国家公務員34歳女性。海外留学派遣を機に自らのキャリアを見直し、メガバンクのサステナブルビジネス企画室へ

国家公務員34歳女性。海外留学派遣を機に自らのキャリアを見直し、メガバンクのサステナブルビジネス企画室へ

No.1564
  • 現職

    【東証プライム上場 メガバンク】
    サステナビリティ企画部 ESG、サステナブルビジネス企画

  • 前職

    【国家公務員】
    霞が関勤務 総合職 (法令事務官)
    省庁内外の総合調整・取りまとめ、国際交渉、法令業務

川合 久美子 氏 34歳 / 女性

学歴:徳島県立徳島北高等学校 卒
一橋大学 法学部 法律学科 卒
ニューヨーク大学 ロースクール LL.M.取得
カリフォルニア大学 バークレー校 公共政策大学院 Executive Public Policy for Internationals 修了
TOEFL iBT 102点

① 新卒での就活

新卒時には、漠然と社会を支えるような仕事をしたいという思いで、中央省庁や民間企業への就職活動を行いました。

学生時代に国際ボランティア活動へ積極的に参加していた経験からグローバルな業務、地方で生まれ育った経験から地方創生に貢献できる業務に関心があり、業種や分野を限定せず幅広く省庁や企業を見ていました。

国家公務員試験の勉強や民間企業のインターンシップ、また、中央省庁と民間企業の面接を両立するのは大変でしたが、様々な省庁や企業について知る機会でもあり、楽しみつつ活動していたように思います。
いくつかの民間企業からは内定も頂きましたが、最終的には、社会を土台から支えるような仕事で社会に貢献したいという気持ちが強くなり、グローバル・ローカルのどちらにも携わることができ、かつ様々な民間の業種に横串で関わる省庁を選びました。

ただ、就職活動の中で民間企業にも魅力を感じていたため、数年間働いたら一度立ち止まって、キャリアについて考えたいとも思っていました。

② 入社した省庁での担当業務と体得スキル

中央省庁へは法令事務官として入省し、所属部署と他部署、所属省庁と他省庁との連絡調整の業務から始まり、新法の制定や法改正といった法令業務、国際交渉、業界団体・地方公共団体との調整と幅広い業務を担当しました。
様々な主体との交渉・調整の最前線で働くのはチャレンジングではありましたが、非常にやりがいがあり、また、貴重な経験になりました。
経験を積むにつれて、チームのリーダーも務めるようになり、転職直前の担当業務では管理職も経験しました。

また、入省10年目には、派遣制度により、2年間米国に留学する機会を得ました。
1年はプロフェッショナルスクールで学んで修士号を取得するとともに、2年目には客員研究員として関心を持っていた分野の研究を行いました。

こうしたキャリアの中で、法令事務官としての条文作成や法令解釈の能力はもちろんのこと、立場が異なる相手と信頼関係を醸成し、難しい状況でも物事を前に進める力、リーダーとしてチームをまとめ、導く力などが培われたと思います。
これらの中央省庁とは異なる環境でも活かせそうな能力については転職活動でも積極的にアピールしていました。

③ 今回、転職に至ったきっかけ

入省時には、数年間働いたらキャリアを振り返ってその後のキャリアパスを考えようと思っていたものの、いざ入省すると予想の何倍も多忙な日々を送ることとなり、なかなかそのような機会はありませんでした。

国際交渉業務を担当したことをきっかけに、グローバルな仕事への関心が高まるとともに語学力不足も感じ、派遣制度による留学を志すようになったこともあり、振り返ってみると、留学まではノンストップでがむしゃらに働いたように思います。

留学を機にようやく立ち止まって前職の環境や今後やりたいことをじっくり考えることができ、今後は国際交渉や留学の経験を活かしてグローバルな業務をキャリアの中核にしたいという気持ちが強くなりました。
また、海外での生活で日本とは異なる社会や文化に触れて視野が広がったように感じ、更にこのような経験を積みたく、海外駐在も強く希望するようになりました。

他方で、前職では、今後、グローバルな業務に携わる機会、特に海外駐在の機会はそれほど多くはなく、また、ジェネラリストの育成を基本としていることから、キャリアのどこかでグローバルな業務を担当することはあっても、これを中心としたキャリアを形成するのは難しいだろうと考えていました。

さらに、やりがいを感じながら働くことはできていましたが、年次を重ねていく中で、日常的に深夜まで残業する生活を定年退職まで続けるのは体力的になかなか厳しいと感じ始めてもいました。特に留学直前の担当業務はまさに激務だったので、今後もそのような働き方を続けたいのか考えるターニングポイントになったと思います。
また、単に体力的な側面だけでなく、仕事中心の生活を改めてプライベートを充実させたいという思いもありました。

こうした背景から転職を考えるようになり、留学から帰国後すぐに、いくつかの転職サイトに登録はしましたが、久しぶりの省庁での業務について行くのに精一杯で、しばらくは転職サイトや企業から届くメールを確認できていませんでした。
しかし、国内業務中心の多忙な毎日に戻って転職を希望する気持ちは高まっており、次の異動先でも国内業務中心の可能性が出てきたことが後押しとなって、本格的に転職先について検討し始めました。

