公認会計士女性、監査法人から総合商社の内部監査部へ

公認会計士女性、監査法人から総合商社の内部監査部へ

No.1394
  • 現職

    東証プライム上場 財閥系総合商社 内部監査部 プロフェッショナル職

  • 前職

    大手監査法人 監査部門 インチャージ経験後、シニアマネージャー

吉岡 千代乃 氏 39歳 / 女性

学歴:私立大学 経済学部 経済学科 卒
公認会計士
TOEIC905点

1.    はじめに

監査法人から事業会社への転職をご検討されている公認会計士の方は、少なからずいらっしゃるのではと思います。私の体験談が、ご検討中の皆様の参考になれば幸いです。

2.    公認会計士を志した理由~監査法人での業務

学生時代に会計士を志しました。将来を考える中で、資格を得て手に職を付ければ、自立して一生働けそうだと考えたためです。会計に興味があったため、公認会計士試験に挑むことに決めました。

大学卒業後に大手監査法人に入所し、主に会計監査業務に従事しました。途中、マーケティング部門への異動も挟みましたが、退職直前も監査部門に所属していました。

監査法人での業務の中で、転職活動に役立ったと思う経験が大きく二つあります。
一つ目は、会計監査を始めとした様々な案件でのインチャージの経験です。インチャージは、クライアント、監査チーム内、法人内の他部署などの関係者とのやり取りにおいて、中心となる立場です。その立場で、監査という一つのプロジェクトを完了させるには、プロジェクトマネジメント力が求められます。プロジェクトマネジメント力は、あらゆる仕事を行うにあたって役立つスキルであり、汎用的にアピール出来るものだと思います。
二つ目は、英語力を含むグローバル対応力です。クライアントの海外子会社に関する論点の検討、現地監査人とのコミュニケーションといった業務経験は、特にグローバルに展開している企業を志望する際には、即戦力としてアピール出来るものだと思います。

3.    転職理由、転職活動前の考え

転職を考え始めたのは、コロナ禍でリモートワークが続いてしばらく経った頃でした。リモートワークにより通勤時間や移動時間が浮き、自分を見つめ直す時間が増えたためです。
監査法人に長年勤務してシニアマネージャーになっており、このまま監査法人内で働くのであれば、パートナーを真剣に目指さないといけないタイミングでした。昨今の会計監査は、基準の厳格化などにより、以前よりも多くの監査手続や文書化が求められるようになっていました。また、複数の担当クライアントで、それぞれ毎年新たな事象が発生し、それに伴う対応工数も増えていました。そして、これらの傾向は今後も続きそうだなと感じていました。
考えた末、自分の気持ちとしては、パートナーを目指して会計監査を極めるよりも、監査法人を出て新しい事、特に、腰を据えて一つの会社のために仕事がしたいと思いました。

次なる仕事は、自分が何をやりたいかということと、自分に何が出来るのかという観点で決めました。
自分が何をやりたいかという点では、組織の中で多くの人たちとチームで働くのが好きなことから、独立ではなく会社組織への転職を見据えました。その際、外部の立場からではなく内部の立場から当事者として業務に関わりたいという思いがあり、会計事務所などのファームやコンサルティング会社ではなく、事業会社を選びました。
自分に何が出来るのかという点では、監査の経験を役立てたいという考えから内部監査部を、自身の海外業務経験を活かすためグローバル企業、その中でも特に貢献が出来そうな総合商社業界をターゲットにしました。

4.    転職活動時の実際の対策

私が入社した当時の監査法人の就職活動は、世間一般で多くの新卒の方が事業会社に対して行ういわゆる就職活動より、だいぶ簡略化されたものでした。私の職歴はこの監査法人のみでしたので、私にとっては、今回が初めての本格的な就職活動、且つ、初めての転職活動となりました。転職活動にあたっては、新卒の方々向けの就職活動のウェブサイトや動画なども参考にしました。

実際に転職活動を実施して、自己分析と企業研究の重要さを感じました。この二点がしっかりしていれば、志望する会社の選択だけでなく、職務経歴書の作成や面接の受け答えなども、しっかりと対応出来ると思います。
自己分析は、なぜ転職をするのかという点と、自分の強みが何か、そしてそれが志望する企業の職種にどう活きるかという点を深掘りしました。今までの業務経験を、如何にして言語化し強みとしてアピールするか、頭を捻りました。

企業研究は、会社の投資家向け資料(ウェブサイトの記載内容、有価証券報告書、決算説明資料、中期経営計画など)を読み込みました。また、その業界概要を解説した初心者向けの本を読むなど、出来る限りの業務理解に努めました。志望会社の新卒就職希望者向けのウェブサイトや会社説明動画も大変参考になりました。

上記を基に、面接時の自己紹介や想定問答のスクリプトを作成し、それを100回以上音読しました。それでも面接当日は緊張し声が上ずって、面接官の方に緊張していますね、と言われたこともありました。緊張してしまうのは仕方がないので、それは普通のことだと思うようにしました。覚えてきたスクリプトをただ読み上げるのではなく、目の前の面接官の方と会話をすることを心掛けるようにしたことで、面接が進むにつれて緊張も自然に解けていきました。

5.    転職活動後の感想

転職活動は新卒の就職活動とは違って、求職者にそれぞれの業務経験があり、自己アピールのポイントを複数出せるため、差別化しやすいと思いました。自分という商品を如何に企業にアピールするか、という観点で頭を捻ったのは初めての経験で、自分自身の転職後のキャリアを考える上でもとても良い経験でした。
また、求職者・志望企業の間で上下関係があるのではなく、あくまで対等な立場でのマッチングプロセスだなと感じたのが新鮮でした。自己分析と企業研究をしっかりした上で、遠慮はせずに自分の希望をきちんと伝え、そして変に自分を良く見せようとはせずに、あるがままの自分を出し、それでご縁があった企業に内定を頂く、というプロセスを踏むことで、自分に合う企業とマッチング出来るのだと思いました。

悩んだ点としては、入社する企業の選択です。面接の最終段階まで進んだ企業は2社ありましたが、そのいずれの会社も希望条件通りで、甲乙付け難い状況でした。最終的には、先に内定を頂いた企業を選びましたが、結果として、後悔の無い判断だったと思います。私は特に、その転職先で自分がどのように働いているかイメージできるか、その会社で数年働いた後になっているだろう自分の姿が自分の求めるものか、という点を重視しました。今回、転職することになった企業は、そのいずれも自分自身の納得の行くものでした。

私の転職活動は一旦幕を下ろしましたが、これからは転職先への入社という未知の経験が待っています。新たな会社で、その一員として働くのが今からとても楽しみです。そう思える転職活動だったのは嬉しい事です。

6.    (株)エリートネットワークさんへの感謝

エリートネットワークでは、転職カウンセラーの高橋さん、西堀さんにご担当頂き、初回面談から内定まで大変お世話になりました。
初回面談では、何気ない会話から私自身のキャラクターを読み取って頂きました。それを基にしたアドバイスは的確で、一人では客観視出来ない部分もありました。それまでに複数のエージェントと面談をしてきましたが、その中で一番気付きを与えて頂いたのがエリートネットワークさんでしたので、安心して転職活動のサポートをお願い出来ました。
面談後も、履歴書や職務経歴書、面接準備へのアドバイス、志望企業との間のやり取りをして頂き、お陰様で希望する総合商社からの内定を頂くことが出来ました。お二人との出会いに、大変感謝しております。

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