東証一部上場 最大手モビリティサービス企業 本社 経営企画部
メガバンク 法人営業部 法人営業担当
土田 祐樹 氏 28歳 / 男性
学歴:県立 進学校 卒
旧・七帝大 経済学部 卒
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
証券外務員一種
TOEIC 710点
学生時代の経験を通して「ひとの思いを叶える」、「人の思いを実現する」ことにやりがいを感じた。社会人になっても同様の仕事がしたいと考えていたところ、銀行の仕事はまさに「人の思いを叶える仕事」であると聞き、入行を決めた。
メガバンクにて法人営業を6年間経験。売上10億~100億円程度の中堅・中小企業向けに法人営業を行った。銀行では、決算書の読み方、財務分析スキル、お客様との関係構築のスキル、融資対応検討、個人向けのセールス(投信の販売)等を学ぶことができた。
転職に至った経緯は以下。
① 銀行の将来性について疑問を感じたこと
足元のベース収益が減少傾向にあり、銀行の経営は年々厳しくなっている。効率化、機械化の流れのなかで、支店の数はこれからさらに減少し、当然支店長のポストも減少する。ベース収益の不足額を手数料収益で補わなければならず、営業現場では手数料ビジネスはかなり限界にきているように感じた。国内の企業は資金に余剰があり、借入ニーズがそこまで強く無いことや、本業の貸出をしても大して儲からないこと、加えて、キャッシュレス・AI化によって銀行の仕事がどう変わっていくのか全く読めず、不安を感じていた。
② 独特の内向きな文化に対して疑問を抱くようになったこと
通常の事業会社には無い、銀行独特の文化があった。現場の人間は、お客様を見て仕事をするのではなく、あくまでも支店長の顔色を見ながら仕事をしていた。「何のために仕事をするのか」、「誰のために仕事をするのか」ということを改めて考え、銀行で仕事を続けるモチベーションが上がらなくなった。入行後6年間、周囲と比べて実績を上げており、本部表彰も複数回受け、それなりのコースを歩んでいたが、所謂「無意味と感じること」、「無駄なこと」に費やす時間が惜しいと感じるようになった。
③ 自身のスキルアップ
銀行では決算書の読み方、融資の方法、与信判断、お客様との関係構築スキルは学べたものの、それは「銀行内部でしか通用しないスキル」であり、一般の事業会社では通用しないスキルであると思った。足元の経営環境を勘案すると、我々のような法人営業担当者が突然銀行から「いらない」と言われるリスクもある。自分がこのまま銀行で働き、仮に30代中盤になって銀行から外部に出された場合、自分のできる仕事はかなり限定され、給与も大幅に低下することが想定された。このまま銀行にいても、得られるものは限定され、銀行にい続けることが自身の市場価値低下につながると考えた。30代に入る前に銀行以外のキャリアを経験し、市場価値を上げたいと思った。
転職活動を始める際、大手人材紹介会社に相談した。3人程度の転職エージェントと面談したが、どれも20分程度でこれまでの私のキャリアを確認し、その後希望に合致する求人票を提示してくる形であった。正直、「自分のこれまでのことをもっと聞いて欲しい」、「これまでのことを聞いた上で、自分に最もマッチする職業を紹介して欲しい」と感じていた。
エントリーをする前の段階で、知人からエリートネットワークさんを紹介された。非上場の会社でよくわからない、というのが最初の印象であったが、担当の転職カウンセラーの高橋さんと面談をして、その不安は一気に吹き飛んだ。初回面談で1時間程度みっちりとこれまでのキャリアや人となりを確認していただいた。慌てて書いた職務経歴書を、もう一度じっくりと時間を掛けて書き直すよう指示を受け、後日何件か求人を紹介していただけることになった。自身のことを理解していただいた上で求人を紹介されるのと、そうでないのとでは、その後のモチベーション含め大きく変わってくると感じた。
転職をする上で譲れなかったことは、①上場企業であること、②成長している業界であること、③自身のスキルアップが期待できること、④給与面で大きく変化がないこと(銀行員は比較的年収が高いため、転職をする際に年収が落ちるケースが多いよう)の4点。入社することになった会社は、転職活動を開始した当初は全く興味がなかったが、企業研究を進めるうちに「意外といい会社だな」と思うようになってきた(財務内容・事業内容・成長性・働いている人材含め)。面接が進むにつれて、いつのまにか第一志望になっており、無事内定をいただくことができた。
入社を最終的に決断する際、一つネックになっていた点があったが、高橋さんに調整をしていただいたこともあり、希望通りの条件となった(これがなければ今回の転職は実現しなかった)。
銀行からの転職を考える人はこれからかなり増えてくると思うが、営業店のみでのキャリアを経験してきた場合と、本部セクション・海外勤務の経験がある場合では全く市場価値が異なるようだ(まあ当然といえば当然だが)。私が銀行にいるときは、国内の営業店勤務しかしていなかったため、転職活動をする際に、「一回くらい本部セクション経験しておけば……」、「海外にトレーニー行くのもありだったよな……」と思ってしまった。銀行内部で様々なセクションで経験を積むことは将来のリスクヘッジになると感じたため、まだ若い方はご参考まで。
メガバンクからの転職ということで、周囲には「安定している会社から転職するなんてもったいない」、「今の会社にいたほうがいいのでは」という声があったのは事実である。しかし、一つの会社に定年退職するまで働くという時代は終わりつつあり、各自で自分の能力を高め、キャリアを構築することが必要な時代だと考える。転職先では、銀行で学んだことがどこまで生きるか分からないが、一つでも多くのことを経験し、さまざまなスキル・ノウハウを学び、自分自身を成長させていきたい。
最後に、素敵な優良会社を紹介していただき、入社まで幅広にサポートいただいた高橋さん、ありがとうございました!