東証一部上場 総合電機メーカー 法務部 企業内弁護士(インハウスローヤー)
中堅法律事務所 弁護士
地方都市 企業法務に強みを持つ法律事務所 弁護士
上原 吉彦 氏 28歳 / 男性
学歴:東京大学 法学部 第2類(公法コース) 卒
東京大学大学院 法学政治学研究科 法曹養成専攻 修了
弁護士
TOEIC 845点
私は、もともと官公庁で働きたいと考え、法学部に進学しました。しかし、いずれの省庁でキャリアを積んでいくべきか決めかねたことや、法学部での学修のなかで法律への興味が深まり、専門職としてのバックグラウンドを持ちたいという思いが強まったことから、法科大学院及び司法修習を経て、某政令指定都市の中堅法律事務所で弁護士としてキャリアをスタートしました。
その法律事務所を選んだのは、代表弁護士の方から「是非一緒に企業法務をやろう!」と強いお誘いを受けたからです。実際に、入所後は海外投資案件などに携わり、国際契約実務の基礎を学ぶことができたと感じています。
しかし、クライアントは遠方の企業が多く、法律家として、ビジネスをきちんと理解したうえでの有益なアドバイスは提供できていないのではないかと感じていました。
よりクライアントに近いところで法律家としての価値を提供したいと考え、地元に近い地方都市の企業法務系法律事務所に転職しました。この時の転職では、そもそも地元の企業法務系法律事務所というのは他に存在せず、かつ応募をして1度の面接ですんなり決まってしまったことから、転職エージェントなどは利用しませんでした。
この転職によってクライアントとの距離が縮まり、顧客企業のビジネスをある程度理解して業務を進めることができるようになりました。
1度目の転職で、先述のように転職の目的をある程度達成したにもかかわらず、さらに今回2度目の転職を決意するに至った背景としては、次のような事情がありました。
第一に、事務所内の人間関係です。前職の地方都市の小規模な法律事務所では、ボスによるパワハラまがいの言動が横行していました。どちらかと言えば文化系の私はこうした行為への耐性が低く、この事務所でどこまで仕事が続けられるのかという点は、入所した当初から不安に感じていました。
第二に、キャリア形成に関する不安です。上場企業を含む顧客を多数抱えてはいたものの、体質としてはいわゆる「町弁」と言われるような一般の法律事務所に近く、案件の多くは交通事故や家事事件などのいわゆる一般民事系の案件でした。
周囲の同業者達もビジネスローや経済の動きなどに対する関心は薄く、地方都市でビジネスローヤーとして成長することは環境的にもやはり難しいのだと感じざるを得ませんでした。
第三に、ビジネスの現場により近いところで働きたいと感じたことです。私は法科大学院及び司法修習を経てから社会に出ましたので、大学時代の同級生たちは一足早く社会人になり、それぞれ官公庁や一流企業でキャリアを積んでいました。彼らが担当している事業や取り組んでいるプロジェクトの話はとても面白く、社会的にも大きな意味のあるものに聞こえました。
その一方で、私のしている仕事はトラブル対応やクレーム処理ばかりで、とても自信を持って彼らに話すことができるようなものではないと感じました。新聞記事などで日々目にする世の中の動きと自分の仕事とのつながりが見出せず、地方都市に居住していることも相俟って、このままでは世の中の潮流から取り残されてしまうのではないかという疎外感や焦りを強く感じていました。
このような焦燥感ないし危機感を背景として、ビジネスの現場にできるだけ近いところで法務人材としてのキャリアを積んでいけるような職場を求めて、転職活動を開始することにしました。
今回の転職活動にあたっては、転職エージェントの方にサポートをお願いし、また企業の法務部に絞って転職活動をすることにしました。
その理由は、今回の転職活動においては失敗が許されなかったからです。私の年齢で2度目の転職となると、次の職場では長く勤務することが必須であると考えていました。
そのためには、まずはマッチングを慎重かつ適切に行うことが必要です。少なくとも前回の転職のように地元で条件が良さそうだからという理由で応募先を絞ってしまうのではなく、第三者からの客観的なアドバイスをいただきながら視野を広く持って、応募先を検討することが必要であると考えました。
また、小規模で人間関係が固定化しやすい法律事務所と異なり、大企業であればたとえ上司との相性が多少良くなくても、ずっと同じ部署にいるわけではありません。そのため、今回のように人間関係で失敗するリスクを極小化する意味では大企業が望ましいと考えました。それは、ビジネスの現場に近いところで社会的に意味のある事業に携わりたい、という私の希望とも合致していました。
