財閥系 総合商社直系 デジタルマーケティング事業会社 スタートアップ幹部
大手デジタルマーケティング事業会社 コンサルティングマネージャー
岡倉 万里江 氏 39歳 / 女性
学歴:慶應義塾大学 総合政策学部 卒
TOEIC 770点
初級ウェブ解析士
Googleアナリティクス個人認定資格(GAIQ)
実用フランス語検定 2級
私が新卒で入社したのは、大手広告代理店グループの広告制作会社でした。就職氷河期にも拘わらず周りの同級生に比べて熱心に就職活動をしていなかった私は、父親が出版社に勤務していた関係で、高校生の頃から広告に興味があり、身近に感じていたことから、自然と広告業界を選択しました。
就職活動時には既に父親を亡くしており、更に母親が専業主婦だったため身近に相談できる大人がおらず、他の業界で働く具体的なイメージが持てなかったこともあるかもしれません。メーカーなども受けましたが、最終的には入社した会社の現場社員との面接が圧倒的に楽しく、この会社に入ったら楽しいだろうなと感じたことが決め手となりました。
結果的に、私はこの会社にフィットすることができ、入社して大正解だったと今でも感じています。そして、この「面接での直感」の重要性については、15年以上後の転職活動でも痛感することになります。
(株)エリートネットワークさんでお世話になったのは2回目の転職活動の時です。初めての転職活動の時には痛い目を見たこともあり、読者のご参考のため最初の転職活動の時まで遡ってお話ししたいと思います。
新卒で入った広告制作会社ではデジタル部門に配属され、以来ずっとデジタル領域のプロモーションを専門としてきました。会社の規模が大きかったため、お仕事させていただくクライアントも誰もが知っているような大手企業ばかりで、大手都市銀行の統合など社会的にインパクトのあるプロジェクトにも関わらせていただきました。
案件に恵まれ、環境や人間関係も良い会社だったと今でも感謝していますが、転職を考えるようになった理由は2つあります。
1つ目は、会社が時代の潮流に対応できていなかったことです。
会社としてデジタル領域を急激に拡大していくことになり、私の所属していた部門は組織として大きくなっていきましたが、その舵切りが遅かったこと。更に、年功序列の会社だったため、デジタルが専門でない人が部門のトップに据えられるなどの経営方針に疑問を抱くようになりました。
2つ目は、年齢的に転職するなら今しかタイミングがないと考えたからです。
このまま一生在籍しても良いと思える環境でしたが、40歳を前にして私は管理職の経験がありませんでした。一度も転職したことのない40代平社員がいざ「転職したい」と思っても遅いだろう。それならば今のうちに転職しておかなければ、という思いも後押しして、初めての転職に踏み切ることになりました。
上述のように会社の方向性にストレスを感じるようになってしまった頃、何度か転職を経験している友人から「この人はダメだ、と思う上司があと5年、10年偉い立場にいるなら転職したほうが良い」とアドバイスを受けました。直属の上司は今までで1番と言えるくらい良い上司でしたが、あと10年近く居座りそうな部門トップとNo.2の方針には賛同できず、転職を決めました。
とは言え15年以上もお世話になった会社で、すばらしい上司や先輩、クライアントやグループ会社のプロジェクトメンバーにも恵まれた環境からの転職だったため、次の会社で失敗しないためにきちんと会社選びの優先順位をつけ、いつまでに次の会社を決めるかというスケジュールも立てました。
ところが、あろうことかその「優先順位」が根本的に間違っていたことに、転職後に気付くことになります。
1度きりの転職とは考えていなかったため、3年ほど在籍してから次のステップに進もうとも考えていました。そのためには①管理職を経験できる、②デジタルという自分の専門領域の中でスキルアップを図れる、という2つを優先事項として独立系のデジタル専業会社を選びました。
上記の何が失敗だったかと言うと、社風が自分に合うか、社員のカラーが自分に合うか、といった会社との相性を一切考慮していなかったことです。しかもそれらが、自分にとって非常に重要なファクターであったことにも後程気が付きました。
結局、初めて転職した会社には、1年しか在籍しませんでした。
当初の計画通り3年いれば、おそらく優先事項の①も②も達成できた可能性は高いと思います。その意味では狙った目的は果たせる環境を選んだと言えるのですが、「自分にとって最も大切にしたいこと」が見えていなかったことが敗因でした。
ちなみに社風が合わないと感じた点は、組織の縦割り文化が強く、同じ社内でも部門が違うとチームとしての意識が薄い点や、問題が起こると責任を押し付け合う体質などです。それらは私が今まで社会人として育ってきた環境と大きく異なるため、合わないと感じていました。
視点を変えれば、1社目では会社に守られ、甘やかされている面もあったといえ、2社目では個人として鍛えられる環境であったと言えるかもしれません。このような環境が合う人もたくさんいると思いますが、私の場合は一発で停職になるようなセクハラ・パワハラ発言の横行、上司のマネージメント力不足などもあり、心身を病んでしまう前に別の環境に行こう、と判断しました。
初めての転職の時に、なぜ社風や社員のカラーを重視しなかったかというと、1社目の在籍期間が長く、社風にも社員のカラーにもうまく染まっていたため、「社風が合わない」ことの悲惨さを想像できなかったからです。また、親会社やクライアントへの常駐もトータルで2年ほど経験していましたが、楽天的な性格ということもあり、どこへ行っても悩まず楽しくやれたという自負も大きな要因だったかと思います。
