一部上場 財閥系海運会社 事務系総合職(地上職)
一部上場 大手海運会社 海上職 航海士
エネルギー専門商社 法人営業職
青山 充 氏 31歳 / 男性
学歴:東京大学 工学部 卒
海技士(航海)2級
新卒の際は、周りに優秀な友人が居る中でどのようにキャリアを築いていくか悩んだ末、他の人が選ばないこと、自分が好きなことの2点を軸に就職活動を行っていました。
その中で大手海運会社の海上職という仕事に出会い、ご縁があり新卒として入社する運びとなりました。一般の大学から海上職を採用するという制度が始まってまだ数年だったため一般的な知名度が低く、非常に希少価値のある仕事であること、また小さい頃から自動車、船舶や飛行機といった乗り物が好きだったこともあり、自分の就職活動の軸に一致する点が多かったことが決め手でした。
入社後は、新入社員研修の後、海技大学校での座学と乗船実習を経て、海技士(航海)の免状を取得しました。
LNG船や自動車専用船の航海士として1日8時間の船の操縦や担当機器の管理・メンテナンスの他、カーゴの管理や荷役などを担当しました。陸上の生活とは隔離された世界で、体力的にも精神的にもタフな環境でしたが、全長約300メートルの巨大な船舶を操縦することや世界各地の港を回れることは他の職業では決して体験出来ない出来事で、貴重な経験でした。
病院もなく、医者もいない船の上で働くうえで心身の健康は絶対条件です。そのような環境下で自己管理能力を身につけることが出来ました。また、外航船はほとんどの船員が外国人で構成されているので、多様な国籍の乗組員と良好な関係を保つためのコミュニケーションスキルも必要になりました。その上で航海士として必要な船の運航や荷役に関する専門知識を日々勉強しながら安全運航に努める多忙な日々でしたが、6か月間の乗船の後は3か月間の休暇があり、休暇中には長期の旅行に行ったり、語学留学に行ったりとメリハリのある生活でした。
航海士として乗船を続けるうちに、自分自身のライフプランや家族、友人のことを考えるとこのまま船上で働くよりも、陸上で生活するほうが良いのではないかと思い至るようになりました。そんな折、乗船中に家族が体調を崩したことが決定的な転職のきっかけでした。連絡を受けてもすぐに下船して家族に会いに行くことは出来ず、非常に辛い思いをしました。
転職活動を経て、エネルギー関連の専門商社に入社しました。この会社は航海士時代から接点があり、前職とも非常に親和性が高く仕事に馴染むのも比較的早かったと思います。同職ではLNG船の荷役や入港可否に関する仕事、通関業務等を行いました。総合商社、電力・ガス会社、海運会社など様々な方と接する機会があり、LNGにとどまらずエネルギー全般に関する幅広い知識・情報を得ることが出来ました。
エネルギー事業を取り巻く環境はここ数年で目まぐるしく変化しており、脱炭素、カーボンニュートラルなどに関する事業がどんどん出てくる中で、在籍する会社の業態や規模ではそのような事業に参画していくことが難しく、もどかしく感じていました。水素やアンモニアといったカーボンフリーの燃料、あるいは再生可能エネルギーなど将来に向けた事業に関わりたいという思いが強くなり、今回の転職を決意しました。
これまでは新卒で入社してから与えられた仕事をきっちりこなすというスタンスが強かったのですが、今回の転職では上記のような環境に関する仕事、SDGsなど未来に資する事業に携わりたいという明確なプランを持って転職活動に臨みました。これまでの経歴を活かしつつ、そのような仕事が出来る企業というのは非常に限られており、やみくもに応募するのではなく、かなり数を絞って転職活動を行いました。
その一方で、会社の知名度や規模、安定性などは自分がやりたい仕事とは関係がないということに気づき、このような点は意識していませんでした。
日々の業務に追われているとゆっくりと自分のキャリアデザインやライフプランを考える機会はありませんが、今回の転職活動を通じて本当にやりたい仕事はどんなことなのか、ひいてはどのような人生を歩みたいのかということに向き合うことが出来ました。
また、ご担当の転職カウンセラーの篠原さんにアドバイスをいただきながら自分のキャリアを棚卸しすることで、これまで自分が積み上げてきた経験を整理し、また何が足りなかったのかに気づくことも出来ました。
次の職場では、これまで海上輸送や荷役の現場で培ってきた経験を活かして新たな事業にチャレンジしたいと考えています。将来の世代のためにカーボンフリーの社会を目指し、かけがえのない青い海、青い空を守っていきます。