経理・財務経験15年の45歳。CFOを目指すべく、天下り先となっている電子部品メーカーを飛び出し、年商1兆円超の財閥系非鉄金属メーカーへ

経理・財務経験15年の45歳。CFOを目指すべく、天下り先となっている電子部品メーカーを飛び出し、年商1兆円超の財閥系非鉄金属メーカーへ

No.1604
  • 現職

    【東証プライム上場 財閥系 名門非鉄金属メーカー】
    経理部 経理・税務担当マネージャー

  • 前職

    【外国為替証拠金取引事業を行う金融機関】
    個人向け営業、経営企画、子会社での管理部門業務

    【東証プライム上場 半導体・LCD検査機器メーカー】
    経理部 経理課 固定資産業務、支払業務、税務業務、連結決算業務、子会社担当、原価計算等

    【東証プライム上場 コネクタ・ソケット等の電子部品メーカー】
    経理部 経理課長
    →経理部 ERP担当課長、新ERP導入プロジェクト 会計チームリーダー
    →経営企画部 担当部長 予算策定及び予実差異分析、業績見通し作成、全社的リスクマネジメント等

吉島 零士 氏 45歳 / 男性

学歴:地方公立高校 卒
国立大学 経済学部 卒
税理士
日商簿記検定2級
品質管理検定2級

① 今日迄の担当業務や実務経験、体得したスキル

1社目 その他金融業
・営業職(個人向け)
・経営企画
 予算策定、予実差異分析
・子会社での管理部門業務
 子会社の設立準備、社内規程作成、仕訳入力、入出金処理、予算策定

2社目 半導体検査機器メーカー
・経理
 固定資産業務、支払業務、税務業務、連結決算業務、子会社担当、原価計算

3社目 電子部品メーカー
・経理、財務
 固定資産業務、単体・連結決算業務、監査対応、開示業務、税務業務(移転価格税制含む)、伝票承認、支払承認、資金繰り、資金調達
・マネジメント業務
・基幹システム刷新プロジェクト 会計領域リーダー
 マスター関係の基本設定、システムテスト、ユーザー教育、本番稼動支援
 販売・出荷・生産・購買などSCM領域への理解も深め、プロジェクト全体の進捗管理にも寄与
・経営企画
 予算策定、業績改善案の策定と進捗管理、業績予測作成

② 転職を考えた経緯

(1)現状への停滞感
 前職への転職時には、経理業務全般及びマネジメント業務を希望しており、それらの経験を積み成長することができました。
 獲得した実務経験や知識を活かしてグローバルでの課題解決に対処するも、10年以上同じ部門に所属していたこともあり、停滞感を感じるようになっていました。前職ではこれ以上どのような経験・成長ができるのかを考え始めていました。

(2)転機~基幹システム刷新プロジェクトへの参画
 その頃、基幹システム刷新プロジェクトが走っており、前任の会計領域リーダーが退職することになりました。ただ進捗に遅れがあり、状況はかなり深刻だと聞かされていました。誰が後を引き継いだとしても、火中の栗を拾いに行く状況でしたが、客観的に周りを見ても自分以外に対処できる人物は思い当たらず、自ら手を挙げて会計領域リーダーに着任しました。

 このプロジェクトを前職での集大成として、これまで得てきた経理に関する実務経験や知識、事業への理解など持てる全てを出し切ろうと思いました。その先にこの会社で自分のやりたいことが新たに見つかるかもしれないとの期待もありました。

 挽回にはかなりのマンパワーを要しましたが、全力投球できる仕事は貴重な経験でしたし、会社の業務全体をさらに深く理解する機会にも恵まれました。会計を軸に会社全体の業務に踏み込めた経験から、いつしか「CFOを目指してみよう」と考えるようになりました。

(3)転職を考えたきっかけ①~経営企画への異動
 一段落ついて新システムの本番稼動を待つ状況になった頃、より高位のポジションで経理に戻るか、経営企画へ異動するかという話が持ち上がりました。
 もともと1社目で経営企画に在籍していた時に経理経験が必要と痛感し、以来15年に亘り経理での実務経験を積んできた背景があります。経理経験も十分に積んできたし、成長戦略の立案・実行に携われるチャンスであり、CFOを目指すためにも経験したいと考え、経営企画への異動を希望しました。

