財閥系 総合商社 自動車事業部 海外新規事業担当
一部上場 大手完成車メーカー 法人営業(中東担当) チームリーダー
中塚 章平 氏 34歳 / 男性
学歴:大阪大学 外国語学部 卒
TOEIC 880点
ITパスポート
この度、(株)エリートネットワークの転職カウンセラーである杉本様の絶大なるご支援のもと、強く希望をしておりました財閥系の総合商社から内定を頂くことが出来ました。エリートネットワーク様、杉本様への感謝の気持ちを込めて、ここに『転職体験記』を書かせて頂きます。
執筆にあたっては、今回の転職を通して私が感じた “転職の肝” は何か、を意識して書きました。熱い想いを持ち、新しいキャリアを歩もうとされている方に、同じ想いを持って活動をした1人の言葉として、ほんの一部分でも参考になれば幸いです。
海外で活躍出来る男になりたい、そんな想いから外国語学部に入学し、大学時代は外国語やその文化を中心に学んでいました。入学当初は就職に対して、「海外で働ければいいな」、「営業やりたいな」、という漠然としたものしかなく、決して “意識高め” な学生ではありませんでした。部活動やアルバイト、海外旅行に明け暮れ、就職活動も、同じ大学の友人よりも一歩遅れてのスタートでした。
ただ、学生時代に1つ心がけたのは、“出来るだけ色々な仕事を体験すること” でした。工事現場、ビルの清掃、廃品回収、コンビニ、飲食店、家庭教師、塾の講師、広告の営業、などなど、脈略はありませんが(笑)、要は、色々な人と関わりたい、そして社交性のレベルを上げたい、より単純に言うと「どこでも生きていける男になりたい」、そんな想いが強かったのです。
これらの経験を通して、当たり前のことですが、“仕事は人と人で成り立っている” と実感しました。そして、“自分が関わる仕事で周りの人を豊かにすること、そしてそれを通じて自分が人間的に豊かになれること” が、私の仕事観における太い軸になっていきました。
最初に入社したのは、一部上場の有名な大手電機メーカーでした。
就職活動には紆余曲折ありましたが、
(1)関わる商品やサービスによって少しでもお客様の生活の “豊かさ” の向上に貢献出来ること。
(2)選考を通して関わった方々の人間性に魅力を感じ、自分も人間的に成長出来ると感じたこと。
(3)これから進出していく海外事業に関わるチャンスがあったこと。
これら3つが決め手となり、入社することにしました。結果として、前述した学生時代の漠然とした想いが実現したと思います。
入社後は約5年間、国内法人営業を担当しました。厳しい上司やお客様にも恵まれ、とにかく “現場主義” を第一に仕事をすることを叩き込まれました。ここで社会人としてのベースが形成されたと思っています。
その後、海外部門に異動するチャンスを得ました。ここでは海外での新規事業を担当し、買収した会社の経営改善や、新規販売国の開拓、代理店の開発、新規市場向けの商品企画などに関わりました。
こうして駐在も含め約5年間、海外経験を積みました。海外に出てからは、現地スタッフを束ねて事業を率先していく役目を持ち、“経営” や “人材の育成” に直接関わり、人として1段も2段もステップアップすることが出来たと感じます。
ただ、私はここで「海外に行くと成長出来るから、海外に行った方がいい」と言うつもりは全くありません。結局海外に行っても、文化は違えど仕事をするのは人と人であって、片方は自分です。振り返ってみると、国内で諸先輩方に鍛えられたベース、スピリットがあったからこそ、海外でも駆け抜けることが出来たと思います。
当時お世話になった方々から頂いた言葉で、印象的かつ今の私の軸になっているものを3つ紹介させて頂きます。
(1)「入社して10年は振られた仕事は全部やれ。どんな小さな仕事でも気持ち良く『ありがとうございます』と言って全力でやれ。そうすればその仕事の中身や、周りとの関連がよくわかり、将来きちんとした取捨選択が出来るようになる。そして、自分が人にお願いする時に、正しい人に正しいお願いが出来るようになる」
(2)「お客様に評価されているやつが一番だと思え」
(3)「これからの仕事は、英語、財務、ITの知識が活きる」
これらの言葉があったからこそ、海外に出ても、しっかりと真正面から熱く現地の人たちとぶつかることが出来ましたし、今があると思っています。特に(2)と(3)は今でもその通りと信じています。(1)はもう10年経ちましたね(笑)。
この1社目で10年働いた頃、当時担当していた事業も一区切りつき、より産業構造として大きな業界にチャレンジしたいという想いが芽生えました。また、駐在した新興国での生活を通し、街中を走る自動車の数とそのパワーに圧倒され、自動車産業に興味を持つようになっており、縁あって自動車メーカーに転職をしました。
新しい仕事は、本社で海外の担当地域の事業管理を主とするものでした。経営層と非常に近い位置で仕事をするので、大変ダイナミックかつ、スピーディーな業務内容で、経営的な視点や、現地メンバーをダイレクションしていくスキルは磨かれたと思います。
ただその反面、「現場が遠い」と感じていました。「やはり私は、市場やお客様ともっと密接に、“どろっ” とした付き合いがしたい。現場に直接関わる仕事が好きだ、現場で仕事がしたい」ということを毎日考えるようになりました。「どこの会社で働くか?」ではなく、「どんな仕事をするのか、それを通じて、どうしたいのか?どうなりたいのか?」が一番重要なことに改めて気付かされました。つまり、自分の軸とのフィット感を求めたい、それがもう1度転職をしようと思った一番の理由です。
