一部上場 総合インターネットサービス大手 総務課長
老舗 電気工事会社 総務部 総務担当
行政書士事務所 行政書士
プロスポーツチーム運営企業 管理部長
一部上場 フランチャイズ店舗運営企業 総務課長
二部上場 自動車輸出商社 総務部長
永井 誠司 氏 47歳 / 男性
学歴:佐賀県立 佐賀西高等学校 卒
東京大学 法学部 第1類(私法コース) 卒
TOEIC 920点
行政書士
AFP
第一種衛生管理者
ビジネス実務法務検定2級
宅地建物取引主任者(現:宅地建物取引士)
マンション管理士
1級電気工事施工管理技士
大学では法律を学んでいたこともあって、漠然と司法試験の勉強をしていましたが、法曹界や判例などを学んでいるうちに、もっと広い世界で自分の人生を切り開いてみたいと考えるようになりました。当時、法学部の学生は「潰しが利く」などと言われ、別に法律の世界ではなくても、就職に有利と言われていた時代でした。同級生は公務員、銀行など堅い仕事を選んでいる人たちが多かったのですが、私はどちらかというと安定志向ではなく自分で道を切り開いていけるような世界に憧れていました。
実家は自営業をやっていたのですが、親が体調を崩し、急きょ田舎に戻ることになりました。結果的に長男が家業を継ぐような話になったので、私はたまたま法律に明るい人材を探していた地元の有力企業からのお誘いに乗ることにいたしました。
建設業でしたので、現場に近い部門で事務を1年間経験したのち、総務部門に配属されました。この会社の後、管理部門を中心に数社を渡り歩くのですが、その際に常に心に刻んでいたことは、とにかく、その場その場で行う仕事にまずは注力することでした。当たり前のことですが、何事にも全力で取り組んで、できるだけ多くの「知らない」ことを経験し、それを消化し自らのものにしていくことが大切と考えました。それに加えて、きちんと何かをものにしたら、次のステップではそれをより良く、より早くこなせるように工夫することを心掛けました。会社で行っている仕事は長年、連綿とやり続けていることも数多くあります。もしかしたら、それは伝統と呼ばれ、変えてはいけないものもあるかもしれません。しかし、その中にもより効率的に、またお客様により喜ばれるように改善できる余地が残されていることもあるわけです。それらを常に提案しつつ、また、自分自身もやりやすいように常に心掛けてきました。そうすると仕事は楽しくなってきます。どんな会社でも改善を歓迎しないところはありません。いつもこのような考えを持って仕事に勤しんできましたので、お陰様で、仕事自体はこれまでずっと楽しみながらやっていくことができました。
しかし、仕事がつまらなくなってくる時があります。いや、正確に言うと仕事が楽しくなくなるわけではなく、会社の中の人間関係が殺伐としてきたり、雰囲気などが沈滞してきてモチベーションが上がらなかったりということが発生します。これは景気が関係することもあれば、会社の方針が時代にマッチしないということもあるでしょう。また、会社の経営状態は悪くないけれど、会社のビジョンや戦略がどうにも受け入れられないということもあることでしょう。よく、会社や経営方針などをバスや船といった乗り物に例えることがありますが、乗るべきではないバスや船に乗ってしまった、あるいは、最初はちゃんとした目的地に向かって進んでいたと思っていたのに、急に進路を変えたり、船長が風変わりな人に変わったりということもあるわけです。そのような場合に自分を適応させるという選択肢もありますが、今のこのような時代ですから、どうしても自分の哲学や志向に合わなければ、転職という選択も視野に入れるべきだと思うのです。
しかし、そのためには前述の通り、自分のそれまでの持ち場でしっかりと本格的に仕事をしていて、実力を蓄えておく必要があると思います。しっかりした仕事をして、実力をつけていれば、きっと客観的な評価をしていただけることでしょう。これも当然のことですが、転職の際は、ほとんどの場合、履歴書・職務経歴書と面接だけで決まってしまいます。正直なところ、たったそれだけのプロセスで人を評価するのは、経験豊富な人事担当の方でも難しいと思います。しかし、真の実力をつけていれば、それらを文章にし、言葉にし、態度できちんと表すことができる確率が高まるでしょう。そして、そんな実力を持っていれば、間違いなく多くの会社から求められる人物になっているはずなのです。
私は、持ち場の仕事をこなす時に、関連する資格を取得することにも積極的に取り組みました。できれば国家資格のようなものの方がいいでしょうが、民間資格でも構わないと思います。仕事をするうえで関連する資格は、客観的なバロメーターになり、自信に繋がることは言うまでもありませんが、体系的な知識を身に着けるという点でも有益です。仕事でやっているだけでは、その会社のみで通用するやり方でこなしているということも往々にしてあるため、正統派の仕事のやり方を身に着けるという意味でも資格取得は有益だと思います。
もちろん、業界によってはその資格者がいないと許認可が取れないこともあったりするので、そういった点で重宝されるのも間違いないでしょう。私は長いこと管理系の仕事に携わってきましたが、衛生管理者の資格を就職初年度に取得しました。ちゃんと勉強すれば、それほど難しい資格ではないため、今まで後輩や部下にも取得を勧めましたが、なかなか取得できる人は多くありません。仕事をしながらコツコツと勉強することは意外に難しいのでしょう。しかし、そのような努力を積み重ねることは血肉になるし、客観的な評価にも繋がります。仕事を戦場に例えることもありますが、せっかくならしっかりとした鎧や武器を身に着けていきたいものです。
