高専卒女性の社内SE。自社向けシステム開発にこだわり、精密機器メーカーから水処理エンジニアリング企業へ転職成功

高専卒女性の社内SE。自社向けシステム開発にこだわり、精密機器メーカーから水処理エンジニアリング企業へ転職成功

No.1597
  • 現職

    【東証プライム上場 純水製造装置に強みを持つ水処理エンジニアリング企業】
    情報システム部 社内SE(管理職)

  • 前職

    【独立系 SIer】
    東京本部 システム開発、営業

    【東証プライム上場 精密機器メーカー】
    情報システム部門 マネージャー(管理職)
    本社向け基幹システム刷新プロジェクトのPMO

上山 花帆 氏 42歳 / 女性

学歴:九州地方の高等専門学校 卒

① これまでの担当業務、体得したスキル

高専にて電子情報工学を専攻し、新卒ではソフトウェア開発技術者を目指し独立系のSIerに就職しました。
流通業・製造業向けのシステム開発のプロジェクトを担当し、PG・SEとしてスクラッチでのシステム開発を約6年、その後、法人営業職として約3年半担当しました。

SIerとしてシステム開発を請負ってきましたが、開発して納品して終わりではなく、実際にシステムを使っているユーザにより近い立場でシステム開発に携わり、システムを導入して役に立っている、活用してもらっているという実感を得たり、他社のシステムでなく自社の資産としてシステムを育てる立場になりたいと思い、社内SEにキャリアを移すため転職。

メーカーの社内システム部門に転職し、システム開発プロジェクトを担当しました。
プロジェクトの企画業務やユーザのテスト支援のほか、PMOとしてプロジェクトマネジメントにも携わることができました。
社内SEとして、要件定義前の企画業務、社内提案などの上流工程も経験することができ、ITシステムを導入する目的を深く考えたり、生む苦しみなども味わったのは良い経験だったと思います。

② 今回転職するに至った背景

前職に転職したのは12年前で、入社した頃はミドル世代の中途採用を積極的に実施しておりました。数年間で中途入社の方々が10名弱入社しましたが、それぞれの得意分野で活躍し、新卒入社のメンバーも含めて同年代も多く様々な刺激を受けながら仕事ができる環境でした。
複数のプロジェクトを経験させて頂きましたが、直近6年程前から基幹システム刷新の開発プロジェクトに携わることになりました。
システム刷新プロジェクトとしては過去大規模のプロジェクトとなり、様々な課題によりスコープ縮小や稼働時期の延期もあったものの、無事にシステムが稼働しました。
少し荒業な部分があったのは否めませんが、稼働まで漕ぎつけたというホッとした感情と同時に、自分自身の力の無さを思い知った悔しいプロジェクトでもありました。

一方で、部門に目を向けると、同時期に入った中途メンバー、新卒入社のミドルメンバーもそれぞれの思いを抱えて次々と離職しており、年齢構成が歪な組織になってしまっていました。
このような状況の中で、基幹システム開発のスコープ変更でやり残した領域への対応は、既存メンバーの年齢構成を考えても待ったなしの状況となっていたのですが、追加の投資対効果・投資時期なども含めて当初プロジェクトが目指していたシステムとは違い、課題を先送りする一時的な対応しか取れそうにないこと、再開すれば5~10年以上は確実にかかるだろうということ、自身の年齢や別の環境でチャレンジしたいという気持ちも含めて、担当しているプロジェクトの切れ目である今が転職のタイミングかなと思い決断しました。

③ 転職活動の軸

自社向けのシステム開発プロジェクトに携わっていきたいという思いに変わりはなく、情報システム部門への転職を目指しました。

業界のこだわりはなかったので、製造業だけでなく、金融・不動産などもご紹介頂きました。
あまり馴染みがない業界もありましたので、業務内容などを会社のHPやネットの記事を調べることも多く、世の中の企業について知見を広げる良いきっかけになったと思います。
基幹システム開発に限らず、別領域のシステム開発にもチャレンジしたいと思い幅広く検討していましたが、自分の興味に引っかかる求人案件には基幹システム関連が多かったのが実態だったと思います。
(株)エリートネットワークの転職カウンセラーの岡本さん、高橋さんに転職の背景を聞いて頂きながら、実際の求人案件をご案内して頂き、業界や企業の安定性、若くはない年齢のことも含めて相談させて頂きながら応募企業を決めていきました。

正直、最初はじっくり企業や求人内容を確認して選別していたのですが、書類選考で通らないことも多かったため、少し気になる点があっても、自分のスキルでやっていけそうな業務かどうか判断し、企業の事業内容、ITに対する取り組みなどをネットで検索し、興味を惹かれた企業にもエントリーするようになりました。
社内のIT部門ということで、業務内容は求人内容や面接を通じて理解できる部分が多かったと思います。
前職の会社と同じようなITの課題を抱えている企業もありました。課題に対してのアプローチはそれぞれの会社で違っていて、勉強になった点も多かったです。

働き方については、リモートワークやフレックスで長年働いていたため、現状の働き方を大きく変えずに勤務したく、社内の制度や実際の勤務形態は確認していました。

年収については、できれば今よりUPしたいという希望はありましたが、求人票に出ている条件で年収が上がるような求人は少ない印象でした。
最終的に求人票で出ている金額よりもアップする場合もあると聞いていましたが、大幅ダウンしてしまうと生活レベルを落とさざるを得なくなるので、少なくとも1割程度減迄と決めて応募していました。

