【東証プライム上場 大手総合商社】
人事部 各種プロジェクトの企画立案・推進
【東証プライム上場 世界的ヒットを生み出し続ける有名ゲームメーカー】
人事本部 人事部 人事グループ
給与計算、人事評価、海外赴任者管理、人事システム導入、管理職報酬制度設計担当
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【東証プライム上場 世界展開する医療機器メーカー】
グローバル人事組織 人的資本アナリティクスチーム マネージャー
グローバル要員計画策定、データ分析業務
白井 信輝 氏 37歳 / 男性
学歴:公立高校 卒
国立大学 経済学部 卒
TOEIC 990点(満点)
自分に何ができるか、何がやりたいのかわからないまま、マスメディア、銀行、メーカー等、ビジネスがイメージしやすい会社の説明会や面接を受けました。
ありがたいことにそれらの会社から内定を頂いたのですが、「どこの会社もエネルギッシュでキラキラして、自分に仕事が務まるだろうか…」ときらびやかな会社のプレッシャーに悩んでいました。
ふとある日、小さい頃よく遊んでいた有名ゲームメーカーの会社が頭に浮かび、新卒採用を行っているかインターネットで検索しました。
その会社は当時合同説明会には参加しておらず、自社サイトに辿り着いた学生だけが応募できる仕組みでした。ある意味募集に気づくということが最初のふるいであり、そこに残った気分でした。
ゲームを作っていること以外何も知らなかったのですが、調べてみると本社が実家から近く、大手メーカーと比べると初任給が高い、それだけの理由で興味を持ち、会社説明会に行ってみました。
工業地帯にある本社で行われる会社説明会、そこで運営している素朴そうな社員の人たち。何だかこれまで訪問した会社とは違う、飾らない雰囲気が意外でした。
会社説明会では、社長自ら会社が大事にする価値観を説明していました。
他の会社の説明会に参加した時は、どんな話を聞いても、きれいな言葉が並んでいるとしか感じられなかったのですが、この会社の話は着飾らず、確固たる理屈のもとに語られていると素直に受け止めることができました。
「自分にもしっくりくる会社の価値観、そこで働く実直そうな人たち、ここならやりたいことすらわからない自分でも何かできることがあるかも、素直な気持ちで働けるかも」と、初めて「ここで働きたい」と思いました。
つまり、会社の価値観、そして「人」で決めました。
そういう話は就活をしていると先輩社員の話としてよく聞いていましたが、この時初めて自分にもその気持ちがわかりました。
面接でも、何も特別なことを学生時代にしてこなかった自分にアピールできることがあるとは思わなかったので、会社説明会で感じたことを素直に話しました。
「なぜ当社を選んだか」という質問に、素直な気持ちを伝えたいと思わせてくれる会社でした。
入社後、当時面接してくれた課長に採用理由を聞くと、地頭の良さ、内省する力に優れているから、とのことでした。
日本生まれ日本育ち・留学経験も無いのにTOEICで満点を取っていたことがそれを示したようでした。点数ではなく、そこまで取り組めるエネルギー量・気質が自分の武器だというのは、その話を聞いて初めて気づきました。
文系の私は「事務系コース」で選考を受け、入社しました。
選考では希望職種のアンケートがあるだけで最終的な配属はわかりませんでした。自分に何ができるかもわからない私は、並べられているすべての職種に〇をつけていました。
全体研修後、一人ずつ呼び出され、私の配属先は「人事部」だと言われました。
「事務系の社員とは営業をするものだろう」とぼんやり思っていた私は、人事部という想定が全く無く、「なぜ人事部?一体何をするの?」と驚きとも喜びともがっかりとも何と言ってよいかわからない気持ちになりました。
しかし実際働いてみると、自分に合っていると思いました。
「縁の下の力持ち」は自分が頑張れるポジションで、小さい頃からそういうのは嫌いではなかったです。
裏方の人たちがいるから会社が回っている、という仕組みを学ぶため、その仕組みを作ることで勉強になっていると感じられました。
担当業務は給与計算、人事評価運用など人事の基本から始まり、海外赴任者管理、人事システムリプレースなどを担当しました。
事務的な業務が多い仕事でした。地方の小さな会社がヒット商品で大きくなり、今では優秀な技術者が面白いものをどんどん生み出す会社で、事務系部門の社員はミスなく作業を行えばなんとかなる、言ってみれば平和な会社でした。
入社して6年経った頃、「このようなオペレーショナルなことをずっと続けていて、この先ずっと食っていけるのだろうか?自分のスキルは足りているのだろうか?」という疑問が募っていき、一緒に働く人たちは好きだったのですが、転職を検討し始めました。
2社目もまたメーカーで、より企画色が強い業務に就けそうな会社からオファーを頂き、転職を決めました。
そこでは主にグループ全体の要員計画やグローバル施策への参画を行いました。
「グローバル」業務という仕事を自分で希望したわけではないですが、会社がグローバル化を推し進めていたためのアサインでした。
