東証プライム上場 農機メーカー デザインセンター プロダクトデザイナー
完成車メーカー デザイン部 内装意匠デザイナー(チームリーダー)
鶴岡 広明 氏 39歳 / 男性
学歴:大阪府立 登美丘高等学校 卒
京都精華大学 芸術学部 プロダクトデザイン学科 卒
PCスキル:adobe photoshop、adobe illustrator、Rhinoceros 3D、Patchwork 3D、Blender、Microsoft office
小さい頃からクルマが好きで、教科書の隅に落書きしている子供であったこともあり、クルマのデザイナーになりたいとぼんやりと考えていた。
美術大学に進学するため予備校に通い始めたが、金銭的な事情により一旦は断念。
某自動車会社の製造現場にて地獄のような日々を過ごし、無事に目標貯金額に到達。
改めて予備校に通い、志望した美術大学に入学することが出来た。
美術大学ではプロダクトデザイン学科を専攻し、家具や家電、自動車といったプロダクトデザインの課題を通してデザインに対する世界が広がっていった。
中でも、大手家電会社の元インハウスデザイナーであった教授からは鬼教官とも言うべき厳しい指導を受け、併せて自動車会社の元デザイン部長であった教授からは論理的で哲学的なデザイン思考を叩き込まれた。
そんな中で大学生活も就活の季節を迎え、有難いことに自動車大手メーカー2社のインターン選考に合格。
約2週間の東京旅行気分でウキウキで参加するも、他大学からインターンに参加したメンバーのレベルの高さと、現役デザイナーのスキルの高さ・シビアさに驚愕する。
これじゃいかんと思い直し、採用試験までの数か月間がむしゃらに創作活動に取り組んだ。
その甲斐もあってか、希望していた自動車会社の採用試験に合格し、内定を頂く事が出来た。
晴れて自動車会社のインハウスデザイナーとして新生活が始まった。
会社に入って一番衝撃を受けたことは、「これって誰にとって嬉しいの?」という問いに対して非常にピュアなこと。
デザイナーは常にお客様の嬉しさに繋がる部分をイメージし、その嬉しさを見える化しなければならない。
自動車デザインは少なくとも10年は修行だ、と言われている世界であり、小さな部品から大きな空間のデザインまで、ありとあらゆるプロダクトデザインを行う。
その根底にはお客様へ嬉しさを届けたいという思いがある。自らの発想、発案でお客様が喜んでくれる自動車が作れたら、プロダクトデサイナーとしてそんな嬉しいことはない。
いつかそんなデザイナーになれるようにと必死に業務をこなした。少なくとも入社して数年間は新卒採用の会社が全てであり、転職なんて考えもしなかった。
入社から10年が経過し、業務の幅も知識も広がるにつれ、このままこの会社に居続けてキャリアを重ねるか、外へ飛び出して自身の幅を広げるか、ふとした時に考えるようになっていた。
前職は気の知れた仲間ばかりなので仕事は進め易く、居心地もある程度は良い環境だった。
一方で、人生においてチャレンジは出来ていないな、という思いがあった。
そんな中、お世話になっていた先輩デザイナーが本社組織へ異動となり、キャリアをぐんぐんと成長させているのを目の当たりにし、私自身もこのままではいけないという思いが強くなった。
いざ自身が転職活動を始めてみると、その大変さが身に染みた。
アフターファイブや週末を利用し、ポートフォリオの構成を考え、作成し、見直し、修正する。
ある程度納得するところまで作り上げたポートフォリオで記念すべき一社目に応募。見事書類選考を通過した。
選考を通過したことに満足したのか、今思えば大した対策も行わずに一次面接に臨んだ。
結果は面接官とデザインについて大いに盛り上がり、予定時間を30分もオーバーしてしまった。これは間違いなく受かっただろうと思い込んでいると、まさかのお断り連絡が届いた。
冷静になって考えてみると、会話は大いに盛り上がったが、転職活動の場であることを忘れ、この会社に対して活かせる私自身の強みや、転職した後にどうなりたいのかというビジョンを “ 伝えたい ” という明確な気持ちが足りていなかった様に思う。
一回目の面接は大いに反省すべき悔しい結果に終わってしまった。
二社目の応募は兼ねてから気になっていた企業であり、企業の方針とデザインの理念に共感することが多くあった。
ここはなんとしても合格を勝ち取りたいと、一社目の失敗を胸にポートフォリオの大幅な見直しと面接対策を徹底的に行った。
面接の場では初対面の方々に自らの思いや考えを素直に伝えることが第一と考え、どのような質問が来ても自身の考えを述べられるようにエアー面接を繰り返し行った。
そのお陰で、晴れて合格通知を頂くことが出来た。
転職というターニングポイントをきっかけに、自身のデザイナーとしてのキャリアに何が足りていて、何が足りていないのかを客観的に見直すチャンスとなった。
同時に、未来に向けて襟を正す良いきっかけとなったと感じている。
前職でもデザイナーとしてキャリアを積んできたとはいえ、仕事も、環境も、人間関係も、全て新しい環境でのリスタートとなる。
ワクワクする反面、思うようにパフォーマンスが発揮できなかったらどうしよう…などと悩む一面もある。
ただ、自身が決断して行動した結果である事に変わりは無い。
新たな職場では、周囲の方々へのリスペクトを忘れずに、臆することなく全力で、採用して良かったと言ってもらえるような人材になれるよう頑張りたいと考えている。