そのため、新しい職場に求めるものや、自分の軸が何なのかは非常に明確でした。「現場で仕事がしたい。これまでの経験を総合的に活かして、現場で事業経営がしたい。そして、自分の関わる仕事で周りの人やお客様を豊かにしたい。それを通して自分が人間として豊かになりたい」。今回の転職活動は、前回の転職から1年しか経っていない中での活動でしたが、この軸を明確に持っていたこともあり、それが実現出来る自分なりに厳選した会社だけにしか選考を申し込みませんでした。仮に今回いい結果が出なかったとしても、「縁がなかった」と思えるだけの覚悟は持っていました。
その明確な思いを持って挑んだ今回の転職活動を通じて、気付いたことについて触れます。
当たり前のことですが、面接というのは、“質問” と “回答”、この2つで成り立っています。非常にシンプルな構成で、しかも、長くても1時間です。しかし、ここですべてを判断されてしまうわけです。そして入社の可否が決まります。そうすると重要なのは、以下3つに尽きると信じています。
(1)どんな質問をされるのかを徹底的に予想する。
(2)それに対する回答、ストーリーを準備しておく。
(3)面接官の質問内容をしっかりと聞き、理解し、それに対し、“自分の熱量” を上乗せし、淀みなく自分の回答を言い切る。
これを読まれているのは、志の高い優秀な方々ばかりでしょうから、偉そうに言うつもりは毛頭ありません。ただ私は、この “面接対応” が転職における全てだと信じていますので、書かせて頂きます。
今回、(1)について、転職カウンセラーの杉本さんから、過去の事例も含め、想定質問を的確かつ冷静にアドバイス頂きました。また、想定される面接官の構成なども教えて頂き、そこから自分なりに想定質問を派生させて、いくつかパターンを準備することが出来ました。
そして(2)の回答準備は、(1)の具体的なアドバイスのおかげで、きっちりとストーリーを準備することが出来たと思います。想定が充実すればするほど、自分の軸やキャリアが整理され、よりブラッシュアップされていきました。アナログな人間なので手書きすると内容が頭に入るのですが、今回の選考を通して準備した内容はノート1冊分になりました。しっかりと自分と向き合えたと言えると思います。
そして、最後の(3)、本番での回答です。これは経験された方も多いと思いますが、“言うと決めていた自分の中での完璧なストーリー” を、質問の流れや空気に流され、「これはここまで言い切らない方がいいな」とか、「これはさっき言ったからちょっとカットしようかな」とか、「1次面接で話した内容だけど、この人は申し送りなどである程度は知っているのかな?」などと想像、判断してしまい、完全に言い切れずに終わったやり取りがいくつかありました。しかも、自分の中で “キラーワード” として準備していたものが言えずに終わった場面もありました。
そういった場合、面接の後で大体「いや、あそこは内容がダブってもきっちりと説明し切る必要があったな」とか、「流れを読んで、最後の決め台詞フレーズが言えなかったな、ちゃんと伝わったかな」とか、「あの人にも用意してきた話を、始めからきちんと話せばよかったな」などと後悔して、夜も眠れませんでした。
せっかく練って、練って、簡潔に完結させた自分の中のストーリーであったのに、もやもやすると悔しいですよね。そんな反省点も踏まえ、基本的な3つを敢えて記します。
(1)しっかり作りこんだ自分のストーリーを信じ、そこに熱い想いを乗せて、淀みなく全て言い切ること。
(2)自分の話を聞くのはみんな初めてだと思って、いつも “伝えたい” と意識して言葉に体重を乗せて話すこと。
(3)2回目以降の面接でも(同じ面接の中でも)、同じ質問が来たら、初めての質問だと思って、改めて自分のストーリーを話すこと。もちろん2回目以降の面接では、同じ質問が来た時を想定して用意しておいた補足コメントをつけること。
これらは、100点を求めることは難しいと思います。しかし、“意識” することで、そのストーリーや、その人の熱い想いは、話を聞いて下さる面接官に伝わります。これは人を動かすために必要なことと同じはずです。“入社したいから面接を受ける” ということは、“入社するためには面接を通過しなければいけない” 、つまり、“面接を通過するためには面接官を動かさなければならない” のです。
輝かしい経歴は過去を語りますが、こういった “熱量” は、その人の未来を語る強烈なパワーを持っていると信じています。私も改めてこういったことを意識し、これからの仕事に活かしたいと思っています。
今回の杉本さんとの出会い、頂いたご支援をきっかけに、新しいキャリアを歩むことになりました。
学生という立場を卒業し、お金を貰って働き始めて12年目に入ろうという中で、今一度、自分の軸や大切にしているものを見つめ直し、それらを大切にして仕事をしていく所存です。全身全霊、粉骨砕身で業務に精進していくことは言わずもがなですが、改めて、「仕事は人と人で成り立っている。関わる人を、そして自分を豊かにする仕事をしよう」そう思いながら仕事をしていきたいと強く思っています。
人生にリセットボタンはありませんが、押すたびにレベルの上がるリスタートのボタンがあって、それは何度でも押すことが出来ると思います。転職もあくまでレベルの上がるリスタートであって、ゴールではありません。ここからが勝負です。軸をぶれさせることなく、強く大きなジャンプを決めていきます。
最後になりますが、やはり、「自分の軸は何なのか、何がしたいのか、それを通してどうなりたいのか」、これを熱く人に伝えることが出来る人は結果がついて来ると信じています。ここまでお読み頂いた皆様も、間違いなく熱い気持ちをお持ちだと思います。今一度それらを整理し、自信を持って、新しいキャリアに向かうための面接に挑んで下さい。
(株)エリートネットワーク、そして杉本さんは、そういったポイントを冷静に、時に熱く、的確にアドバイスして下さいます。皆様が納得のいく新しいキャリアを歩まれることを祈願し、私の『転職体験記』とさせて頂きます。
お読み頂き、誠にありがとうございました。