一社目に比べて仕事のスピード感が早く、目まぐるしく変わる組織や方針の中で、グローバルな組織運営やそれを支える人事施策を学ぶことができました。
ちょうどコロナ禍の頃、多くの企業と同様にピープルアナリティクスを進めていくことが人事戦略に掲げられ、自分が担当する機会を頂きました。
ただ、アナリティクスはデータがないとできません。
まずは何を測定するかと、その導入プランを考えるところからスタートし、基礎的なレポートのパイロット導入をしました。
人事データのグローバル基盤導入プロジェクトの一環として行っていたのですが、肝心のデータ基盤グローバル化はその複雑さやコスト逓減のプレッシャーから遅れに遅れ、自分が期待されている、より発展的なデータ分析は進められない状況が続きました。
転職して7年経っており、その間に昇格・昇進もさせてもらいました。
ただ、この状況をきっかけに、この会社でほぼずっと一つの分野をやってきたことを振り返り、この先の長いキャリアを考えるとより経験の幅を広げたいという気持ちが膨らんでいきました。
グローバル化した自社とも、ジョブ型を進める世間の流れとも逆行していますが、一つのポジションに固定化し昇進していったことが自分にとって不安になったのです。
この会社での経験を活かしつつ、他の人事分野を、人事に投資している会社で挑戦したいと思い、転職活動を始めました。
転職活動では、自分のキャリアを活かせることを重視し、業種はメーカーにはこだわらない、つまり個人のスキルという視点でさらに成長できることを軸にしました。
(株)エリートネットワーク様との面談で気づいたのですが、年収を維持・アップすること、人事分野に投資する余裕がある大企業であることも自分にとって大事な点でした。
いくつかのエージェント様に相談して転職活動を進めましたが、エリートネットワーク様は自分の学生時代まで遡って深堀りして下さり、正直なところ「今の時代にこんな個人的な背景まで聞かれるなんて…」と少し驚きました。
しかし、企業にご紹介頂くにあたって、自分がどんな人間か知るため必要なことだと後から気づきましたし、自分が仕事に求めることにも気づくことができた為、とても感謝しています。
20代後半で転職した一度目と異なり、30代後半での転職でしたので、自分の成果やスキルをアピールすることが大事だと思って転職活動を始めました。
実際、その成果を買ってオファーを下さった企業もありました。
ただ、今回内定を頂き、転職を決めたのは総合商社の人事職なのですが、ここでの選考プロセスでは、前職での成果だけではなく、学生時代に頑張ったことや自分の強み等も繰り返し質問され、これまでの成果に留まらず、そのベースとなる資質や人間性も問われていると感じました。
いかにファンシーな経歴を並べているかだけではなく、どんな人物なのか、ということも採用において大事なポイントにされているという印象です。
メーカーとは異なり、働く人自体が商材ともいえる総合商社ですから、当然のこと働く人の資質や行動の源泉を重要視なさるのだなと思いました。
選考でそのような問いをして頂いたことで、自分が地道な努力を重ねてきたこと、それができる根気強さを持っていること、それが自分という人間であると振り返ることができました。
特別な生い立ちや経歴があるわけでもない自分にとって、そのような資質が、働く企業にも知ってもらいたい自分のアピールポイントとも言えるのかも、と気づくことができました。
私は総合商社の社員の方と関わることがこれまでほとんどなかったのですが、今回面接を通じてお話しした方々から「この人たちと働きたい」という気持ちも持ちました。
新卒の時と同様、共に「働く人」が自分にとって重要なのだと改めて気づきました。
働く人が会社の魅力である総合商社ですから、その人たちが益々活躍できる会社になるような一端を担えることにワクワクしており、自分にできる貢献をしていきたいと思っています。
また、総合商社は、前職とは大きく環境が異なると想像しています。
前職は歴史ある日本企業ですが、ここ数年で一気にグローバル化し、あらゆる階層で他の国に住む人材が採用され、国際スタンダードで仕事を進めています。
そんな組織での知見も採用のポイントになっているのだとしたら、できる限りその実情をお伝えしつつ、必ずしもそれだけが答えではない、という自分の個人的な考えも共有していければと思います。
前職は、(欧米発の)グローバルスタンダードに仕組みが一気に振れたことで、日本本社の中には言語の問題でこれまでの経験や努力を活かし切れない人がいたり、そのため中途採用でどんどん多様なバックグラウンドの人が入社・退社するようになったりし、持続的な活躍の場を提供する会社ではなくなっていると個人的に感じています。
言語化されたパーパスやコアバリューがあったとしても、アイデンティティが失われているようにも感じます。
グローバルに活躍する企業が必ずしもこうなる必要はなく、日本企業が自身のプライドを持って世界で活躍できる、日本企業なりのグローバル化があるのではないか、それはどんな道なのかと考えることが多くなりました。
次の会社である総合商社の方々とはそういった議論も行って、働く人の益々の活躍を支えていくことができればと思っております。