【東証プライム上場 財閥系 デベロッパー】
建設技術系 総合職
【東証プライム上場 総合建設会社(スーパーゼネコン)】
設計部 意匠設計総合職
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【環境配慮型の木造建築を手掛ける設計・コンサルティング会社】
設計部 部長
長浜 梨花 氏 40歳 / 女性
学歴:桐朋女子高等学校 卒
早稲田大学 理工学部 建築学科 卒
一級建築士
監理技術者資格者証
管理建築士
建築家になることを夢見て入学した大学の建築学科では、建築作品の課題で高い評価を得て、意匠系の研究室に入ることが建築家への近道だと思い、課題に取り組んでいた。
建築は、法律・コスト・安全性・デザイン性・持続可能性・環境性能の担保など、複雑に絡み合う要件から最善の答えを導き出し一つの形にまとめ上げるという、難しいバランスの元に成立するもの。
そのため、大学院への進学か就職かを選択するにあたっては、大学院でアカデミックに建築学を学ぶより、早く社会に出て、実際に建築を実現するためにはどのようなプロセスや経験が必要なのかを実務で習得していきたいという思いが強くなり、意匠系設計部への就職を志すこととした。
特に、大手総合建設会社(いわゆるスーパーゼネコン)であれば、設計だけでなく一流の施工部隊や技術チームも社内に擁するため、実際にどういった施工をするのか、どんな図面を書いたら良いのかを社内で学ぶことができる。
そんな環境で働きたいという思いから、大手総合建設会社の意匠系設計部に絞って就職活動を行った。
大手建設会社の設計部では、大規模建築の企画設計から工事監理・竣工引き渡しまでの一連の業務をいくつも経験した。
そこで学んだことは、良い建物を作るには、施工者が作り方をイメージでき、メンテナンスしやすく長持ちするためのノウハウが盛り込まれた図面を書くことが重要だということ。
「こんなんじゃ作れねーよ!」と現場監督に図面を投げられたり、「図面に記載のない事を追加でやりたいんだったら自分で金を払え」と何度も言われたり、スケジュールが進んでいく中でも、コストや性能、デザインなどを満たす方法を決め切れず、現場で怒られることもしばしば……。
そんな実務経験を通して、設計図は契約書と同等の重さを持つ重要なものであることを痛感し、設計者としての責任感を養う機会となった。
とは言え、設計者一人の力で図面をまとめ、建物を完成させることは到底成し得ない。
実現したい建築を想像し、多くの人の知識や経験を引き出し、図面に入れ込む。その設計意図をクライアントや行政、施工者に伝える。
この図面力とコミュニケーション能力の両方が必要であり、その点を鍛えられたお陰で、施設計画から施工フェーズでのマネジメントまで、即戦力として担うことができるようになった。
建物用途としては宿泊施設が大好きで、海外のホテルも含め、なるべく多くのホテルに泊まり、客室の実測スケッチを通して、心地良いホテルの寸法体系を習得したり、ホテルの共用部を利用しながら、動線やゾーニング・オペレーションがどう想定されているかを分析した。
そこで培ったスキルを活かして、設計部の新規事業であるホテルのプロジェクトマネジメント業務も担当した。
建築などのハード面だけでなく、経営やオペレーションの部分まで勉強し、コロナ禍以降急速に増えているホテル開発に活かせる知見を身に付けることができた。
さらに、2社目である前職において、木造建築の設計に加え、木質化に特化した建物へのこだわりやストーリーの構築、他社のコンサルティング業務を経験することができ、不動産開発におけるサスティナビリティやリジェネラティブな観点も加えた事業企画などの業務に貢献できる知見を得た。
建設業は請負業であるため、クライアントの構想を形にするという仕事をしてきたが、事業者として街づくり・建物づくりを能動的にマネジメントしていきたいという思いをずっと持っていた。
30代の最後に、今後の人生において一生モノの職業について改めて考えたときに、これまで培ってきた建築の知識を活かしながら、発注者側である事業主となって、人々に愛され、喜ばれる建物や街づくりに携わりたいという夢に挑戦しようと決心した。
私はこれまでの仕事を通して、「ユーザーや地域の人々に、喜んでもらえる建築を生み出す」ということと、「プロジェクトは決して一人の力では実現できず、多くの人の力に敬意を払い共に創り出すもの」という二つの想いを大切にしてきた。
事業主側になっても、これまでの想いを大切に、様々な人と関わり合いながらプロジェクトを実現させていきたいと思っている。
こだわったポイントは以下の3点である。
① 自分の強みである建築の知識、コミュニケーション能力、マネジメント能力が発揮できる仕事内容であるということ。
② 人が好きで、それぞれの得意分野を引き出しながら力を合わせて建物を作り上げるプロセスにやりがいを感じるので、多くの人と関わることができる環境であること。
③ 子を持つ親として、しっかりと子どもを育て上げる責任を果たしたいので、給料面や福利厚生・働き方は妥協したくない。
こだわりを捨てた部分としては、担当する案件の建物用途が多岐に亘ることは覚悟し、前職で携わっていたような、デザイン雑誌に取り上げられるような話題性のある "今ドキの建築プロジェクト" を扱うだけではなくなるということを理解した上で、転職先を探した。
何歳になっても、その年齢相応の経験や技術を持っていれば転職は容易いだろうとは思っていたが、総合職枠を目指すには年齢の壁があると感じた。
担当して下さった(株)エリートネットワークの転職カウンセラーの黒澤さんに最初に相談した時も、大手デベロッパーの総合職は私の年齢では難しいかも?と助言を頂いていたにも拘らず、試しにチャレンジしたところ、あっさりと書類選考すら通過できない結果に終わった。
しかしその後、黒澤さんから私に合うだろうとご紹介頂いた求人案件にも魅力的なものが多く、その中からどちらに受かっても嬉しいと思う2社を受け、2社とも内定を頂いた。
結果としては他社エージェントも含め3社から内定を頂き、私の方が選ぶ立場になるとは予想もしていなかったので、嬉しい結果となった。
転職活動の途中では、何度も心が折れそうになったが、各フェーズでこまめにお電話を頂き、「長浜さんなら大丈夫!」「後悔しないように全ての会社を受け切ってから決めれば良いから」「普段の素の長浜さんが出せれば問題なく面接を通過できます」と常に励まし続けて頂いたことで、孤独な気持ちになりがちな転職活動を乗り切ることができた。
内定受諾の際に、会社の人事担当の方から「中途入社だと、周りにいる社員に追いつかなくては!早く良い成果を出さなくては!と初めから無理をし過ぎる傾向にあるが、2、3年かけて徐々に仕事に慣れてくれれば、結果は自ずとついてくるし、会社は長い目で見ているから」というお言葉を頂き、少し肩の荷が降りた気がした。
同時に、良い会社に入社が決まって本当に良かったと思った。
規模の大きな会社ゆえに、携わる仕事には多くの人が関わっていると思うので、まずは社内外の関係性を把握して、自分の立場を認識し、スムーズに仕事ができるようになりたい。
また、エキスパート職として採用されているので、建築や開発に対する知識を持っていることは前提であるだろうと感じている。
求められている技術や知識についてはきちんと押さえながらも、新天地での新しい開発やミッションに対して、前向きに積極的に取り組んでいきたい、というワクワクした気持ちでいっぱいである。