鉄鋼メーカーの理系修士技術職、予定の立たぬ労働環境と年功序列の処遇から脱却すべく転職カウンセラーへ

鉄鋼メーカーの理系修士技術職、予定の立たぬ労働環境と年功序列の処遇から脱却すべく転職カウンセラーへ

No.1482
  • 現職

    株式会社エリートネットワーク カウンセリング事業部 法人営業 兼 転職カウンセラー

  • 前職

    日本製鉄株式会社 名古屋製鉄所 製銑部 製銑技術室 高炉の操業技術職

佐々木 光志 氏 28歳 / 男性

学歴:早稲田大学本庄高等学院 卒
早稲田大学 先進理工学部 応用化学科 卒
早稲田大学大学院 先進理工学研究科 応用化学専攻 修士課程 修了

① 新卒での就職活動

新卒での就職活動時は、学生時代に学んでいた化学の知識を少しでも活かしたいと考え、メーカーでの生産技術を就職先の中心に据えていました。
数学と理科の先生をしていた祖父から「男なら理系、メーカーで国を支えるんだ」と幼少期から言い聞かされていて、潜在的に理系としての知見を活かした職に就くというのが当たり前だと感じていたことがこの選択の大きな要因です。

一方で教員免許も取得しており、大学院時代の二年間は母校で化学科の非常勤講師を務めていた為、教員という道も視野に入っていました。
とは言ったものの、特別これがやりたいという強い意志はなく、なんとなく、みんなが知っている大企業の生産技術職が第一志望で、仮に内定が怪しそうならば教員採用試験や非常勤講師をしながら第二新卒枠での転職を目指すことが第二志望となっていました。

実際に就活を始めてみると、選考はある程度進みました。その中で懇親会等の雰囲気の良さや、親身になって就活の相談に乗って下さった日本製鉄の社員の方に惹かれ日本製鉄への入社を決意しました。

② 入社した会社・部門での担当業務

日本製鉄へ入社し、約3か月の研修の後に名古屋製鉄所 製銑部 製銑技術室に配属となりました。
この配属は勤務地、部署ともに希望通りでモチベーション高く業務を開始したことを今でも覚えています。

実際の業務としては、名古屋製鉄所に2基ある高炉のうち1基を担当し、安定操業継続、操業コスト改善に向けた提案を行っていました。
高炉とは、鉄鉱石と石炭を反応させることで1500℃を超える高温の鉄を得る巨大設備です。
また、非常に高温な鉄を出し続ける為、簡単には操業停止することができず、原則24時間365日稼働し続けています。
その為、より迅速に課題を抽出して解決策を講じる必要があり、業務遂行スピードや人に考えを正確に伝える力が身に付いたと考えています。
特に説明能力の点では、現場で働く高卒の方々にも納得して改善アクションを実施してもらう必要があった為、複数の切り口から説明するスキルが向上しました。

③ 転職に至ったきっかけ

私が最初に転職を意識したのは入社3年目の春でした。
母校の化学科常勤講師枠に空きが生じ、応募を決意しました。この際は残念ながらご縁がありませんでしたが、このまま日本製鉄で働き続けるのかということを真剣に考え始めたタイミングでした。

また、このタイミングで同研究室から一緒に日本製鉄に入社した仲間が転職するという話を聞き、さらに身近に転職があることを認識しました。
実際に転職をすることを決意した理由は以下の通りです。

①    労働状況
②    処遇
③    出世意欲の減退

①    労働状況
前述したとおり高炉は基本的に止めることができない設備なので、トラブルが発生した場合は昼も夜も平日も休日も盆も暮れも関係なくトラブル対応に邁進しなければなりません。
特に、転職を決意した3年目の終わりに起きた大トラブルでは夜勤での連勤が続き、心身ともに疲弊しきっていました。
また、平常時であっても朝7時に出社し、早くても20時ごろに退勤、長い日は週に一日程度23時まで仕事をしていることもありました。
更に、土日出社か否かが金曜日の夜21時頃に決まることも少なくありませんでした。
その分残業代は頂いており、満足しながら働いていた時期もありましたが、次第にお金よりも計画的な暮らしや休息を優先したいと考えが変わっていきました。

②    処遇
これは日系企業のほとんどに言えることですが、「年功序列」に嫌気がさしました。
例えば、普段ミスが多かろうが、非常に業務処理能力が高かろうが「年功序列」に則って年次が高ければ先に出世、昇格していきます。
決して自分が特別優秀だったわけではありませんが、業務をやりきる努力はしていましたし、それを上司も認めてくれている中で「人事制度だから」と報われないことに納得できませんでした。

③     出世意欲の減退
元々大きな会社で出世したいという気持ちはありました。社会的な地位と収入を得ることが幸せだと考えていたからです。
しかし、私以上に長時間の労働をしている課長や工場長を見ていると出世欲が全て消え去りました。
上司からは「このまま頑張れば出世が早くなるから」とか「俺が次のポストに行くときは黒澤を引き上げるから」などと言われましたが、むしろ出世したくない、頑張りたくないと感じていました。

