一部上場 総合電機メーカー グローバル経理部門 コーポレート税務企画担当
一部上場 航空会社 経理部 単体及び連結の法人税務担当
井出 千恵美 氏 34歳 / 女性
学歴:東京女学館高等学校 卒
慶應義塾大学 法学部 法律学科 卒
ビジネス実務法務検定 2級
行政書士
証券アナリスト(1次:財務分析、経済合格)
TOEIC 790点
大学は法学部だったものの、元々は高校時代からの夢であったアナウンサーになりたいと思い、アナウンススクールに通ったり、放送関係のサークルに入ったりしていました。就職活動でも最初に受けたのはもちろんテレビ局です。しかし、やはり聞きしにまさる狭き門……アナウンサーになることは断念したものの、他の業界を幅広く見るうちに視野が広がりました。
航空業界を選んだのは、公共交通機関としての使命に魅力を感じたと共に、様々なプロフェッショナルの協力によって飛行機を飛ばしているという点が番組制作に似ていると感じ、貢献したいと考えたからです。特に、当時は国際空港への変換期であり、私も空港が好きだったことからグランドスタッフとして航空会社に入社しました。
入社後数年は、羽田空港で働き、接遇スキルや運航に関わる専門知識を徐々に身に付けていきました。国際化や路線拡大等の大きな流れを感じながら現場で日々働くうちに、もっとより経営に近い仕事をしたいと思うようになり、社内試験に挑戦して総合職に転換。転換後に配属となった経理財務部門では、知識ゼロからのスタートで税務を担当し、勉強しながら仕事をこなす日々でした。特に繁忙期は体力的に厳しい時もありましたが、そこで培った経験は非常に大きな財産となっています。
的確な分析を通じてタイムリーに経営層に対して報告すること、適切かつ積極的に政策税制を活用する等、定例的な決算申告業務に留まらず、幅広い経験をしました。
経理財務部門で引き続き経験を積んでいきたいと思っていた頃に、コロナ禍になり、会社の経営も大きく影響を受けました。その頃、空港をサポートする部署に異動となり、自分の担当業務や会社全体の環境がガラッと変わる中で、培ってきた税務知識やノウハウが時間と共に薄れていくような不安な気持ちが芽生えたことを覚えています。
これまで培ってきた経理財務の専門性をより深化させたい、キャリアを積み上げたいという想いを強くしました。特に、担当していた税務、中でも変化の激しい国際税務の世界に飛び込みたいと思い、グローバルかつ多角的に事業を展開している会社を目指して、転職活動を始めました。
経理財務部門というと定例的な業務が多いのも確かですが、経営企画の面や戦略要素が非常に重要だと思っています。そのため転職先は、効率化できるところは効率化し、経営に資する分析に注力している会社が良いと考えました。そうすると、自ずとそれなりの規模の会社に絞られるため、会計税務案件の多い多角的にグローバルにビジネスを広げている会社を選びました。
会計税務事務所等も少々考えましたが、案件の一部に関わるのではなく、点ではなく線で経営をサポートしたいと思い、事業会社を志望しました。こだわりを捨てた点は特にありません。
私はキャリアアップを目指した転職活動でしたので、まさに「挑戦」でした。その転職活動を通じて、そもそも自分が何をやりたいか、何を大切にして仕事をしたいかを改めて考えることができました。
HPや財務資料で会社の概要を知るだけではなく、それをじっくりと読み込んでどう感じるかを深堀りしました。印象に残った点、転職前の会社との違い、その会社で自分はどのように貢献したいか、等。これらは面接の場でも聞かれたことです。
また、転職活動と新卒の就職活動との大きな違いは、もちろん社会人経験であり、それは当たり前のことではありますが、その経験を面接官に伝えるのは意外と難しいと感じました。業界が異なれば特にわかりやすく端的に伝えることが必要だと思います。さらに、実績や経験だけではなく、それらを通じて自分がどう感じ、行動したか、つまり「自分がどのような人間か」を見られていると感じました。
転職活動を通じて、仕事で得る達成感や充実感、辛かったこと等をきちんと振り返ることができ、将来の自分がより豊かな時間を過ごすきっかけになったと感じています。
転職先は中途採用も盛んで、様々なバックグラウンドを持った方がいる国際色豊かな巨大企業です。そんな多様性を楽しみながらやっていきたいと思っています。また、常に知識をブラッシュアップしなければならない領域の仕事なので、持ち前の学習欲を無駄にせず、日々仕事や勉強を通じて専門性を磨き続けていきたいと思います。
このように、自分がエネルギーを費やせる業務に出会えた前職の会社に非常に感謝していますので、新たな会社で活躍することがその恩返しになればと考えています。