 経営企画では、予算策定や業績予測を中心とした業績管理等を主に担当することになりました。業績管理は経理部在籍時にも経験済みのため新鮮味はありませんでしたが、前任者の異動が決まっていたため引き受けました。中期経営計画策定や、成長戦略の策定・実行に携わることを期待していましたが、当面は我慢することにしました。

 しかし、その後部内の体制変更に伴い、戦略面の業務には中期的に見て携われる期待が持てない環境となってしまいました。「3年待っても戦略には携われないかもしれない。その時に転職を考えるなら、今動いた方が良いのではないか。」といった不安を抱くようになりました。

(4)転職を考えたきっかけ②~覚悟が持てない
 経営企画では経理とは違った視点で問題点と向き合うことになったのですが、関係者に共有しても、根本原因に向き合っているとは思えませんでした。根本的な解決に対処できないまま「自分の人生をこの会社に預けて良いものか。」「いずれ自分が役員になれたとしても、この人たちと生死を共にできるだろうか。」そう考える日々が続き、中長期的に ” 自分が会社を背負っていく ” という覚悟を持てませんでした。

(5)転職活動開始
 今の環境が自分に適しているのか(この会社で続けていくことで得られるものがあるかもしれない)、環境を変えてチャレンジした方が良いのか迷いが生じました。ひとりで悩んでいても答えが出るはずもなく、「まずは情報収集してみよう。エージェントの話を聞いてみよう。」という気持ちで転職サイトに登録してみました。
 前回転職したのは10年以上前で、当時と比べて転職市場は活況なのか、会社の外の世界がどうなっているのか知ることで、現状が良い環境なのであれば転職する必要もないと納得できるだろうと考えました。

 多数のスカウトを頂いた中から、(株)エリートネットワーク様を含め5社と電話や対面での面談を実施して頂きました。エリートネットワーク様の複数の方からスカウトメールを頂きましたが、転職カウンセラーの高橋様からのご連絡に特に関心を持ち、お会いしたいと思いました。

③ 転職を決意した面談

(1)面談
 銀座のオフィスに訪問し高橋様、岡本様と対面で面談して頂きました。今後の目指すキャリア、そのために経営企画の経験を積んだ方が良いのかどうか、現在置かれている会社での環境、家庭のことなどお話しました。

 高橋様は私の置かれた環境・状況を的確に指摘され、中でも「社外からの天下り先になっている。叩き上げの人がCFOに就くのは難しい。」との客観的なご意見は一番印象に残っています。この一言で私は転職を本気で考えることになりました。
 また、「安定して働ける優良な会社、心理的安全性を求めているのではないか。」との言葉にもハッとさせられました。私は中堅企業のみを経験してきたので転職先も中堅企業を考えていたのですが、学生時代の就職活動はうまくいかず、大手企業を希望していたが叶わなかった。いつか大手企業へ行くために中堅規模で経験と知識を身に付けてきた。しかし大手企業に通用するのか不安が有る。そんな閉じ込めていた本心を揺り起こされたようでした。

(2)面談後
 高橋様との面談を終えて、「今の会社にいても希望は持てない。天下り先として駒にしかならない。」「自分の強みである経理分野でしっかりと成果を挙げて、将来CFOを目指していく道の方が自己実現に近づけるのではないか。」「安定して働ける会社に勤めて、家族を安心させたい。」と転職への動機が固まりつつありました。

 転職の必要性を強く実感した一方で、これまで私を支えてくれた部下、元部下たちや他部門でも関わりの深かった人々が思い浮かんできました。
 「私が会社を辞めると聞いたらショックだろうな。彼らを助けてあげられなくなる。守ってあげられなくなる。大丈夫だろうか。」そんな考えが数日間頭の中でグルグルと回っていました。

 しかし、自分のこの10年間を振り返ってみると、尊敬していた上司が退職して大変な時期もありました。後を追って辞めようかと何度も思いましたが、何とか踏み留まって困難を乗り越えたことで、想定以上に成長できたことも確かです。
 私の体験から「守られてばかりでは人は成長できない。自分がかつてそうだったように彼らも乗り越えて成長してくれると信じてあげるべきではないか。」と気持ちの整理ができ、転職への決意を固めました。

