転職の軸が定まらない中での転職活動、文具メーカーから業界を大きくチェンジ

転職の軸が定まらない中での転職活動、文具メーカーから業界を大きくチェンジ

No.1290
  • 現職

    行政・地方公共団体向けソリューション事業会社 財務経理職

  • 前職

    創業120年の老舗 文具・筆記用具メーカー 財務経理本部 財務経理職

伊勢 浩太 氏 34歳 / 男性

学歴:秋田県立 秋田高等学校 卒
北海道大学 理学部 地球科学科 卒
ビジネス会計検定2級
日商簿記2級
中小企業診断修得者
TOEIC 650点

①    はじめに

私の『転職体験記』は、転職の決意はしたものの、所謂「転職の軸」が見つかっていない方に読んで頂きたいです。

②    学生時代の就活から内定まで

学生当時は理系科目が得意(反面、文系科目が超苦手……)だったため、将来像を描いていないまま大学は理学部へ進みました。
大学時代は勉学よりもアルバイトのほうが楽しく、理系学部特有の「仕送りを2年延長し、当たり前に院に進む」という風潮への反発もあり、早く社会に出て働きたいという想いから学部卒で就職活動を行うことにしました。

私は「接客のバイトで培ったコミュニケーションだけが取り柄」と言う、竹やり1本、いや、今思うとほぼ丸腰じゃないか、という状態で就職氷河期に挑み、唯一内定をもらった文具メーカーに何とか就職しました。

③    前職での担当業務や実務経験

運良く入社できた文具メーカーにて、今回転職をするまで約10年半勤務しました。
入社後は営業部門配属となり、大阪支店と東京本社で計6年間、ルートセールスや飛び込み営業、オリジナル製品の開発等を担当しました。「根性論」と「多少の理不尽」という古い風土が残る営業部門での経験により、行動力や勇気が身に付き、取引先のキーマンを見つける能力や、世間話が出来るくらい入り込んでから本格的な商談に入るスタイル等、「私」という一人の社会人像を形作ったと考えています。

担当取引先の規模が大きくなり、数字を分析していくうちに会社の数字を司る経理部門への興味が湧いてきました。そこで、7年目から財務経理本部へ異動し、資金繰りや銀行との折衝を経験。その後、直近の2年半は工場の原価計算を担当しました。
この財務経理部門では、もちろん知識は出遅れていたものの、社内営業によって数字の裏付けを取ってくる等、営業職でキャリアをスタートさせたという経験が管理部門でも希少な強みとなり、一定レベルの仕事は出来たと考えています。

④    今回転職するに至った背景や理由・きっかけ

地方拠点から本社、工場へ。そしてプロフィットセンターからコストセンターへ。
前職では短いスパンでいろいろな経験をさせて頂きました。新しい部署で新しい知識を得るのが楽しく、即戦力になろうと努力は惜しみませんでした。

しかし、気づけば勤続10年。なんとなく会社の全容が把握できるようになり「どの部署でどんな仕事をしているのか」、「どんな人がいるのか」が見えてくるようになります。その中で、ゆったりとした時間が流れる業界に身を置き、変化を恐れがちなこの会社で、次に私の成長意欲を満たす場所はどこにあるのだろうか、と疑問に思うようになりました。後のエリートネットワークさんとの面談で、転職カウンセラーの高橋さんから「ロイヤリティ(忠誠心)が無くなったんだね」と言われた言葉がぴったり当てはまる、そんな状態でした。

もともとこの先数年で一部手当が出なくなり、手取りが減ってしまうのは分かっていたため、いつかは検討しなきゃと思いつつ先延ばしにしていた「転職」。
コロナ禍の外出自粛で時間だけが余った夏休みに「丸10年働いた訳だし、もう一度就職活動をしてみよう。そうだ、FA宣言だ!」と思い立ち、ついに転職サイトへ登録したのでした。

⑤ はじめての転職活動

転職活動にはどうやら『軸』というものが大切らしい、というのは色々サイトに書いてあったので知っていました。

「果たして私の「自分の軸」って何だろう?」
「財務経理部門でもう少し知見を深めたいからやっぱり上場企業だよな」
「だけど、それだけだと幅が広すぎるか……そしたら経験が活かせるメーカーか?」

こうして「上場しているメーカーの財務経理部門」という軸とも呼べない何かを自分に言い聞かせ、先に転職を果たした先輩のアドバイスをもとに複数の転職サイトへ登録しました。そして、自身へ届くスカウトメールに反応する形で、複数のエージェントさんとのやり取りが始まりました。「書類選考は通って1~2社ですから」というエージェントさんの言葉を信じ、紹介いただいた複数企業へ応募。すると、職務経歴書だけは一丁前に書けたからなのか、ポンポンと面接への案内が届いてしまいました。

まずいぞ、こんなに面接を受けるには、どうやったって毎週のように有休休暇を使わなくてはいけない。とはいえ、在宅勤務中にササっと面接に行くなんてしたくない。でも、エージェントさんからは「選考を受けたからには面接には行ってくれ」と言われる……。