とはいえ、事業会社での業務に直結するスキルを持っておらず、コンサル中心の転職エージェントからのコンタクトがほとんどだったため、当初は、転職先としてはコンサルが中心になると考えていました。
そのため、多忙な生活から抜け出せないのではという不安もあり、転職を心に決めたという状況ではありませんでした。

その中で、(株)エリートネットワーク様からメールを頂き、国家公務員の転職サポートの実績が豊富である点に魅力を感じ、早速カウンセリングをお願いしました。
カウンセリングの場で、私を担当してくださった転職カウンセラーの高橋様に、上記の転職を志した背景をお話ししたところ、私にはコンサルは合っていないのでは、とまさに懸念していた点についてご指摘を頂くとともに、事業会社への転職の可能性について熱心に語って頂きました。
カウンセリング後には速やかに、私の希望を踏まえた幅広い事業会社の募集情報を送って頂き、より前向きに、前職で変えたいと思っていることを転職で実現したい、業務内容に心から興味がある会社に入社したいと思うようになりました。

④    こだわり

グローバルな業務を含め関心のある業務に携わることができること、ワークライフバランスを改善することの両方を実現することを重視したいと考えていました。

幅広い企業をご紹介頂いたことで、前職への不満に気を取られて転職を焦るのではなく、やりたいことができる会社に転職したいと考えるようになったので、希望する転職時期の目安はありつつ、すぐに転職が決まらなくてもじっくり活動しようと考えていました。

幸いなことに、最初の応募から順調に選考プロセスを進み、志望度の高かった企業のいくつかから内定を頂くことができましたが、選考の過程で企業研究を行ったり、面接でお話しさせて頂いたりする中で、いずれの企業にもそれぞれの魅力を感じ、むしろ就職先を決める際には悩みました。

この時点に至ってようやく、関心のある業務の中で何に最も携わりたいのか、プライベートはどの程度重視したいのかなど、優先順位をしっかりとつけられていなかったことに気づかされ、内定を承諾するか否かの返答期限を前に焦りもある中で改めて考えることとなりました。
その際には、転職活動を通じて前職の良い部分を改めて認識したこともあり、やりがいが最も重要ならば転職しない選択肢もあるのではないかということまで考えました。しかし、それと同時に転職活動の中で新たな環境で新たな挑戦をしてみたいという気持ちも強まっており、結局は、仕事でのやりがいを追求しつつ、ある程度プライベートとの両立を図るというのが最も実現したいことだという考えに至り、最終就職先を決めました。

⑤    転職活動を通じて気づいた点、反省点

転職活動の中で最も意外だったのが、中央省庁出身者にも様々な業種の企業が興味を持ってくれたという点です。

最初のカウンセリングの際に、高橋様からは、「中央省庁で短い期間で異動を繰り返す中で鍛えられる新たな環境への適応性などは、転職に当たって有用な能力である」と仰って頂いたものの半信半疑で、書類審査もほとんど通らないだろうと思っていたところ、予想に反して多くの企業の面接に進ませて頂きました。

また、数値化できる業績がほぼ無かったため、面接では、これまでのキャリアで醸成された調整力や推進力を定性的にアピールしていたのですが、それでも評価して頂いたのは意外で、ある程度汎用性のある能力が身に付いていたことに気づきました。

面接では、上記のようなアピールすべき点は念頭に置きつつも、あまり考え過ぎずに言いたいことをストレートに伝えていました。
特に緊張することもなかったため、カジュアルになり過ぎた場面もあったと思いますし、実際に面接担当者から後でフィードバックを頂いた際にそのように指摘されたこともありましたが、短い面接時間の中で心を開いてやりとりするというスタイルが自分には合っていたと思います。
ただし、あまりにも構えていなかったため、キャリアの中での具体の経験についてお話しする際には、中央省庁以外の方には理解しづらいであろう業務内容や苦労した点などを要点を押さえつつ、かみ砕いて説明する準備を怠っていた点は反省点です。
ある程度説明したつもりでも、話している途中で、最初に前提となる背景等をもっと説明しておかなければならなかったことに気づいたことも多々ありました。

また、企業研究についても、自分なりには行ったつもりでも面接の中で不足を痛感することがありました。何とか乗り切ってはいましたが、単に面接を通過するためということではなく、その企業について十分に理解するためにも、企業研究についてはしっかりと時間を割くべきだったと思います。

⑥    次の職場にかける意気込みや覚悟

民間企業という、これまでとは全く違う環境で働くことになるので、思考の前提や思考方法から変える必要がある場面も多々あると思われ、不安もありますし、もちろん多くの苦労があると思いますが、それ以上に、新たな環境に飛び込むことを楽しみにしています。
転職活動を通じて気づいた自分の強みを活かして、少しでも貢献できるように頑張りたいと思っています。

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