弁理士、特許事務所からメーカーの知財部へ

No.996
  • 現職

    老舗大手 機械メーカー 知的財産部 弁理士

  • 前職

    調剤薬局 薬剤師
    特許事務所 弁理士

平野 慎二 氏 30歳 / 男性

学歴:旧・帝国大学 薬学部 卒
薬剤師
弁理士
TOEIC 810点

今回の転職までの流れ

高校までの勉強では理系科目が得意であったことや、人と一緒に仕事をするよりも1人黙々と作業するような仕事が性に合っていると感じていたことから、大学は薬学部に進みました。
大学では、アルバイトなどの課外活動にはそれほど注力せずに、研究に打ち込んだり、趣味で本を読んだりすることが多かったです。

新卒時には調剤薬局に薬剤師として就職しましたが、当時、それほど深い考えがあって会社を選定した訳ではありませんでした。
ふと、この仕事を一生続けていくのか?と疑問を持ったことや、ジェネリック医薬品を扱う中で知的財産権の世界を知るきっかけがあったことから、次第に弁理士の仕事に興味を覚えるようになりました。
私は調剤薬局を退職し、弁理士を目指して勉強する道を選びました。

特許事務所に入所し、特許明細書の作成と中間処理に数年間従事しました。
(尚、特許・知財関連の主な転職先には、特許事務所とメーカーの知財部がありますが、未経験だった私は、前者を選ぶのが現実的な選択でした。)
その後、弁理士資格も取得し、自分の手で新しい物を創り出す喜びはないものの、常に最新の技術に接することができる弁理士の仕事に対して非常に魅力を感じており、まずまず順調と言える状況でした。

しかし、次第に携わることができる業務範囲の狭さに不満を覚えるようになりました。
どの特許事務所でも事情は大体同じだと思いますが、特許事務所の弁理士は、発明提案書通りに明細書を作成し、クライアントの指示に沿って中間応答するのが仕事です。
(但し、特許の専門家として意見を出したり、内容をブラッシュアップしたりすることはあります。)

そのため、どんな権利を取得し、活用するのかを決めるのは、あくまでも特許出願人である企業です。
発明の発掘、権利取得の方向性の決定など、特許事務所では経験できない、より幅広い業務に携わりたいと思ったのが今回の転職のきっかけです。

転職活動

転職活動にあたって、大手の転職サイトと知財に特化した転職サイトのそれぞれ2、3社に登録しました。登録の際に、勤務地が自宅から離れ過ぎていないこと、給料が現職の水準以上であることなどを条件として設定しました。

登録してしばらく経つと、転職エージェントからメールで声を掛けていただけるようになりました。
その転職エージェントのうちの1社が(株)エリートネットワークさんでした。
ご担当の転職カウンセラー杉本さんからご紹介いただいた求人案件は、上記の条件を満たしており、最終的に私の転職先となりました。

遠方に住んでおり、銀座のオフィスに直接伺うことが難しかったため、杉本さんには電話でカウンセリングを行っていただきました。その際に転職のきっかけ、希望条件、現在の身の回りの状況などを口頭でお伝えしました。
このように声に出して説明することで自身の考え(本当に転職すべき状況なのか、どの条件をより優先するのかなど)がまとまったように思います。
その他にも杉本さんからご紹介いただいた数社の案件や、他のルートで知った案件にも応募しました。
そのうち数社の書類選考が通過し、面接に臨みました。

面接前には、面接対策本を読み、自己の経歴、転職理由、志望理由といった定番の質問への回答を準備しておきました。
しかし実際に面接を受けてみると、準備は万全だったはずが、スムーズに回答するのが意外と難しかったです。もともとの内向的な性格が災いして、ポジティブな印象を与えられなかったという失敗もありました。
これらの問題点については、転職カウンセラーの杉本さんからのフィードバックを参考に、「しっかりとした口調で話す」、「視線が下を向かないように注意する」、「にこやかな表情を心がける」、「面接官への質問事項を多めに準備して意欲をアピールする」などに気を付けて、改善を図りました。

これらの改善を行った結果、今回の転職先から内定をいただくことができました。

転職後

現在、新たな職場での仕事が始まっています。
中間処理は、特許事務所で行った仕事と大差なく経験を活かしてスムーズに業務を行えていますが、発明の発掘など未経験の業務では戸惑いを感じることもあります。
また、知財部の社員は自社技術や競合他社の技術を深く理解する必要があり、それが今一番の課題です。

しばらくは仕事を覚えるために大変な日々が続きそうですが、その苦労も今は良い刺激となっています。職場には私と同じような経歴の中途入社の先輩も何人かいらっしゃり、彼らの存在も心強いです。
ここまでの道のりには紆余曲折ありましたが、今後は地に足を着けて地道に努力していきたいと思っています。

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