一部上場 自動車部品メーカー 財務経理部 経理担当
地場の自動車部品メーカー 経理グループ チームリーダー
河合 雅彦 氏 35歳 / 男性
学歴:國學院大学 経済学部 経済学科 卒
日商簿記 2級
TOEIC 775点
私の新卒の時の就職活動は製造業を中心に進めておりました。家族が代々製造業に勤務しており、そのスタイルを見続けてきた事、また、就職活動の時期は丁度ITベンチャーがもてはやされていた頃でしたが、目に見える・手にできるモノを作り出す事に魅力を感じていた事が理由に挙げられると思います。そして大学在学中、自動車とオートバイが好きで、モータースポーツにも興味がありテレビでよく観戦していたことから、文系でありながら自動車部品関係の会社を中心に受けておりました。
その中で、各自動車メーカーと取引があること、また自社ブランドの製品も製造・販売していること、さらにF1を始めとするモータースポーツの各カテゴリーに製品を供給していることから、前職の会社へ入社を決めました。私は長男でありながら実家のある地元から離れ、更にこれまでの生活で縁もゆかりもない土地での生活が始まるわけですが、一念発起して決意しました。
最初の新入社員研修の後は製造業らしく工場へ配属され、現場研修が始まりました。他社では通常およそ3カ月位で本配属となる事が多いようですが、この会社では自社製品についての知識をしっかりと深めるという方針があり、私の場合は製造現場から異動したのは入社翌年の7月。1年以上製造現場での業務を行いましたが、これでも製造現場からの異動は同期の中で一番早いタイミングでした。
入社当初希望していた職種は商品企画。自社ブランド製品の企画やイベントでのブース出展を通じて広報活動に携わりたいと思っていました。しかしこの職種は「狭き門」と当時の人事部の責任者から釘を刺されます。そんな私の配属先はグループの経理を行う部署。希望職種の候補にも全く挙げていなかった部署でした。大学で会計科目を数単位履修した程度で、この時点で持っている会計系の資格もありませんでした。
この会社は分社化を進めており、私の所属した部署は、グループ各社の経理業務を行う担当者で構成されています。担当会社の規模によって1人で業務を進めるケースもあればチームを組むケースもあり、その業務範囲は月次決算から年次決算まで幅広いものでした。大学の講義でかじった程度の経験しかない自分にとっては苦労しか無く、とにかく辛抱の連続でした。しかし徐々に担当業務の範囲も広がり、リーマンショック後の冷え込みや、東日本の震災後の厳しい時期も経験し、また業務と並行して簿記の資格も取得し、当初は馴染みの無かった経理という業務のやりがいや面白みを感じ、会計に対する思いが変わってきました。
入社から10年を迎えた年、転職を決意しました。業務内容や職場環境、人間関係にそれほど不満を感じていたわけではありません。ただかつて私が頼ってきた先輩方は順番に全員退職され、その原因は待遇面の不満にあった、という話も聞きました。私も正直その点については引っかかることが無かったわけではありませんでした。時々学生時代の友人と会って話をしても、この会社ではこのモヤモヤは解決できないかもしれない。ならば・・・、と少なからず転職を意識していたのだと思います。それが勤続10年を迎えたことをきっかけに鮮明になり、実際に動き出したのがこのタイミングでした。
実際に転職を決意した時には、
・勤続10年を迎えた事を1つのターニングポイントとし、ステップアップしたい
・まだ介護が必要ではないものの両親も高齢になってきたことで、実家もしくはその周辺を生活拠点にしたい
という自分自身の思いがしっかりと固まっていました。退職時には、ありがたいことにグループ内の2部署から異動のオファーを頂きましたが、いずれも辞退しました。
前職で先に退職した先輩によると、転職活動では「転職のエージェント」のお世話になった、との事でしたが、私はどのようなエージェントがあるのかもよくわかっていなかったので、とりあえず大手のサイトに登録をしました。このサイトでは公開レジュメに対して転職エージェントからオファーが届くシステムがあるのですが、このオファーをくださったのがエリートネットワークの転職カウンセラーの新城様でした。
新城様と最初に電話面談を行い、それから銀座のオフィスでの面談では2時間以上かけ、じっくりと幅広くヒアリングをして頂きました。エリートネットワーク様では転職希望者と面談するカウンセラーの方が直接募集企業へ足を運び、取材し、入念に情報を集めているのが特徴であり強みであると説明を受けました。そして面談の結果、応募職種はこれまでの経験を活かせる経理業務。またステップアップしたいという思いが今回の転職の理由にあるという事を踏まえ、業種の幅を広げて応募していきましょう、という方針に決まりました。面談では緊張していた私でしたが、退職の経緯や転職に際しての考え方、趣味に至るまで色々な方面の話を、緊張を解きほぐしながら聞いて理解して頂きました。また早速その場で数件の求人も提示して頂き、展開の早さに驚いたことを覚えています。
