【東証プライム上場 大手電力会社】
法務部 ホールディングス及び基幹事業会社の法務担当
【五大法律事務所】
パラリーガル
法務部 企業法務(商業登記全般、有価証券報告書の翻訳、経済安全保障分野に係る手続等、外為法に基づく各種報告・届出、不動産や各種許認可に関連する業務等)
深山 大輝 氏 29歳 / 男性
学歴:群馬県立 太田高等学校 卒
成蹊大学 法学部 法律学科 卒
※在学中にオーストラリアへ1カ月留学
※在学中に宅地建物取引士 合格
TOEIC Listening & Reading スコア 745点
第四級アマチュア無線技士
学生時代の就職活動では、法律事務所の他に、不動産業界や金融業界を受けていました。
大学2年生の時に宅建士の資格を取得したことをきっかけに「法律知識を活かして仕事がしたい」と思うに至り、法律を専門にする仕事である「パラリーガル」と、宅建の知識を活かせそうな仕事をするという2軸で選考を受けていました。
また、人と会話することが好きで性格的に営業職が向いてそうだとも感じていたため、その点も考慮した結果が不動産業界と金融業界でした。
ただやはり不動産と金融はあまり気が向かない中で選考を受けていたこともあり、最終面接まで進む会社は何社かあったものの、「内定が出たらうちに来ますか」という問いに対して「他にも見てみたい会社があります」と馬鹿正直に言ってしまい、最終面接に落ち続けました。
18卒の就職活動では、当時の内定解禁日であった6月1日には多くの学生が内定を勝ち取って就職活動を終えた中、私は7月末まで続け、ようやく複数の法律事務所から内定をいただき、そのうちの1つで内定を受諾しました。
入所直後から会社の登記を専門とする部署に配属されました。
宅建を取得した経験から意気揚々と臨んだものの、パラリーガルの仕事は想像以上に大変で心が折れそうでした。
会社法は学生時代に勉強したはずですが、実務でどう活かされているかのイメージが全く湧かなかったことや、座学で学んだ内容が実務にはほとんど活きないといったことにとても苦労した記憶があります。
条文によっては括弧「()」が何重にも使われているなど、1つ1つ丁寧に六法全書を読み込まないといけないものもある中、ミスを犯さない慎重さとスピードの両立を要求されるため、最初の2,3年くらいまでは辞めたいと思うことも多々ありました。時には体調不良で休みを取ることもありました。
その中でもめげずに取り組んでいると、徐々に業務に慣れてきて手続を遂行することの面白さを実感できるようになりました。
2年目からは基本的に1人で業務を担当するため、慣れれば慣れるほど自分の裁量が広がっていくのです。慣れるにしたがって実務経験も増えていくため、弁護士の質問に対しても自信を持って堂々と答えられるようになったり、頼りにされるようになったりすることが多くなり、やりがいを求めてより難易度の高い業務にも積極的に手を挙げて挑戦するようになりました。
6年目になった頃、転機が訪れました。
緊迫する世界情勢の中で近年聞かれるようになった「経済安全保障」という分野の業務に携わるチャンスが舞い込んできました。幼少の頃から国防や安全保障に強い関心のあった私ですが、まさか法律事務所が経済安全保障に関わるなどとは夢にも思っておらず、以前から案件に関与してみたいと感じていました。
手続を専門とするパラリーガルにはあまり参入する余地のなかった分野ですが、ある日弁護士から「この分野、やったことある?」と問合せがありました。
パラリーガルの先輩は前例がないこと等を理由に、その旨簡単に回答しようとしていましたが、私は迷わず弁護士に「是非、やらせてください!」と直談判しました。パラリーガルでの前例がないこと、経済安全保障に係る手続だったこともあり、「ここで俺がやらねば誰がやる。それに、経済安全保障に関われるチャンスだから何が何でもやるしかない」と感じたのです。
その案件は最終的にクライアントから正式に受任することとなりましたが、前例がないが故、参考となるものがほとんどない中でゼロから書類を作る必要があり、これが一番大変でした。
ですが今までの経験から、関連すると思われる条文を1つ1つ丁寧に洗い出し、自分で解決できなかった懸念点は所管省庁に電話照会を行うなど、目的達成のために考えられる手段は全て利用しました。
その結果、無事に手続を終えることができ、所内で初めてきちんと対応した事例を作り上げることができたとともに、この件がきっかけでそのクライアントから他の新たな案件をいただけることとなり、事務所の利益にも繋がったのです。
経済安全保障はまだまだ手探りなものも多い分野なので、そこまで案件数は多くありませんでしたが、ブログやクライアント向けの月刊記事の執筆など、新しい案件にも積極的に挑戦しました。
そのような中で「案件を主導していくような、主体的に仕事がしたい自分」がいることに気が付きました。
繰り返しになりますが、パラリーガルは弁護士の下につき、手続というゴールが見えた作業を行うことがメインとなるため、主体的に仕事をするにしても限界があります。
一方で企業の法務部であれば、新規事業の着手の際の法的問題点の洗い出しや他部署からの法律相談に乗ることなど、主体性を活かせる機会が格段に多いと思い、転職を決意しました。
パラリーガルで身に付いたスキルとしては「書類を作成する際の正確性」、状況に応じて書類の内容を変更したりする「柔軟性」、チームのメンバーを積極的にサポートする「リーダーシップ」が主ですが、敢えて新しい分野に挑戦したことで得られた「主体性」や「チャレンジ精神」は、今回の転職活動を成功させるカギとなったと考えています。
