東証プライム上場 総合商社 販売金融
東証プライム上場 大手総合リース会社 経営管理
城谷 賢一 氏 28歳 / 男性
学歴:難関 私立大学付属高校 卒
難関 私立大学 理工系学部 卒
難関 私立大学大学院 理工系研究科 修了
統計検定2級
TOEIC 890点
自分のバックグラウンドは理系の応用数理専攻の大学院生でした。この専攻にした理由は、私は小学校の時から算数や数学が得意で、数学を使って世の中の現象を解析して、最終的に社会現象をモデリング等の集学的手法を用いることで解明している点に魅力を感じたからです。
この学問の学生は、一見するとデータサイエンティストや保険のアクチュアリー、クオンツ等といった所に就職するケースが多いのではないかと考える方もいらっしゃいます。さらには博士号を目指すという選択もあり得ます。
しかし私は研究者という道ではなく、一般の事業会社に就職したいと考えるようになりました。なぜならば、研究活動で何か成果を出したとしても、それが目に見えた形で世の中に影響を与えていると感じることが非常に難しいと考えたためです。その状況下よりは、実際にビジネスに携わることで、世の中に貢献してみたいと思うようになりました。そして、例えば金融業界であれば私の数字に強い、という長所も活かせる場面が多いのかなと感じていました。
私は2019年4月、大手総合リース会社へ入社しました。当時の入社の決め手は若手から海外で働く機会を得られること、後は金融関連の職に就きたいという想いで決めました。
海外で働いてみたいと考えた理由は、海外経験があると将来的に人材としての希少性が高まるのではないかと考えたからです。
私は、留学経験はありません。当時、大手総合リース会社は部門別採用を行っており、国内リース、自動車リース、航空機や船舶を扱うスペシャリティ、そして国際事業の部門、計4部門から希望する部門を選べる形で募集を行っておりました。幸いにも、私が希望していた国際事業部門での内定が決まり、2022年4月の退職までそこでお世話になりました。
私以外の同期は皆が留学経験豊富でしたが、私の半年間の中南米でのバックパッカー経験を評価して下さったのだと思います(どこでも働けそうだ、と面接後にコメントを頂いたのを覚えています)。
2019年4月から2021年1月までは、アジア事業開発部に所属しました。ここでは主に、シンガポールやインドネシアの投融資している企業の業績管理や、新しい案件を遂行するために社内資料作成等を担っておりました。投融資先企業はeコマース、ペイメント、不動産、銀行等、様々な業界が含まれていました。この頃はどちらかと言うと、アシスタントとして先輩社員のサポートを行うことが多かったです。
2020年10月頃に自分の部門の部門長から、米国子会社へのトレーニーとして出向の打診を受け、待望の海外駐在を叶えることができました。米国赴任の際はE-2ビザ(トレーニービザでなく、駐在員扱い)であったため、最初の一年間はトレーニーとして、その後は駐在員として職務を全うするとの説明も上長より聞きました。
2021年1月から実際に駐在が始まり、主に以下の業務に携わっておりました。
1. トレーニーとして出向先の業務を学ぶこと
2. 内部統制の仕組みを構築して、親会社が定める基準を満たすようにすること
3. 上司のビジネス推進のサポート
この出向先の企業は、2019年11月に新たに買収した米国独立系ファイナンス会社で、配送用のトラックや高所作業車をファイナンスすることで金利収入を上げている会社です。買収直後ということもあり、細かな業務内容は本社の人も把握し切れていない所があったので、それを理解することで本社の方々と長所をシェアしていくのが第一のミッションでした。
2に関しては、元々がベンチャー企業であるため、一部上場会社の内部統制の基準を満たすように店内検査や内部統制、その他本社へのレポーティングを実施することで日本の会社法で要求される基準を満たす米国子会社を目指すことが大きな目標でした。最後は米国現地での唯一の日本人上司のビジネス推進のサポート業務も担っておりました。
上記業務以外にも、実際の部署に所属することで実務の経験も積んでいきました。特に現地審査部での業務は、会話が全て英語であったためかなりハードな環境でしたが、学ぶことが非常に多く、チームにも貢献できたと思えるので、大きく成長する機会が得られました。
米国子会社での働き方はかなりハードでしたが、同時に学ぶことも多く充実した時間を過ごせました。
最低でもあと数年間、米国駐在をこのまま続けていくものだと思っていました。しかし2021年12月、想定より早い期間での帰任辞令を本社から受けました。私は自身のキャリアプランシートに「今後、数年間は米国駐在をしてスペックを高めていきたい」という想いがあったため、今回の人事発令に非常にショックを受けました。同時に、自分の求めるキャリアを描くには「転職」という形がベストではないか、とも考え始めました。
米国での出向先企業の唯一の日本人上司も、私に非常に同情して下さいました。彼からも「転職するならば、帰国する直前で始めるのが一番のタイミングだ」というアドバイスも頂きました。今思えば、上司が部下に転職を勧めるとは妙な話でしたが……。
基本的に米国滞在中にオンラインで転職活動を行いました。
2021年12月から様々な転職サイトに登録しました。エリートネットワークの転職カウンセラー 黒澤さんと最初にオンラインでお話しした時も、それ経由だったと記憶しています。