実際に各社への活動を開始してからは新城様の段取りに大変助けられました。業種を広げたことで幸いにも面接に呼んで頂ける企業も思っていたより多く、例えば面接の日程調整のような事務的な作業に始まり、各社へのアプローチの仕方のヒントや志望動機のスクリプトの添削、面接前日のアドバイス、面接終了後のフォローアップまで親身になって後押しして頂きました。
経理は業種を問わず各社に存在する職種であり、「幅を広げる」という方針のもとに推薦して頂いた企業はITから商社、メーカーであっても素材、製薬、製菓まで多岐にわたりました。いずれも私1人の活動では関わりを持つ事もなかったと思われる企業ばかりでした。社風も、歴史があり落ち着いた雰囲気の企業もあれば、如何にもベンチャービジネスといった雰囲気の企業もありました。そして最初は緊張でガチガチだった私も、次々と各企業の面接に臨む中で、会社ごとの様々な雰囲気の違いを感じられるようになってきました。すると、もし内定を頂けたとしてもマッチしそうにないと感じたり、心から納得できそうにないと感じたりするケースも出てきました。では自分自身に合いそうな業種は?と考えるとそれは製造業でした。そこにはやはり、製造業で働いてきた親の姿、モノづくりに携わりたいという新卒の時と変わらない意識が根付いていたからかも知れません。自分が納得できなければ長く勤められないと感じてからは、志望企業を製造業に絞って活動を進めさせて頂きました。
そして更に活動を進め、今回入社することとなった上場企業から内定を頂くことができました。この企業は自動車部品の製造業。裾野の広い自動車業界だけに、紹介して頂くまでは社名や製品群は知りませんでした。結果的に前職と同じ業種となりましたが、会社の規模や経理の担当分野がこれまでとは少々異なるため、転職を決意した理由の 「ステップアップ」 の条件は満たしていると思います。また、1次面接で訪問した工場の雰囲気、最終面接で訪問した本社オフィスの雰囲気がしっくり来たこと、そして面接で対応してくださった方々の印象が良かったことから、自分自身でも十分に納得した上で腰を据えて勤められると感じ、入社を決意しました。
今回の活動は、最初のメールを頂いてから2週間後に銀座オフィスでのカウンセリング、更に2週間後に最初の企業の面接試験、そして、そこからおよそ1カ月後には内定を頂いた企業に入社を決めることとなりました。トータル2カ月程の展開はとても早く、短い期間で活動を終えることができました。もっと苦労するかと覚悟していただけに、こまめにご連絡を頂いてコミュニケーションを取り、各面接の終了後には細かなフォローをしてくださった新城様には本当に感謝の気持ちでおります。
今回の活動に際し、面接前には各企業や業種について研究を行いましたが、これは新卒の就職活動以来の事でした。新卒の時は自動車業界しか視界に入っていなかったため、馴染みの無い業界まで範囲を広げた今回の活動は、自身の知見を広めるためにもとても貴重な機会になったと思います。実際の面接においては転職希望者の1人として、より近い距離で各社の担当者の方とお話をすることができました。また一度社会人を経験しているだけに、新卒の時とは違った切り口で企業を観察し、前職の職場と対比をすることで、転職をしなければ知ることのできない会社の特徴を掴む機会にも恵まれました。このように他社の内部まで踏み込めるような機会は今後ないのだろうと思うと、転職活動はただ大変なだけではなく、とても有意義な時間でもあったのだと思います。
今回の転職活動期間中、世間では空前の売り手市場と言われていましたが、私としてはそのような実感はありませんでした。結果的に納得できる企業から内定を頂けたものの、その背後には何社もの書類選考が通過できなかった企業があり、面接で不採用となった何社もの企業もあり、最終面接の雰囲気が良く手応えを感じながらも不採用となった企業もありました。しかしそんな中でも上記の通り2カ月程で活動を終えることができたのはエリートネットワーク様、転職カウンセラーの新城様のご尽力の結果に他なりません。私を企業様へ推薦して頂いてもなかなか良い結果に結び付かないケースばかりで、苦労をさせてしまったことであろうと思います。しかしそれでも最後まで温かく見守って頂き、内定の連絡を頂けた時には一緒に喜んで頂きました。自分自身ホッとすると同時にご担当が新城様で良かったなと感じました。
「就職活動は縁である」とよく聞きます。最初に新城様からメールを頂けたこと、新城様から多くの企業を紹介して頂き推薦して頂いたこと、そして今回の企業から内定を頂き入社が決まったことは、やはり縁なのだろうと感じています。この『転職体験記』を作成しているのはまだ入社前の時期で、自分自身、正直新たな環境への期待と不安とが入り混じった心境でいます。しかし社風や担当者の方、事業内容等について自分で納得した上で決めた会社です。今回転職を決めてから転職先までを結び付けてくださった新城様に、この会社へ紹介して良かったと思って頂けるよう、しっかりと腰を据え、着実に業務に邁進していきたいと思います。「転職活動」は終わりましたが、今後のキャリアとしては再スタート地点、自信を持って進んでいきたいと思います。
本当に色々とありましたが、大変お世話になりました。ありがとうございました。