個性の強い人が多い外資系企業などのクライアントへ1人で常駐する際、クライアントから「英語は話せなくても構わない。ただし慣れない環境で悩んでしまう性格の人はNG。1人でも楽しめるくらいの人を寄越すように」というリクエストが会社に送られ、選ばれたのが私だった、というくらい鈍感で図太い性格です。そんな私が合わない環境に行くと、こんなにも辛い思いをするのだ、ということを痛感したのが初めての転職の時でした。
新しい環境で上手くいかず、悩んでいる時に力になってくれたのは、前職の同僚や、他業界で活躍している学生時代の友人たちでした。自分はなんてダメな人間なんだろうと落ち込んでいる時に、こんなにすばらしい人たちが自分の友人でいてくれる、忙しい中時間を割いて会ってくれる、それなら自分はまだやれるはずだ、と思い直すことができました。
やはり、周りにどんな人がいるか、ということは私にとって非常に重要な財産だったのです。
精神的にどん底だった時にコンタクトをくださったのが、(株)エリートネットワークの転職カウンセラーの高橋さんです。「なぜこの会社の募集求人を私に?!」と思うような、意外な異業種案件を紹介してくださいました。
最初のカウンセリングで1時間強、これまでの仕事の実績だけではなく、私のバックグラウンドや、今度の転職では社風を重視して選びたいという思いも聞いてくださいました。
転職したばかりなのに、もう次に行きたくなっていることへの後ろめたさもあり、「今の環境でダメなら次もダメなのではないか」、「今の環境に合わないのは自分が悪いのではないか」と弱気になっていた私に「貴方は今の会社だと合わないですよ」とはっきり言っていただいた時には涙が出そうになりました。「転職させるのが仕事だからそう仰るのかな?」とも思わないでもなかったですが(笑)。
直後に久しぶりに会った前職の先輩からも、2社目の社名を言っただけで「そりゃ合わないだろうね」と言われ、客観的に見て一瞬で合わないと分かるような会社に打算で入ってしまった自分の浅はかさを猛省しました。
実はこの時期、他にもう1社、最大手の転職エージェントからお声がけをいただき、1度面談に出向いたことがあります。その時、社風の合う会社に行きたいと伝えましたが、「社風が合うかどうかというのは本人にしか分からないものだから、そういった面からの紹介はできない」と断言されました。
一方は社風が合うかどうかを汲んでいただけるエージェント。
もう一方はそれは無理だというエージェント。
私が信頼できたのはもちろん、私のニーズを汲んでくれる(株)エリートネットワークさんでした。
転職に対する思いを汲んでくださる点以外にも、時間の面で臨機応変にご対応いただけること、更に厳選した求人のみご紹介いただけることの2点が私にはとても有難かったです。
平日は仕事が立て込んでおり、転職活動に時間を割ける状態ではなかったため、土曜日にカウンセリングの対応をしていただかなければ、大きなチャンスを逃していたはずです。
また、面談時だけでなく、都度電話でも面接のアドバイスなどのサポートをいただけました。
そして、紹介されたのは1社のみ!
もちろん、手順として他の求人紹介が不要かどうかの意志確認はいただきましたが、この1社で順調に選考が進んだこと、何よりこの1社が私の志向と合致していたことから、他の会社の紹介は必要ありませんでした。
無事に内定をもらえましたし、高橋さんの “選球眼” には感服します。
実際に転職を経験して私が強く思うのは、面接で感じた違和感などはちょっとしたことでも大切にしたほうが良い、ということです。
面接は会社との数少ないコンタクトのチャンスです。面接でのコミュニケーションで「あれ?」と違和感を覚えた人は、転職後に上司となってもやはり「あれ??」の連続であったと言えます。
反対に、面接が楽しいと感じた最初の会社は、私にはとても合いました。きっと、最初の転職活動の時に面接で好印象を持った会社に入社していても気持ちよく働けただろうと思います。
新卒採用とは違い中途採用はポジション毎に採用人数が少なく、スキルや人間性などがフィットするかを見極められます。
見送りとなることは残念ですが、入社後に合わないとなるととても苦しむことになるため、きちんと見極めて断ってくれることも会社の誠意だと分かるようになりました。
1度目の転職では、どこでもいいから転職してみたいという気持ちが多少なりともあったと思います。2度目の転職では、自分に合う環境というものが少しは分かるようになり、この会社なら合うのではないかという確かな手応えも感じられるようになっていました。
1度目の転職は失敗に終わりましたが、相性が合わない中でも学べたことはたくさんありましたし、仲良くなれた人もいました。転んでもただでは起きない、失敗からこそ学ぶことがあると思って、次に活かしていきたいと思っています。
また、新卒入社した会社の仲間たちが今でも支え合う大切な仲間となっているように、これまで築いてきた人間関係は財産です。最初の転職で同僚となった人たち、これから入る会社で一緒に働いていく人たちとも今後良好な関係を築いていきたいと考えています。
これから転職される方にも、それぞれ自分の相性に合った環境が必ずあると思います。プロの手を借りたり、周りの人たちに相談しながら、たくさんの方がより素晴らしい環境を手に入れご活躍されることを心から祈っています。