④    企業の選考

 エリートネットワーク様からの紹介求人案件含め、相当数の企業に応募しましたが、初期の頃は書類不通過の連絡ばかりでした。20代や30代の頃に比べ40代では面接に進める確率が低いことは覚悟していましたし、実際にその通りでした。頭では分かっていても「今の会社より大きい規模の会社では通用しないのではないか、評価されないのではないか」「このまま転職できないのではないか」という不安で自信を失いそうになりました。

 その後、時間はかかったものの書類選考通過の連絡を頂くようになり、面接のチャンスは本当に貴重だと感じました。一回一回の面接を大切に臨もうと、企業の情報収集、志望動機・アピールポイントの整理といった面接対策を連日深夜まで準備しました。それでも面接に通過できないことはありましたが、振り返ってみると、私自身も少なからずアンマッチを感じていたので割り切って次の面接に備えるようにしていました。

 結果的には、転職活動を始めて2ヶ月後には転職先から内定を頂き入社決定に至りました。
 これは効率を重視して活動したのではなく、他社エージェント経由の応募先企業の選考スピードが非常に早かったため、岡本様にはフェーズを合わせるために日程調整や企業へのプッシュなど様々にご尽力頂きました。エリートネットワーク様は効率より効果を重視していると伺っていましたし、私も効果を意識して転職活動を進めていたので、短期間で効果を維持しながらというのはかなりハードで濃密な期間でした。

⑤    譲れないと考えた事柄、逆に、従来のこだわりを捨てた点

(1)譲れないと考えた事柄
 ●実直でありたい、地に足をつけて仕事に向かい合いたい
 経理や経営企画から提供される情報は、経営判断に使用されるため、現実的かつ適切なアウトプットをすべきと考えています。そのためには実務に精通した叩き上げの社員を中心にして、実直に仕事と向き合える環境を大事にしたいです。

 ●事業部門の人と協力したい
 バックグラウンドの違う人たちが集まり、お互いの考え方や仕事の軸を理解しながらベクトルを合わせ、同じゴールに向かっていく。事業部門と横断的な仕事を経験してきた背景もあり、そうしたチームとしての活動はこれからも大事にしたいです。

(2)従来のこだわりを捨てた点
 ●プレイヤーとしての要素
 前職ではプレイングマネジャーとしてやってきましたが、プレイヤーの役割にこだわり過ぎないように考えています。これからは若年層を育て、アシストしていくことで、彼らが結果を出しチームとしての成果につなげていく。そのように仕事へ取り組んでいきたいです。

⑥    転職活動で意識した点、反省点

 今回で転職は3回目になりました。過去2回は、20代・30代であったため、ポテンシャルへの期待、自分の成長を軸に活動しました。
 今回は年齢的にも最後の転職にして、腰を据えて働ける企業へ転職したいと効果を重視しました。そのためには、業務内容はもとより、企業の社風、求める人物像、事業内容にもウエイトを置いて判断しました。また、管理職での転職希望のため、マネジメント経験や私自身のスタイルをしっかりと伝えることを意識しました。

 今回の転職活動中、ある企業へ応募する際に、先方に提出する志望理由書を600字で文書化するよう、エリートネットワーク様から言われたことがありました。作成にあたっては「自分でHPや紹介したURLの動画を4~5時間は観て、自分の言葉で書いて下さい。」とのことで、書類通過のポイントを教えてもらえると思っていた自分に ” 甘え ” があったと反省しました。
 自分でHPや動画を観て志望理由書を書き上げることで、事業内容への関心や志望度合いが高まるのを感じましたし、社風とのマッチングを検討することができ、面接に自信を持って臨むことができました。また、想定問答を文書化し何度も読み返すことで、頭の中で考えていたことが整理され、よりロジカルに説明できたと思います。

⑦ 次の職場に賭ける意気込み

 次の職場では、これまでの経験を活かして幅広く活躍できる可能性を感じています。
 納得して転職先が決まったのは大変嬉しいことですし、ここまで背中を押して下さった高橋様、岡本様には大変感謝しております。
 しかし私にとってはここからが社会人人生の後半戦スタートなのだと、身の引き締まる思いで入社までの時間を大切に過ごしていきたいと思います。

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