今回の転職は、やむにやまれぬ事情があってのものではありませんでした。現状でも高い評価をもらっていましたし、あと数年後には役員にも手が届くのでは……という立場まで来ていました。しかし、前述の通り、安定志向は私に最も似合わないものです。前職は上場前から携わってきて、一から一緒に作ってきました。しかし、上場後に雰囲気は一変し、安全志向・安定志向になってしまいました。挑戦する風土は消え去り、私にとっては退屈なものとなってしまっていました。もちろん、そのような会社の中で楽しみを見つけることは不可能ではないし、チャレンジングな仕事を自らやり続けることはできないわけではありません。しかし、一度きりの人生、自らに負荷をかけながら、仲間とワイワイガヤガヤ夢に向かって突っ走る興奮を味わいたくなりました。これまでの安定と高い報酬を捨てることになるけれど、逆にそれらはいつでも手にできると考えました。
遊園地の急流ボートは終わりが近づけばもう平坦な単なる船遊びですが、私の求める働き方は、終わりのない常にハラハラドキドキの急流下りの連続であって欲しいのです。そのためにも、本当に働きたいと思うような会社を、経営者を探しました。幸運にもそのような会社を見つけることができ、ご縁があってオファーをいただきました。本当に幸せな人間だと思います。しかし、ご縁をいただくために、自分でできる精一杯の負荷をかけました。具体的には、その会社の商品を購入し、社長の著書を複数冊読み込み、しっかりと準備すると同時に、本当に自分が行きたい会社なのか自問自答を行いました。やれる努力は惜しまない、自分自身のモットーをこの転職活動にも生かしました。
正直、今回の転職時の面接は突然の日時指定もあり、かなり大変なところもありました。しかし、これはある意味で自分自身のマネジメント能力に対する試験である、という風に肯定的にとらえ、対応いたしました。もちろんスピード感も意識しました。転職活動だけではなく、仕事一般に言えることですが、やはりスピードは重要です。即時、は言い過ぎにしても、何事にも時宜というものがありますが、クイックレスポンスは重要なファクターだと私は信じています。
こだわった点は、自分の望むような仕事に絞ったということです。自らの強みを本当に生かせる仕事は、これまでのキャリアから見ても2つぐらいに絞られ、それはどんな会社でも重宝していただけると考えています。その2つの職種に絞っていきました。なんでもこなせるというのは、すべて中途半端になる危険性もあるので、絞り込みを行うことが大切だと思います。
一方、年収などに関し、現状維持にはこだわりませんでした。やりたいことを行いたいというのが今回の転職の主旨ですから、一般的な労働条件相場観とも比較しつつも、こだわらないことにしました。
次の職場は平均年齢もかなり若い、やる気に満ちた企業集団でありますが、私がこれまで培ってきた知識・経験などで負けない部分も多くあるはずです。年齢的にも若手を育成することもミッションの一つになってくるでしょうから、一緒に学びながら、私が教えられるところ、リードできるところなど数多くの貢献ができるように、常に自らの立ち位置を確認しながらジャストフィットできるように一歩一歩進んでいこうと思っています。
最後に今回の転職活動での反省点ですが、終わりよければ……とも言いますので、あまり反省というものはないのですが、強いて言えば、履歴書や職務経歴書の書き方を事前によく学んでおけばよかったのかも、というところはあります。やはり何事にも先達がいらっしゃるわけで、いろいろなエージェントさんやサイト情報をしっかり事前に仕入れて、準備をじっくりしたうえで、CV書類は作りこんだ方がよかったのかな、とも思います。とは言うものの、きちんと第一志望の企業は書類が通過した(高橋様からのサポートをいただいたお陰ですが)わけですが。
末筆になりましたが、この度は転職カウンセラー高橋様には大変親身になっていただき、また手厚いサポートをいただき無事に一部上場総合インターネットサービス企業に入社させていただける運びになりました。
最初に銀座のオフィスにお伺いした時に、私の経歴をさらっとお尋ねになった後、娘の就職指導が話題の中心になったため、逆にこちらが恐縮してしまいました。ご多用中にもかかわらず、本業ではない部分にまでお時間を割いていただいて……と。
その後、書類通過のご連絡をいただき、私自身できるだけの準備を行って臨み、ホウレンソウを密に行わせていただきました。高橋様のコメントは要点のみで、一抹の不安を感じることは無きにしも非ずでしたが、スムーズに選考が進み、無事に内定へと至りました。お祝いのランチの際にその疑問をぶつけてみましたが、私の予想通り、「言わないといけない人には言いますが、言わないでいい人には言う必要はありませんから」と笑ってお答えいただけました。そうじゃないかなぁ……と思ってはいましたが(笑)他の方の転職体験記を読むと「高橋さんからズバッと指摘され、恥ずかしくなりました」のように、ぶった斬るような側面をお持ちのようなエピソードがいくつかありましたので、「私はいつ斬られるんだろう」と期待(?)と不安がありました。冗談はさておき、「ちょうどいい」アドバイス・距離感で接していただき、スムーズに最高の結果を残すことができました。心より感謝申し上げます。本当にありがとうございました。