そこそこ名の知れた大企業で、年収も50万円程度上がる会社、完全週休2日制、夏季休暇あり、都内もしくは神奈川県への通勤といった点がこだわりポイントでした。
あまり良くないことかもしれませんが、捨てられたこだわりポイントはなかったです。「自分なら絶対大企業から内定を勝ち取れる。どんなに失敗しようとも絶対に諦めない」という強い信念で転職活動に臨みました。
① 気づいた点
<パラリーガルの市場価値>
自分が思っていた以上にパラリーガルが市場で評価されていないということでした。
自らの経験から、「名の知れている大手法律事務所だし、書類くらい多少は通るだろう」と考えていましたが、結果は期待を大幅に下回るものでした。事業会社、ひいては大企業の選考では弁護士やロースクールの卒業生が競合相手となるため、容赦なく書類選考で落選し、現実を思い知らされました。
前述のとおり、パラリーガルは弁護士法の規定により、弁護士の指示がないと動けないことが多く、どうしても業務に取り組む姿勢が受動的になってしまいます。もちろん手続の進め方の部分では主体的に動いて弁護士をリードしていくこともありますが、それはあくまで手続の部分に限定されており、案件全体を動かしていくわけではないという点がどうしてもネックになるということが転職活動を始めると分かってきました。
パラリーガルから法務部への転職は完全に未経験として扱われるため、できれば30代に入る前に転職活動を開始した方がよいと感じました。
<本命企業を受ける前に練習で他社の選考を受けること>
やはり「興味のある会社以外も受けてみる」ことが大事だと思います。
私の場合は前述のとおり未経験となるため、書類に通った会社が本命のようなものだったのですが、いきなり「本命」の面接が最初に来たため、緊張で回答ズレが起こって不合格となることが少なからずありました。
転職カウンセラーさんの勧めによりその後は今まであまり興味を持ってこなかった、あまり名が知られていないB2B(ただし、希望どおりプライム上場)の会社を受けると徐々に書類が通過するようになったのですが、それらの会社で受けた1次面接の内容が後々の内定獲得に繋がったので、場慣れは転職活動においても重要だと認識することができました。
② 学んだ点
「落ちることは当たり前、良かった点とそうでない点を振り返った後はすぐに気持ちを切り替える」です。
就職活動と共通しますが、実力主義傾向が強い受験と異なり、最終的にはご縁という側面が強いです。どんなに能力があっても、その会社のカラーにマッチしなかったり、面接官に気に入られなかったりすればお見送りになることがあります。これはどうしようもないことだと思います。
落選が続くとどんなに覚悟していても意気消沈してしまうものですが、転職カウンセラーさんからの「落ちるのは当たり前です。気持ちを切り替えて次に活かしましょう」という言葉に何度も救われ、前を向こうと踏ん張れました。
落ちてしまったらもうどうしようもないし、次に進むしかないのです。ただ、落ちた理由まで詳細に教えてくれる企業は貴重なので、そこで受けたフィードバックを記録して次に向けて改善することは、転職活動を納得のいくものにするためには絶対した方が良いと思います。
多くの企業の選考でお見送りになってしまったことは、短期的に見れば失敗だったでしょう。しかし、長期的に見れば、沢山の失敗を経る中でトライ&エラーを重ねた結果の内定獲得だったわけで、その視点に立てば成功となるのです。
結局は、失敗は捉え方次第だと考えています。お見送りそれ自体を失敗と捉えたとしても、最終的には納得のいく企業から内定を得られればそれは成功ということになりますし、お見送りそれ自体を「失敗したことで知見をもらえる」と考えれば、それは成功と同じと捉えることもできます。
とにかく、「失敗を失敗のままで終わらせない」、最後まで諦めずにやり抜く姿勢が非常に重要だと思います。
③ 反省点
累計で80社前後応募してきましたが、1社1社の選考に全力を注いできましたし、やり切ったと感じているため、「こうした方が良かった」という後悔のようなものは一切ありません。
面接だって結局は場慣れによるものも大きいし、いくら準備をきちんとやってきたとしても、本番の空気は実戦の経験を経ない事前準備だけでは分からないものがあります。そのため、なおのこと実戦こそが最良の練習と捉え、一切妥協せずに全力で臨む姿勢が重要なのだろうと思います。
ただ、強いて挙げるなら、志望度の高い企業の最終面接において、他社の選考状況を聞かれた際、余計な一言を発してしまった点でしょうか。
「もう一社最終面接に進んでおり、提示された日程が少し先だったので早めてもらえるように交渉中です」と言ってしまったことがありました。「他候補者との比較結果」を理由に落選してしまったため、これがどの程度影響を及ぼしたのかは分からないままですが、個人的には小さくないミスだったと考えています。転職カウンセラーさんにはかなり叱られましたが(笑)、何でもかんでも正直に話せばよいというものではなく、社会人であるならば建前も幾分使えるようにならなくてはならないということを痛感した出来事でした。
結果としてその後に控えていた本命の最終面接では、面接の最後に堂々と「お話を伺って益々志望度が増しました!是非、御社に入社したいと考えております!」と話すことができましたので、その経験も結局は「失敗することによって知見を得られた。つまり成功と同じ」ということになるのでしょうね。
次の職場では、法務業務を全般的に経験することができ、さらには国際法務で英語を活用できる上、場合によっては海外駐在のチャンスもあるということなので、働くのがとても楽しみです!
