急いではいなかったため、ファンドへのエントリーを始めてからも、他の求人情報も収集しながら転職活動をしておりました。その折にエリートネットワーク様より投資銀行の求人案内を頂きました。
当初、PEファンドへの転職に絞って活動をしておりましたが、一度今まで経験してきたキャリアを活かせる投資銀行の求人内容についても話を伺ってみようかと思い、転職方針を拡幅致しました。
エリートネットワーク様よりメールにて投資銀行の求人案件をご紹介頂き、初回カウンセリングのために就業後に銀座のオフィスを尋ねました。ご担当頂いたエージェントの横関様は転職先となった投資銀行の役員から今回の求人案件を直接依頼されており、長期に渡って企業 / 役員との太いパイプを形成されてきたのだろうと思いました。
横関様は私が今まで経験してきたスキル / ノウハウといったハードスキルのヒアリングだけでなく、これまでどのような姿勢で仕事に取り組んできたのか、なぜ転職を決心したのか、これから何をしていきたいかなど丁寧且つフランクにカウンセリングして頂きました。
また、雑談 (学生時代の部活の話など) を通して、私のパーソナリティについてもしっかり見て頂けたと感じております。2時間弱と長時間のカウンセリングでしたが、細かな部分にも丁寧に触れて頂けたことが転職先投資銀行に私を紹介して頂く上で大きなプラス要因になっていたのだと実感しております。
エリートネットワークの横関様にご紹介頂いた投資銀行への書類選考が無事通り、初回面接をして頂いたところ、今回のオポチュニティが投資銀行部門でPEファンドを対象顧客とするフィナンシャルスポンサーセクターの求人ということが分かりました。
面接を通して先方がどのような人材を求めているのかを聞き、私がこれまで培ってきたスキル / ノウハウなどが十分に活かせるポジションであると思いました。正直なところ、ファンドビジネスの需要が今後、伸びてくるだろうとは感じていたものの、ファンドビジネスの内容については未経験な部分が多く、PEファンドに入った後は相当ハードだと感じていました。そのため、ファンド関連ビジネスができる今回のポジションについては、非常に魅力的でした。
投資銀行では面接を3回ほど実施し、実質的な内定 (オファーレター前段階) までは3週間程度とスピーディに進展致しました。面接期間中は昼夜問わず、昼はメールで、夜間は電話で密にエージェントの横関様とコミュニケーションを取るように致しました。個人的に電話を多用する性格なので、すぐに横関様には報告や相談を電話しておりましたが、いつも迅速且つ丁寧にご対応頂いたことにはとても感謝しております。
投資銀行の面接と並行してPEファンドの面接も順調に進めておりました。最終的に投資銀行への入社を決意した理由としては、横関様を通じて転職先投資銀行の方々が私のことを非常に評価して下さっていると分かったためです。 (本当にギリギリまで悩んでおりました。)
横関様とのカウンセリングやその後のコミュニケーションを通してお伝えした私のスキル / ノウハウだけでなくパーソナリティも含め、転職先投資銀行に紹介し、強力にプッシュして頂いたことが今回の評価に繋がったと痛感しております。待遇面がアップすることもありますが、やはり必要とされている会社で、一生懸命頑張ろうと思いました。
今回の転職活動を振り返って、私なりにはうまくいったと考えております。転職が成功した主な理由は以下の3点にあるのではないかと分析してみました。
[1] 転職の “軸” 設定と必要十分な準備
私を含め皆、仕事をしていれば現職に対するなんらかの不満や更にステップアップしたいという希望はあるかと思います。私の場合は、前職に従事しながらも現状に満足せず、より良い環境がないかを時折模索して、選択肢を狭めないようにしておりました。
今回、転職に踏み切るにあたっては、現職の環境では満足できず、且つファンド関連ビジネスがしたいという大まかな “軸” を設定致しました。大まかな軸を設定した後は、実質的な書類選考 / 面接などの転職活動を始める前に、入念な準備を実行しました。複数の転職エージェントに登録し、実際に相当数のエージェントと会って話を聞くなど情報収集に非常に力を入れました。紹介案件も自分が納得出来ないものは除外して、本当に厳選してエントリーさせて頂きました。
自分で情報収集をし、エージェントに実際に会ってカウンセリングをして頂くことで、大まかに設定した軸をよりブラッシュアップさせてから書類選考 / 面接などの実質的な転職活動に入るように致しました。また、実質的な転職活動に入る場合は、ある程度転職期間を設定することも重要だと思います。
[2] 良いエージェントに出会うこと
実際に転職に際して、複数のエージェントを利用した方なら分かることですが、エージェントによって強い分野 (業界事情や保有求人の職種など) が異なっております。これについてはネットなどの一方的な評判等をあてにせず、実際に複数のエージェントに会うことをおすすめします。
また、強い分野が自分に合っているというだけではなく、エージェントの担当者との相性が良いかも重要なポイントだと思います。自分の性格やライフスタイル (たとえば夜間しか連絡がとれないとか、連絡はメール主体など) に合った担当者に出会うことは転職を成功させるひとつのカギになると思います。
そのような意味で今回、エリートネットワークの横関様に出会えたことは大変、貴重でした。転職は自分の人生にとって非常に重要なイベントとなるので、妥協せず自分が納得するまで良いエージェントを探すべきだと思います。
[3] タイミングとご縁
最後のポイントとして、少し抽象的なものとなり恐縮ではありますが、転職のタイミングと “ご縁” は非常に重要なものであると今回、自身の転職を通して実感致しました。
自分にとって、ベストな転職のタイミングと素晴らしいご縁を得るには受動的に行動する必要があると思っております。
タイミングについては、自分の現職について満足かどうか、数年後どのようになっていたいかということを、常日頃である必要は全くありませんが、折に触れ向き合うことで自分にとってベストな瞬間が見えてくると思います。
また、実際に転職活動を始めても、様々な要因 (転職市場の動向や転職先の求人内容 / 条件など) で自分にマッチした転職先がないこともあるかと思います。その場合は、安易に転職を急がずスキップして、より良い環境が出て来るのを待ち、タイミングを見極めることも大事なことかと思います。
ご縁については、運の要素も非常に強いかと思いますが、素晴らしいご縁に出会う確率を上げることは出来ると思っております。自分から主体的に行動し、情報を幅広く且つ多く持ち、複数のエージェントと接触することは重要なことだと思います。そうすることで、自分にとってベストサポーターとなるエージェントと出会うことができ、自分が求められ、活躍できる環境を引き寄せられるのではないかと思います。
最後になりますが、この 『転職体験記』 がご転職をお考えになる方のご参考に少しでもなれば幸いです。