上記のように、頑張って働いた結果が反映されないことに納得はできない、かといって出世がしたいわけでもないというジレンマを抱え、頑張る理由も無ければサボるほどの度胸も無く、このまま働き続けても疲弊し続けるだけで幸せになれないと感じて転職を決意しました。
また、大学・大学院(研究室)・新卒の就職先で同じ道を歩んできた久井君が(株)エリートネットワークで転職カウンセラーをしており、相談しやすかったことも大変大きな要因でした。

④ 自身がこだわった事柄、逆に、従来のこだわりを捨てた点

●こだわった点
・関東圏での就業
・技術職以外への転職
・自社内で完結しない仕事
せっかく転職するなら、若さを活かしてポテンシャルで勝負をしたいと考えました。(今思えばポテンシャルしか勝負できる点がありませんでしたが…)
理系だからという概念にとらわれて自分自身の選択肢を狭めていた点を見直し、技術系以外への転職にこだわりました。
更に、自社内で完結しない、社外に向いた仕事がしたいと考えました。
なぜかと言われると言語化が難しいですが、前職の業務が完全に内向きだった為、うまくいってもいかなくても、前進も後退もせず足踏みをしている感覚がもどかしかったからです。
また、地元である関東へ帰るということも重視しました。

●こだわりを捨てた点
・年収
前職では同世代に比べてなかなかの収入がありましたが、この点は捨てざるを得ないと決意しました。
その他はもう何もかもを変えてやるという心持ちで転職活動に臨みました。

⑤ 転職活動を通じて学んだ点

転職活動を開始する前は、自分なんかを欲しい企業は無いだろうと諦めていました。
しかし、蓋を開けてみると、久井君から「あそこはどうか、同じ系統でここもここも可能性がある」と次々に応募先の候補を出してもらい、その全てが素晴らしい企業ばかりでした。
久井君は学生の頃から人の立場に立ち、その人にとって一番良い結果にする為にはどうすればいいのか、と考えられる人間でした。
今思えば研究内容も縁の下の力持ちを表したテーマで、その頃から人の為に動いていたことを思い出しました。
そんな久井君が心の底から検討した転職希望者にとっての一番の選択肢が、外れるわけがありません。

反省点としては、ただただ転職したいという気持ちのみで動き始めた為、企業のことをほぼ知らずに動き始めてしまったことです。

しかし、久井君は優しく一社一社懇切丁寧に説明してくれ、転職後に働くイメージがすごく湧いてきました。

⑥ エリートネットワークへの入社を決意した理由

結局、私はエリートネットワークへの入社を決意しました。

久井君と対面の面談をしている中で、同席されていた転職カウンセラーの責任者である高橋さんから「うちでやってみないか」とお言葉を頂きました。
最初は何を言っているんだろう、正気か?と感じました。
自身の会社に入れるよりも、他社に紹介する方が(その場では)売上が上がるはずです。
何よりも、先に飛び込んで自身の地位を築いている久井君に申し訳ない気持ちもありました。

しかし、高橋さんは(当時の私の目からは)大真面目に薦めて下さっていて、私が拘りたいと思っていた要素全てを満たしていると丁寧にご説明頂きました。
また、その後に松井さん(社長!)が高橋さんと交代され、再び私の拘りたい事を聞きながら、その都度しっかりと言語化して私の進む道を照らして下さいました。

話は変わりますが、私は教師を目指していました。その理由は祖父及び高校時代の恩師への憧れでした。
一人の人間が何人もの人間に影響を与え、さらにその下の代へ下の代へと樹形図のように広がっていく。
そのスタートが祖父や恩師のような教員だと考えていました。
あの人のお陰で人生が良い方向に変わったと思ってもらえるような人間になりたいと憧れを持っていました。

さて、話は戻りますが、面談の際に「ヒト・モノ・カネ」どれが仕事に重要か、と問われました。
この時私は「ヒト」と答えました。
続けて「ヒトに対する仕事は教員・医者(医療従事者)・人材業」と言われたことで、現実的な線として転職先が「教員」か「エリートネットワーク」かの二択になりました。

教員に関しては、すでに母校は落ちていてもうチャンスはなさそうでした。
そもそもチャレンジがしたくて転職をするので、年次関係なくやったらやった分評価される緊張感に惹かれエリートネットワークへの入社を決意しました。
加えて、エリートネットワークには理系出身で元エンジニアの方が多く在籍していて、大きく職を変えることになるがキャッチアップできるのかという不安を打ち消してくれました。
何より久々に会った久井君がいい顔していました。(これが一番の理由かもしれません)

⑦ 最後に

転職希望者はもとより、法人営業としても「対ヒト」の仕事をしていることを常に胸に抱えて業務に臨みたいと、漠然ながら考えています。
また、「倒れるとき(ミスをするとき)は前のめり」をモットーに全力で経験を積み、実践の場数を踏むことでビジネスマンとして成長していきたいです。

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