【東証プライム上場 グローバル機械装置メーカー】
人事部
【東証プライム上場 グローバル精密機器メーカー】
本社 人事部(人事制度の改定等)
吉留 亜弥 氏 40歳 / 女性
学歴:国公立大学 文系学部 卒
TOEIC 810点
当時の私は「こういう仕事をしたい」「この業界で働きたい」といった希望の職種も業界も明確になっていませんでした。
ただ、結婚や出産などプライベートでの転機が訪れても働き続けたいという思いは明確にあったため、「中長期的に見ても就労できる環境であるか(会社の将来性、福利厚生も含めた待遇面)」を重視し、加えて海外への興味から「国内だけでなくグローバルに展開している会社」、また親の仕事の影響から「モノづくりの会社」を軸に就職活動を行っていました。
入社後のありたい姿を具体的に描くことができていなかったので、実際に入社した後は、同期をはじめとした周囲と、仕事に対する思い、キャリアビジョンなどで差を痛感しながら、仕事において苦労したのは言わずもがな、でした。
入社後は営業部門へ配属され、数年の経験を積んだ後に、ジョブローテーションとして人事部門へ異動となりました。
人事部門に対しては「こういう仕事をしているのだろう」と漠然としたイメージを持っていましたが、実際に働いてみて、外から見えている業務と中で行われている業務の違いに驚いたことを覚えています。
異動当初は畑違いの業務に戸惑うことも多かったですが、人事という仕事の幅広さや深さに魅了され、仕事の面白さを日々感じながら忙しくも充実した日々を送ることができました。
人・組織が会社の成長や発展の源泉であり、非常に重要な業務に携われていることから、仕事に対するやりがいもとても大きかったです。
既存の人事施策の実行だけでなく、新規施策の企画・立案と仕事の領域を広げることができたことも自身にとって非常に重要で大きな成長と学びの機会だったと感じています。
入社当初はありたい姿を描けていない状態でしたが、この人事部門での経験を通じてキャリアや会社への貢献などを強く考えることができ、自身の仕事人生において大きな転換期でした。
実は、前職の会社では営業部門から人事部を始めとしたコーポレート部門へ異動する事例はあまり多くなく、偶然にも人事という仕事に出会えたことは非常に幸運だったと思っています。
前職の会社は比較的長い歴史のある会社で、いわゆる典型的な日本企業、「攻め」よりも「守り」の社風でした。
どの会社の人事部門でも共通しているかと思いますが、時代や社会情勢など外部環境の変化に合わせて人事施策を打ち出し就労環境や仕組みを整えることが求められています。それを実行する人事部門そのものも仕事の進め方、考え方を変えていく必要性があると強く感じていました。
しかしながら前職ではどちらかというと「新しいことに挑戦する」というより「前例踏襲」な部分があり、自身の思い描く人事部門の姿とはズレがありました。(もちろん人にかかわるという性質上、なんでも変えればいいというわけではないというのは理解してはいましたが……)
そのため「今の環境下で働き続けるのではなく、別の場所でキャリアを歩んでいきたい」という気持ちが強くなり、また自身の年齢的なことを考えた際に「時間的な猶予は残されていない」という思いにも後押しされ、今回転職活動に踏み切りました。
この他にも、現状維持バイアスが強い風潮を持つ会社の将来性そのものについても不安を感じ、会社に留まることのメリットよりもデメリットが自身の中で徐々に大きくなった点も理由の一つだと思います。
実は、私は今回の転職活動以前にも何度か転職を試みた経験があります。
会社に対する不満などを感じつつも「まだ今の環境でやれることがあるのではないか」と考え、具体的な活動には至りませんでした。実際に会社に残ったことで得られた経験・スキルもあり、キャリア形成においても良かったと思っています。
今回、自分の思ったタイミングで転職を選択・決定しましたが、この「自己選択・自己決定」は自身のキャリアにとって非常に重要な要素でした。
転職後もすべて思うようにいくわけではなく、苦しいこともあると想像しますが、「自分で決めた」という事実は自身の原動力になると感じています。
転職活動をするにあたっては、下記の2つを軸にして進めました。
