銀行系総合デベロッパー 鑑定部
霞が関勤務 国家公務員 総合職
高松 涼 氏 29歳 / 男性
学歴:私立高校 卒
東京大学 農学部 卒
TOEIC公開テスト 900点
宅地建物取引士資格試験 合格
不動産鑑定士試験短答式試験 合格
国家公務員としての一通りの業務(国会対応、予算要求及び執行、法令改正)を担当しました。
時間に追われていることが多く、多々ある情報の要点を端的に押さえて関係者へ説明する能力や、合意形成能力が身に付いたと思います。
国家公務員は頻繁に異動を繰り返すことから、特定分野への専門性が深まらないと感じていました。
また、国会対応や予算要求、各種会議の開催準備などはショートなスケジュールが多く、個人の力では変え難い他律的要因によって深夜まで残業する状況でした。そのような働き方を今後何十年も続けられるとは思えませんし、それが近いうちに改善される見込みもありませんでした。
加えて、自分が希望するような部署には入省時の試験区分や年次の関係で行けないということ、上記で述べた他律的なスケジュール、決定済の方針に従った業務遂行など、自分の人生の時間の使い方、主導権を全て役所の人事に委ねている状態にも違和感がありました。
公務員として霞が関で一通りの業務を経験し、先のキャリアもある程度見えてきた中で、自分の在りたい姿を再考し、転職することにしました。
転職にあたっては、
①専門性を磨けること
②自分の時間の使い方や仕事のやり方、方向性をコントロールできること
を重視することにしました。
業界としては、社会インフラや都市開発に関心があった為、不動産分野で働きたいと考えていたところ、まさに先ほどの条件に当てはまる職業として不動産鑑定士の仕事を知り、鑑定士試験の勉強をスタートさせました。
当初は、前職の分野とは全く異なる業種、未経験という不安もあり、前職の仕事をしながら勉強し、試験合格後、転職活動を始めるつもりでした。
しかしながら、非常に忙しく終電帰りの多い部署に配属された為、時間的にも体力的にも試験勉強が困難なこと、次の試験合格を逃すと30歳になるという年齢的な面を踏まえ、試験合格前でも転職可能か、(株)エリートネットワークの転職カウンセラーの横関さんにご相談しました。
横関さんからは、転職の方向で後押し頂き、転職活動を開始しました。
以下の4点を重視し、鑑定事務所の他、鑑定評価だけではなく不動産コンサルティングの面も強い信託銀行や都市開発も行うディベロッパーなどの面接を受けました。
①専門性を身につけ、この分野では負けないという強みを作り、社内の人事だけに任せない生き方ができること。
②鑑定評価をベースとしつつも、都市開発など他の不動産に関する分野の知見も得られること。
③不動産鑑定士試験の勉強に理解があり、必要な勉強時間を確保できる働き方であること。
④デスクワークだけではなく、現場に出られる仕事。
結果、上記4点を満たす職場に転職できたと思います。
(1)反省点
①相手(採用する側)の立場に立った志望動機の準備不足
幅広にエントリーしたところ、面接を最初にセットして頂いた会社は、自分の考えと方向性がやや異なる会社でした。
面接の準備不足もあり、その面接では、自分の希望のみを伝える形となってしまい、先方の立場に立った回答ができませんでした。時間の無駄と怒られてもおかしくない面接でしたが、「何をやりたいのかよく考えて、色んな会社の話を聞くのがいい」と優しくアドバイスを頂けました。
2社目以降は視点を切り替え、自分がどんな点で会社に貢献できるのかという観点で話せるようにきちんと面接準備し、臨むことができました。
②一次面接での質問不足
私が受けた面接では、一次面接は配属を希望する部署の社員の方々、二次面接以降は人事部や役員等との面接という流れが多かった為、配属部署での具体的な働き方や業務内容に関する質問は全て一次面接で聞いておくべきでした。
一次面接での質問が長時間に及んだように感じられたので、次回に後回しにした優先度の低い質問、後から気になった質問がありましたが、二次面接の面接官は配属希望部署に所属されている方ではなかった為、二次面接では的確な回答を得られない質問項目がありました。
(2)気づきの点
①転職活動の時間確保が大変
面接や質問の準備に加えて、実際に面接を受ける場所や時間を確保することが大変でした。
横関さんにお願いし、できるだけ面接日や時間をまとめてもらう、就業前の朝8時や定時後の夜の時間に設定してもらうなどの調整をしてもらいました。
②公務員の転職可能性
一般に特定の専門性が身に付かないと言われる国家公務員はなかなか転職先がないと思っていましたが、今回の転職では自分の強みを活かしつつ、やりたいことを明確にして望んだ為、希望する条件に合った会社に転職できたと思います。
また、未経験の異業種への転職であり、不動産鑑定士試験の合格を要件とする求人が多数だった為、書類選考に通らない企業も複数ありましたが、事前に試験勉強を進めて短答式試験(一次試験)に合格していたことで、口先だけではない前向きな姿勢を示すことができたのは、プラス要因だったのかなと思います。
前職の職場でお世話になったある方には、「自分の人生だから、自分で決めたなら頑張って」と言って頂きました。
まずは、不動産鑑定士試験に合格する為、仕事と勉強を両立したいと思います。
そして、転職時に目指すと決めた「不動産に関する専門家」を目指して、妥協せずに努力を続けたいと思います。