このような考慮のもと、転職活動の第一歩として、まずはどの転職エージェントにお願いするかということを検討しました。
最初に連絡をとらせていただいたのは、(株)エリートネットワーク様です。その理由は、法律事務所から企業法務部への転職についてインターネットで下調べをするなかで、『転職体験記』が数多くヒットしたため、利用させていただいた場合の転職活動の流れがイメージしやすかったからです。
しかし、この段階では他の転職エージェントとの相対しての面談・電話面談なども並行して進めていました。
(株)エリートネットワーク様にお願いすることに決めたのは、ご担当の転職カウンセラー廣重様と銀座のオフィスで面談をさせていただいてからです。
廣重様との面談でとりわけ印象に残ったのは、要点を押さえてテキパキと話を進めていただけるスピード感でした。これは、モチベーションや時間が限られるなかで転職活動を遂行するうえでは必須の要素であるとともに、細かいところが気になって前に進めないところがある私の性格をうまく補っていただけるのではないかとも感じました。
また、転職活動の進め方や業界の状況などに関する質問をした際にも、よく研究していらっしゃるためか最も納得のいく回答が得られたと感じました。
面談の内容を踏まえ、履歴書及び職務経歴書を作成しました。この段階では他の転職エージェントにも見てもらっていたため、様々な転職エージェントから様々なアドバイスを受けました。
私が持ち前の細かい性格を発揮して全てを満たす完璧な履歴書を作ろうと苦労していたところ、廣重様に「上原さんくらい経歴や材料が揃っていれば、たいていは書類選考で落ちることはないと思いますし、落ちるとすればそれは年齢や組織バランスなど履歴書以外の要因です。そこで時間をかけていても意味がないのでまずは優良企業10社くらいに絞って応募してみましょう。」と言われ、とりあえず10社ほど応募してみることになりました。
そして、翌日にはこのうちの2社から面接のお誘いをいただき、面接の準備を始めました。具体的には、インターネット上にある適当な想定質問集を使って想定問答を作るという作業を行いました。
いくら想定問答を作っても準備が不足しているのではないかという不安はなくなりませんでしたが、廣重様とのお電話で「大企業の面接でそれほどおかしな質問はないはずなので、準備としてはこれで十分だと思います。あとは、明るく元気に!」というアドバイスをいただいたことは精神的に大変助かりました。
加えて、どういった役職の方が面接官として出てくるかという点を事前に教えていただいたことも助かりました。おおよその年齢がわかれば現場の雰囲気をイメージしやすいですし、どういう立場の方であるかによって、面接での質問事項(気になっている点や知りたい点)も当然変わってくると思います。そういった情報を踏まえたうえで具体的なイメージを持ちながら面接の準備をすることができました。
結果、最初に面接のお誘いをいただいた2社から無事に内定をいただくことができ、そのうちの1社で企業内弁護士としての第一歩を踏み出すことになりました。
私が今回の転職活動を通じて改めて認識したのは、自分の市場価値は自分ではわからないということです。
自分自身のことを一番よく知っているのは自分のはずですが、自分が転職市場においてどのような評価を受ける存在であるかという点はわかりません。自分で調べようとしても世の中には情報が氾濫しているうえに、転職という慣れない状況下で自分を客観的に評価するという作業は極めて難しいものです。
その結果として、自信過剰になったり逆に過度に自信を喪失してしまったりという事態に陥りがちです。
自分の市場価値を客観的に把握するためには、専門家の目が必要です。転職エージェントや人材紹介会社など色々と呼び名はあるようですが、最近ではキャリアコンサルタントという呼び名もあるようです。転職やキャリアプランに関する悩みや困りごとに対して助言やサポートを行う専門家という意味では、適切な名称ではないかなと個人的には思っています。
私自身が転職活動をすることは少なくとも今後しばらくはないと思いますが、キャリアに関する悩みや不安が生じた際には、(ご迷惑にならない限度で)是非廣重様に相談させていただけたらと思っていますし、キャリアに悩む友人などには(ご迷惑にならない限度で)是非紹介させていただけたらと思うくらい、今回の転職活動にあたってのサポートには満足しています。
大変お世話になりました。今後ともどうかよろしくお願い致します。