当時は転職を始めたばかりで動機もふわふわしていたのですが、きちんと「次にどのような仕事に携わりたいか」等の深いヒアリングを受けました。当方の言語化できていない想いまで汲み取って頂き、黒澤さんから多数求人案件をご紹介頂いた上で、関心があるものをピックアップして応募しました。
エリートネットワークさんを通じて応募した業界は総合商社と海運会社です。それらの業界から企業を絞って転職活動を行っていました。この二つの中でより志望度が高かったのは総合商社でした。
理由は、
1. 海外ビジネスに携われる
2. 自ら主体的となって事業を生み出す経験ができる
3. 今までのキャリアでの経験(経営管理業務や営業推進のサポート)が活きる
からです。
アメリカでは日本人唯一の上司が商社出身と言うこともあり、彼のネットワークやコネクションで子会社の事業拡大をある程度できたという事実がありました。そのため、私もその上司のように商材と商材を結び付け、新たな事業を生み出す経験を次の会社でやってみたいと考えるようになりました。
結果として総合商社から内定を頂きました。総合商社は2社受けて、一つが自動車の販売金融に関する部署、もう一つがリスク管理の部署でした。両方とも私の経験にマッチしている点があり、志望度が高かったのです。その中でも、前者とご縁があり今回内定を受諾させて頂きました。
私としては、転職の結果として満足いく形で終えることができました。後は実際に働き始めてから上記で言及したキャリアで目指したい目標をクリアして転職先で貢献することだと思っています。
● 若手での海外駐在経験
→やはり企業から見れば、年次が若く海外経験があるという点は重宝すると思います。なぜかというと、そのような人物を採用した際には、トレーニーとしての扱いでなくいきなり駐在員として扱うことができるからです。つまりは、トレーニーとして研修を積ませる費用が浮くため、コストパフォーマンスも高いと思って頂けたと思います。
● 自動車に関してのファイナンス・リース経験
→総合商社は幅広い商材を持っているため、金融のバックグラウンドが活かせるフィールドはあります。その中で今回の求人案件では、自動車のファイナンスやリースの経験を募集要項で指定しており、それらに私が今までのキャリアで携わった実務経験が上手くマッチしていました。
● 販売金融会社設立に関する経験
→米国駐在中には、建機に係る販売金融会社の設立案件にも携わらせて頂きました。今回の求人案件では、自動車の販売金融会社設立が業務内容の一つとなっています。私は自動車の販売金融会社設立の経験はありませんが、建機の販売金融会社設立のプロジェクトの一部には関わってきましたので、その経験も汲み取って頂いたのかなと思います。
私は米国滞在中に現地から転職活動を続けていましたので、そのような状況下でアドバイスできることを以下に記載させて頂きます。
1. 転職面接で聞かれる質問は毎回大体同じなので、そこは念入りに準備する
2. 企業研究はYouTubeや統合レポート等から行う
3. 過去の実務経験を基に自分の強みをアピールできるようにする
4. 面接では極端に緊張せず、相手と仲良くなる、くらいのスタンスで臨む
1点目は、転職の面接で
● なぜ転職するのか
● なぜこの業界なのか
● なぜその中でも弊社なのか
● 挫折経験(仕事で一番注力したこと)
● 入社したらどのようなことがしたいか
は、ほとんどの面接で聞かれます。逆に言うと、これらの質問に納得のいく回答ができなかった場合は準備不足と言えます。しっかりと準備して、場合によっては模擬面接や録画した自分の話し方を見てブラッシュアップしましょう。
2点目は、その会社への理解を深める、ということです。
海外からでもYouTubeを見てその企業についての動画を検索し、勉強することができます。また、統合レポートにはその企業がこれからどの点に注力していくのか、それ以外にもCEOのメッセージが書かれていたりして、その企業が大切にしていることが強調されて記載されています。そのようなポイントをメモすることで企業への理解度を高めていきましょう。
3点目は、過去の実務経験からアピールできるポイントを抜き出す、です。
これは今までキャリアでしてきたことをリストアップしてみて、どんなところに自分は注力したかを羅列してみて下さい。あなたのオリジナリティが出てくるものであれば企業はきちんと聞いて下さると思います。もちろん、その会社で役に立つものが望ましいでしょう。
最後の4点目は、面接で緊張し過ぎないことです。
面接では、中には1対5という企業側がかなりの人数参加するケースもあります。そんな中でも、リラックスして「やり切った」と思えるように事前の準備をしておきましょう。準備をたくさんしていれば、本番も極端に緊張することはないでしょう。
今思うことは、転職活動は準備が本当に大事である、ということです。準備をし尽くしたと思えるほど準備して、後は自分ではどうにもならないこともありますが、そこは「人事を尽くして天命を待つ」の言葉通りにするしかありません。
エリートネットワークの黒澤さん、今回は私の転職活動のサポートをして頂きどうもありがとうございました。ただ単に内定を取ること以外にも、本当に私が納得いく決断ができるように様々な面からアドバイス頂けて本当に感謝しています。
また、アメリカから帰国直前や年末年始の時期は私自身バタバタしており対応も遅くなったこと、失礼いたしました。
忍耐強くアシストして下さったこと、心より感謝申し上げます。