頭がぐるぐると回り、転職活動が継続できない状態になってしまいました。

ここでの反省点は、自分に合った、続けられる転職活動のスタイルを事前に考えるべきだったことです。決して転職サイトの言うがままに、エージェントさんのテレビCMのように、気軽にポチポチするべきではありませんでした。サイトへ登録してアクションを起こしたらどんな生活になるのか、どんな心的疲労が溜まるのか、知っておくべきでした。

その時の私は転職の軸が無いので、
複数のエージェントさんから幅広い提案を頂く
⇒絞り切れず幅広く応募する
⇒多数の企業と面接のアポイントが入る
⇒スケジュールが破綻する
でした。とてもこんなやり方では体が持ちません。
しかし、自分一人の力で軸が定まる自信は無いし、適切な企業を探すことも出来ない……。

結局、この状況を打開するために信頼できるエージェント一社に絞ろう、という考えに至りました。
このとき選んだのが、エリートネットワークさんでした。

初回の面談は2時間。夜遅くまで転職カウンセラーの高橋さんと山本さんにお世話になりました。私の生い立ちから話を聞いていただいた唯一のエージェントさんだったこと、高橋さんが大学の先輩であり縁を感じたこと、そして何より「覚悟」を感じたことがエリートネットワークさんを選んだ理由でした。

ここで言う覚悟とは、エリートネットワークさんの、ではなく、私の心の中のことです。決して明言されたわけではないですが、「あなたの最高の転職のために100%やってやる、だからあなたも100%でぶつかってきてくれ」というメッセージをカウンセリングの節々で感じ、私の中で「言われたことは全部120%で返そう。面接の時間を最大限に活かすために、きちんと準備し、正直に話そう」と、覚悟が出来上がりました。

⑥    軸が決まるまで

主担当をして頂いた山本さんは準備万端だったでしょう。しかし、肝心の私がどんな会社に行きたいのか定まっていません。それどころか業界も、勤務地も、年収も会社規模も風土も、私の気持ちは豆腐程度にしか固まっていませんでした。
それを見越してだったのでしょう。山本さんは粘り強く、複数回に分けて私に求人案件を紹介して下さいました。

私の『転職体験記』でアドバイスできることがあるとすれば、「軸が定まっていなくても大丈夫。エリートネットワークさんに全力でぶつかろう」ということでしょうか。
軸が定まっていないうちは、企業の紹介を受けても「ここに行きたいのかどうか分からない……」となると思います。こんなにご尽力頂いているのに「分からない」なんて、と申し訳なく感じる日々です。それでも、エリートネットワークさんとの日々のやり取りに全力を注いでいくと、徐々に状況が打開されていきます。

初めて書類選考が通った際、山本さんには「企業研究を最低5時間やってみてください」と言われました。「120%で返すんだ」という想いで、社名の由来や沿革、財務状況も踏まえた強みと弱み、競合等をまとめていきました。隅々まで納得いくまで調べると、自然と時間は5時間以上経っており、頂いたアドバイスはやっぱり間違いないと実感しました。
選考が進むにつれて起こる気持ちの変化も必死に言葉で伝え、面接対策にも緊張感をもって臨みました。

このように企業研究を必死にやること、そして全力で面接に臨むことで、これまでふわっとしていた企業に対する印象に変化が出てきます。例えば、上場企業と言えども前職と企業風土がよく似ており、良い会社なんだろうけど「きっと入社しても今と同じ状況に陥るだろう」等々。安定業界の超大企業、ネームバリューがあって「ここの社員だ」と言えるだけで誇りを感じられそう、という企業でも「組織の超末端に入って、異動も少なく、成長を実感することも少ないのかな」等が見えてきました。

その後も、「私を良いように使ってください」という山本さんの言葉に支えられ、「120%で返す」という当初の決意に違わぬよう、平日の就業時間以外、休日のほとんど全てを転職活動に捧げました。この日々は本当に毎日、脳みそに汗をかいていたと思います。

最終的な私の軸は、
1. これからの人生は何のために働きたいのか⇒事業自体に社会貢献性が高いこと
2. 財務経理部門で入社でき、将来的には会社の成長に合わせて新しい職種にチャレンジできること
3. 会社自体が成長中であり、意欲にあふれる社風であること
となり、結果的には上記を満たす企業(非上場かつ、メーカーでもありません)に出会うことができ、転職活動を始めて2カ月弱と想像よりも早く転職活動を終えることができました。

⑦    次の職場への意気込み

山本さんには時にアツく的確なアドバイスを頂き、時には私が昨日と全く違う気持ちを話しても、「選考を進めていくうちに気持ちが変わるのは悪いことじゃないです、そういうものですよ」と言って貰い、落ち着いてご対応頂けたことが大変助けになりました。高橋さん、篠原さんとの面談の時間も大変貴重なもので、皆様には感謝してもし切れません。

今から振り返ってもエリートネットワークさんに絞って活動したことは最高の決断でした。
あとは最高の転職にするかどうか、ここからは私次第でしょう。この御恩を是非、次の職場で返したいと思います。

以上

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