メガバンクグループの大手信託銀行 証券代行部門 システム企画 兼 IR
東証プライム上場 日系超大手SIer 公共系システム開発部門 システムエンジニア→IR室 課長代理
坂元 健次郎 氏 38歳 / 男性
学歴:都内私立大学 商学部 卒
「縁の下の力持ち的な存在として、社会を広範に支える役割を担うような仕事をしたい」という思いから、電力やガス等のエネルギー系企業から情報通信系、金融機関等の企業を幅広く見て回り、最終的には将来性を一番感じた情報通信系企業に就職し、SEとしてキャリアをスタートさせました。
中央官庁等のお客様相手に公共系の大規模システムの開発に携わり、プロジェクトマネジメントを軸として、要件定義、設計、試験を中心に、ときにはプログラミングまで幅広く経験させてもらいました。
お客様との関係が悪化するような場面もありましたが、厳しいながらも温かい上司や同僚に日々助けられながら、徐々に自身で回していける業務も増えていきました。いくつかのプロジェクトの完遂も経験したことで、自信をつけながら充実した日々を送るとともに、現場でのシステム開発業務を通じて ” つくる ” 仕事の楽しさにどんどんのめり込んでいきました。
ただ、その後もっと開発をやっていきたいという自身の思いと、会社側の考え方との相違(より広範な業務経験としてお客様先常駐でのヘルプデスク対応等、運用サイドの業務経験を積ませたいとの考えによる配置転換)がきっかけとなり、社内公募制度を活用しての異動を決意しました。
ここで一度立ち止まって自分の今後を真剣に考え、システム開発業務にこだわらずに自身のやりたいことをやっていこうと、現場から経営に近いIRスタッフへキャリアチェンジしました。
この時点でも転職は頭をよぎりましたが、まだこの会社でやれることがあるはず、との思いから踏みとどまりました。
IR業務ではチームリーダーとして、2~3名のメンバーを率いながら、担当としての一通りの業務を経験しました。
スタッフ部門側にはほぼ知り合いもおらず、関わるステークホルダー、また仕事の進め方や文化も異なるため、当初は非常に苦労しましたが、自分が決めた道だから、と歯を食いしばってなんとか食らいついていきました。
現場でやっていたときには、目の前のお客様やシステムのことしか見えていなかったのですが、やはり本社スタッフ業務を経験することで、経営幹部や多くの他組織と日常的に触れ合うことにより、自分の会社や属する業界がどういうトレンドに乗って、どこに向かおうとしているのか、高い視点や広い視野を持つことができたと考えています。
また、IR室でもやはり元来好きだった " つくること " に楽しさを見出し、統合報告書やその他開示物をさまざまな他組織を巻き込んで作り込んでいく過程がおもしろく、次第にこの道をもっと極めていきたい、と思うようになっていきました。
さらに、IRスタッフとしてのキャリアの後半では、機関投資家相手の取材時のスピーカー対応も経験させてもらいました。
会社の代表として現況や将来の見通しを投資家相手に伝えることの難しさを痛感しましたが、誰も助けてくれない厳しい状況を経験することで、知識も深まりましたし、自分自身大きく成長できた気がしています。
端的に、社内のマネージャーへの昇格試験に失敗してしまったことがきっかけです。
30代後半という、年齢的にマネージャーか、スペシャリストか、の岐路に立たされていた状況で、個人的にはスペシャリストが向いているのではないかと思いつつも、やはりそれではこの先いくらがんばっても処遇が改善されることはないだろうという現実もありました。そんな中でIR業務での実績を評価してもらい、マネージャー試験への推薦も獲得できたため思い切って挑戦してみようという考えに至りました。
しかしながら、数ヶ月必死に準備をして臨んだものの、結果は見送りとなってしまいました。
一度失敗すると向こう数年間は再度試験を受けることができないこともあって、いつ来るかわからないチャンスを求めてやっていくよりも、自身がやりたいことを思い切りやってその道での経験やスキルアップにつなげ、専門性を高めていった方が中長期的な満足度が高くなるのではないかと考え、今度こそ転職を決意しました。
転職活動を始めるにあたっては、「直近のIR業務が活かせる(中長期的にIR領域の専門性を高められる)」「中途採用者が活躍している」「年収等の待遇が著しく下がらない」の3点を重視しました。
やはり最も重視したのは1点目ですが、これらの軸をもとにご紹介頂いた求人案件のうち、他事業会社のIRポジション、信託銀行や監査法人等のIRコンサルタントポジションなどをいくつか受けることにしました。
前職でのIR業務を通じて、「同じような悩みを抱えた多くの事業会社のサポートをしていきたい」との思いが芽生えたこともあり、信託銀行や監査法人等の立場でやっていくことにフォーカスを当てていきました。(実際、内定を頂いたのも信託銀行や監査法人でした)
大きく2点ありました。
まず1点目は、選考を通して企業に対する興味関心度が増していったという点です。
ご紹介頂いた求人票を眺めた程度では興味がそれほど沸かなかった企業でも、試しに選考に申し込んで実際に企業の方と直接話をしてみると、単なる思い込みだった、あるいは求人票の文面では知り得ない業務内容や面接官の方の魅力など、対話によって貴重な情報を数多く得られ、自分の中での志望順位もどんどん変動していくことに驚きました。
また2点目は、自身で気づいていなかった市場価値に気づけたという点です。
例えば、私はIRスタッフに転身する前はSEとしてシステム開発に7年間従事していましたが、実際に開発業務を行っていたのは8年前ということで、自分としては使い物にならない経験だと考えていました。
ですが色々な企業と面接をさせて頂く中で、ほとんどすべての企業から最初の7年間のシステム開発経験を高くご評価頂いたことは新鮮な驚きでした。「こんなに外部から求められる経験であるならば、自分自身も好きな仕事だったし、もう一度システム関連の業務をやってみるのもありかもしれない」といった思いも芽生えてきました。
最終的に決めた転職先で行う業務も、「IR」 「システム開発」双方の掛け合わせのような業務内容であるため、前職で培ってきた実務経験をフルに活かせるのではないかと考えています。
担当転職カウンセラーの久井様が、ご多忙の中でも私の話を丁寧にヒアリングして頂き、適切な求人案件をご案内頂けたことに尽きると思います。
いくつかの他エージェント様とも面談等して頂きましたが、少なからず強引に話を進めようとするところも見受けられた中で、信頼して任せられるエージェント様だと感じられました。
業種、組織文化、人などあらゆる要素が異なる環境に飛び込むことへの不安はありますが、自分で決めた道として納得感を持って突き進んでいきたいと思います。
この先も「これで良かったのか……」という思いに駆られることもあるかとは思いますが、人間やったことよりもやらなかったことを後悔するといいますので、まずは胸を借りるつもりで飛び込み、周りの人と良い関係を築きながら、ひたすらに業務に打ち込んでいきたい考えです。
前職でのシステム開発並びにIR室での実務経験を軸に、さらに深みを増していくことで、専門性を磨いていきたいです。
そして、数年後には思い切って転職して良かったと心から思えるように、日々後悔なく過ごしていきたいと思います。