管理職での採用については、あまり案件が多くないというのもありましたが、自分自身絶対に管理職になりたいというこだわりはなかったので、一般職でも応募しました。
企業に入ってまた昇格試験を受ける(現職で管理職になる前にいろいろな研修を受けて、昇格試験やプレゼン、面接準備に時間をかけた記憶があるので……)可能性もあるのかという気持ちにもなりましたが、いずれにせよそれぞれの企業で管理職採用の試験を受ける必要があるでしょうし、時間はかかるかもしれませんが入社した企業の中できちんと実力を評価頂いて管理職になる方が良いだろうとも考えていました。
最終的に入社を決めた企業では管理職として採用して頂きましたが、最終面接のときには管理職研修を受けたか、管理職として重要だと考えていることは何か、なども確認されました。
少し入社後のハードルが上がったような気もして、内定を頂いた時には気後れする気持ちが強かったのも覚えています。

④ 入社の決め手

あまり最初は気にしていなかったのですが、転職活動を進める中で、会社の規模についても改めて考えるようになっていました。
前職でも企業の規模に比例してITも巨大化していましたし、ガバナンスを効かせるのが難しかったり、意思決定の動きが鈍くなったりしているなと思う面もありました。
自分自身が全社を見渡して、ITの施策検討や導入プロジェクトを進めたい、ユーザとより近い距離で開発を進めたいと考えている点もあり、今よりも規模が大きな企業だとそれが更に難しくなる可能性が高いという点も、企業を決定する上でポイントになりました。

面接を進める中で、高橋さんから「入社後に上長になる面接官とのフィーリングも大切にした方が良いですよ」とアドバイスを頂き、面接の雰囲気や会話が弾むかどうかなども気にしながら面接を受けていました。
上長や人事の方がいる中でちょっと答えにくいだろうなというような質問もさせて頂き、社内や部内の状況をあまり隠さずに話して頂けているかどうかや上長と違う考え方や意見をその場でお答え頂けるかという点からも、社内や部内の雰囲気を感じることができ、入社を決める判断材料になりました。
入社を決めた企業の面接官の方には笑顔で「仕事を楽しんでもらえれば」というお言葉をかけてもらったのがとても印象的で、決め手にもなったと思います。

また、どの企業にするか気持ちがほぼ固まってきていた状態ではありましたが、同じ業界で仕事をしていて私の性格をよく知っている友人にも相談し、背中を押してもらいました。
同じ業界で仕事をしていると「あるある」的な会話も多くできるので、少し業務内容や役割を説明しただけで理解してもらえることもあり、いろいろと質問も出してもらい、改めて自分自身の考えの整理や第三者から見た意見も聞くことができ、とても参考になりました。

⑤ 転職活動を通じて気づいた点、反省点

転職活動を通して、自分の経歴や実務スキルの棚卸を行い(経歴は思い出すのが大変で、棚卸は転職をきっかけにするのではなく単年度でまとめておけば良かったと後悔しましたが……)、ぼんやりとしていた自分のキャリアについても、どのような業務を通して成長していきたいのかを改めて整理し、言葉に表すことではっきりと認識する良い機会になったと思います。
実際の面接で質問に回答していく中で自分なりに考えが固まってくる部分もありましたので、面接の練習として、模擬面接のようにかしこまった形でなくても、エージェントの方や転職について相談できる友人などに協力してもらい、自分の考えをまとめるためにいろいろと質問してもらった方が良かったのかなと思いました。

転職活動を始めた当初は、情報システム部門で社内システム開発プロジェクトに関わっていき、ユーザの役に立ちたい、それを実感できる開発をしたいと思い活動していましたが、様々な企業の方と話をさせて頂き、自分自身の経験を思い返していくうちに、基幹システム刷新プロジェクトで経験した経営の上層部や事業部とのコミュニケーションや、施策・プロジェクトへの理解に対する課題、事業戦略とIT戦略との関係性への課題、未来を見据えたIT組織の在り方や人材育成への課題など、与えられたプロジェクトだけに目を向けていてもうまくいかなかったこと、ITの組織としての在り方を再度振り返るきっかけになり、情報システム部門の戦略や組織運営を行う分野の業務についても改めて考えるようになりました。

自分自身がプロジェクトを実施できていたのも、こういった業務を行って頂いているメンバーの支えがあってこそだったという感謝の気持ちや、今までプロジェクトにかかりっきりで管理職としても組織の一員としてもあまり積極的に関与できていなかったことに申し訳ないなと改めて感じました。

転職後はこういった自分の反省点も活かしていけたらと思っています。

⑥ 次の職場にかける意気込みや覚悟

開発プロジェクトに携わりながら会社の事業への理解を深め、IT組織の施策や運営にも関わっていけたらと考えています。
新しい環境で不安だらけですが、経験してきたプロジェクトや、転職活動をして気が付いたこと、学んだことを糧に、どのようなIT環境を構築すれば企業やユーザに喜んでもらえるのかということに向き合いながら仕事をしていきたいなと思います。
どの会社にも課題はありますし、自分の理想にぴったりという職場はないと思いますが、いつの間にか忘れていた「仕事を楽しむ」ことを忘れずに頑張りたいと思います。

岡本さん、高橋さんには、履歴書・職務経歴書のチェックから、求人案件に対する説明、重なった面接日時の調整など、丁寧にかつ迅速にご対応頂きました。
なかなか書類が通らずうまくいかない時期もありましたが、励ましのお言葉や求人案件を次々と出して頂き、転職を決めることができました。大変感謝しております。
ありがとうございました。

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