1つ目は、「これまでの実務経験を活かしつつ、更に人事として+αの経験が積める」ことです。
前職で知った人事という仕事をさらに深堀したいという思いがあったため、これまでに経験した業務や、定型的な人事業務に留まるのではなく、自身の幅を広げることができる環境であることを求めていました。
2つ目は、やはり転職の理由でもある「(会社・組織としての)変化への前向きさや変化適応力が感じられる企業」であることです。
1つ目のこだわりは、実際の面接の中でもある程度確認することはできましたが、2つ目のこだわりについては、実際に入社し、働いてみないと分からない部分であるため、非常に判断が難しかったです。
人によって意見は異なるかと思いますが、私の場合は、「『変化適応力』とはどういうこと意味するのか」などを自分自身に問いかけることを継続して行っていました。
言葉の解像度を上げていくことで、自身がこの転職において求めていること、譲れないことをより具体的にすることができ、実際の面接でも役立ったと感じています。
逆に新卒の就職活動の際に重視していた「モノづくりの会社」「グローバル」「福利厚生などの待遇面」については今回の転職活動では優先度を下げました。
前職と同じ業界であれば、転職後の仕事のイメージもしやすく、比較的早く馴染めるというメリットもありますが、組織風土が似ているという可能性も高く、せっかく転職してもまた前職と同じようなことになるのではないかという不安がありました。
その点について、率直に(株)エリートネットワーク様の転職カウンセラーの黒澤様にお伝えしたところ、「業種、会社規模などによって似ている部分はあるとは思うが、必ずしも全てが同じというわけではない。面接の中で実際に話をしてみて、どう感じるかを大切にしてほしい。」とアドバイスをいただき、業界や業種、会社の規模も特にこだわらず、幅広く人事職を見ていくことにしました。
これまでのキャリアの棚卸しの他、何を大切にしたいのかといった価値観まで改めて深く考える良い機会となりました。
また転職活動を通じて他者からのフィードバックを受けるということも非常に良い経験になったと思います。
自身の経験してきたことが労働市場においてはどのように受け止められるのかを知り、今後のキャリアを考える上で非常に参考になりました。
とはいえ、実際に選考に通らなかったという連絡を受けたときは落ち込んだのも事実です。黒澤様には都度温かい励ましの言葉をいただき、転職活動への前向きな気持ちを持ち続けることができました。本当にありがたかったです。
転職活動を行う上では、応募書類の準備、企業研究、筆記試験や面接対策など想像以上に時間とエネルギーを要しましたが、私の場合、今回の転職活動を始める前から定期的に職務経歴書を作成していたので、転職エージェント登録から比較的スムーズに活動を開始することができました。
これまでの職務内容の整理はもちろん、今後のキャリアに必要な経験、スキルなどを確認する上でも非常に有効なので、転職意向の有無にかかわらず職務経歴書の作成・更新はお勧めしたいです。
ご縁あって無事に転職先も決まり、今は新しい環境で働くことに対する期待と不安が入り混じっている状態です。
今回の転職活動では自己分析や企業研究などやり切ったと感じていますが、当然のことながら入社後のギャップはあると思います。また、前職での勤務年数も長いため刷り込まれている癖、思い込みを取り除くことは想像以上に苦労すると予想しています。
自分自身をアップデートする気持ちと学び続ける姿勢を忘れずに、このギャップを乗り越えていきたいです。
人事に対する注目度は社内外からも高まっており、その役割の重要性は日々増しています。
個人と組織にとって良い環境を整え、経営基盤を強化し、事業成長につなげる。人事施策を通じて会社とそこで働く人にとって良い循環を生み出すことに貢献していけるよう、これからも人事パーソンとして努力を怠ることなく経験を重ねていきたいと思っています。
黒澤様の温かくきめ細やかなサポートのお陰で非常に納得のいく活動をすることができました。
常に伴走してくださり、孤独を感じることなく転職活動を進めることができたこと、心より感謝しています。本当にありがとうございました。
本体験記が転職を考えている皆様に、微力ながらお役に立てれば幸いです。