中々転職できずにモヤモヤとした思いを抱えながら前職で働いていたのですが、内定が決まってからというものの、非常にスッキリして今までにないくらい全力で仕事に取り組んでやろうという意識に変わりました。今更ながら、今までずっと挑戦してみたいと思っていた案件に取り組めるチャンスを得られそうなのですが、もし受任したら全力でやり切りたいと思っています。
新年度に入ってからの退職となるため、有休が新たに付与されることとなり、その消化方法について少し考えてみたのですが、そんなことよりも最後まで楽しく仕事して、前職でお世話になった方たちに仕事で恩を返し、そして1つでも多く自分自身の成長に繋げられる経験をしてから新たな職場に行きたいと考えるようになりました。
転職活動では、どんなに些細なことでも一切手を抜かないことの大切さを改めて実感したので、それを退職までの間、ひいては転職してからもずっと実践していきたいなと考えています。「なりたいものになれるのは、なろうとした者だけ」。明るい未来を創り上げていくために、成功も失敗も全てを血肉に変えてやろうという覚悟をもって取り組んでまいります。
ここまで来れたのは転職カウンセラーさんのお陰であることはもちろんですが、私が所属している社会人サークルの影響も大きいです。
その社会人サークルでは、ざっくり言うと恋愛や仕事、親との関係等も含めた「人とのコミュニケーション」を学んでいるのですが、そこで口を酸っぱくして言われているのが「やりきれ」という言葉です。
サークルで活動し始めた当初は特段何の思い入れもなかった4文字でしたが、そのサークルで全国からメンバーを集めて交流会を何度も主催し、イベントを最後までやり切ること、全力で1人1人と向き合うことを強く意識するようになった結果、とても大切な考えだと実感するようになりました。
また、そのサークルでは、良くないことは良くないとはっきり指摘してくれるメンバーが多いのですが、そのような人情味あふれる、様々な価値観やバックグラウンドを持つメンバーと交流したことで、それまで他責ぎみだった私の価値観が大きく変わりました。
彼らと交流し、お互いに支え合っていく中で、人間というのは他人と支え合って生きていること、人との縁はとても大切で決して軽視してはならないこと、どのような小さなことでも決して疎かにしてはいけないことを学びました。
そのような学びは転職活動に非常に役立ちました。
例えば、1社1社の選考に全力で準備して手を抜かないこと、他人から良くない点を指摘される(面接のフィードバックでネガティブなポイントを指摘される)ことの有り難さ、面接していただけたことに対する感謝の気持ちを持てたこと、などです。
転職活動・仕事等のいずれにおいても、大変だったことや辛かったことは沢山ありましたが、それでもこうして諦めずに食らいつき、納得のいく企業から内定を獲得できたのは彼らのお陰でもあります。
ここまで支えてくださった転職カウンセラーさん、事務所の同期、サークルのメンバーの方々には頭が上がりません。心より感謝申し上げます。
そしてこの体験記を読んでくださった皆さまには、諦めない心と最後までやり抜くことを強く意識して転職活動に取り組んでいただければと思っています。未経験の私でも勝利することができたのです、これを読んでくださったあなたなら必ずやれると信じております。辛い時もあると思いますが、その時は頑張った自分を必ず褒めてあげてください。無理をし続けていては潰れてしまいます。時には息抜きをして心の余裕を持つことも大切ですので、無理し過ぎず頑張ってください。
クライアント企業との太いパイプと採用実績・高い定着率で上場企業を中心に各業界の大手企業様から評価を頂いており、ハイキャリアの転職支援実績が豊富にございます。
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