一級建築士、鉄道会社から不動産デベロッパーへ

一級建築士、鉄道会社から不動産デベロッパーへ

No.1193
  • 現職

    一部上場 総合不動産デベロッパー 開発企画部 管理職

  • 前職

    一部上場 大手鉄道会社 建築部門スタッフ(一級建築士)

志田 昌嗣 氏 34歳 / 男性

学歴:私立中高一貫進学校 卒
東京工業大学 工学部 建築学科 卒
東京工業大学大学院 理工学研究科 建築学専攻 修了
国内大学 ビジネススクール 修了
一級建築士
TOEIC 735点
宅地建物取引士
ビジネス実務法務検定3級

はじめに

漠然と転職するかどうかを考え、情報収集がてらネットサーフィンをしていた時にちょうど、この『転職体験記』にたどり着いたことが、転職活動を始める大きなきっかけとなりました。
この体験記も誰かのためになることを願って、自分の転職体験について記したいと思います。

新卒での就職活動

はじめに、学生時代までさかのぼってみますと、新卒で就職活動をしていた時はちょうどリーマンショック直後で、世の中全体がどんよりと雲がかっているような暗い感じの時代でした。
当時は大学院で建築を専攻していましたが、建設需要の急速な冷え込みを痛感し、同窓の先輩方の多くが進まれている大手建設会社や建築設計事務所に就職しても、この先明るい未来がないのではないかと危機感を抱いていました(今はオリパラ需要で全く違った様相となっています……)。

一方で、就職先を選ぶにあたっては、自分の仕事を通じて広く社会に貢献できるような仕事に就きたいという想いが強くありました。そこで、人々の日常を支えている、公共性の高い事業を営む現職の鉄道会社を志望し、縁あって採用されるに至りました。

また、現職が鉄道を主軸にしつつ事業を多角化させていたことも、入社を決意した大きな理由でした。昔から、良く言うと好奇心旺盛、悪く言うとミーハーなところがあり、学生時代もアルバイトで広告会社やテレビ番組制作会社、WEBベンチャーなど興味のある分野にどんどん飛び込んでいました。このように幅を広げていくことが好きな性格である自分にとって、入社後も様々なことに挑戦できるのではないかと期待ができる点は、大きな魅力でした。

現職での経験

入社以降は、主に駅や駅ビルなどの建築物の設計から工事に至るプロジェクトマネジメントを中心に従事し、社内外の様々な関係者と調整や折衝をして、各業務の目的を達成する経験を積んでいきました。

就職活動時に抱いていた「広く社会に貢献したい」という想いを、関わったプロジェクトが進捗・完遂した時に満たすことができ、業務内容にはやりがいも大いに感じていました。また、規模が大きく、かつ社会的な注目度もある程度高いプロジェクトに関わる経験も、現職に入ったからこそできたことであり、その点でも満足感を得ていました。

さらに、社費で国内ビジネススクールに通学する機会も得ることができ、ある面では大変充実した社会人生活を営むことができていました。

転職するに至った背景や理由・きっかけ

その一方で、実務経験を積み重ねていくに連れ、次第にどこか物足りない感覚が出てきたのも事実でした。大企業特有の縦割りが極度に強い社内環境が故だと思いますが、自分が活躍できるフィールドが、会社全体で見るととても限定的であると感じることが、日に日に増していきました。
人事異動やローテーションの運用方法についても職種の「背番号」が入社時点で付いており、入社以降の部門配属でより細分化され、生涯携わる業務や役職にキャップが嵌められているような状態でした。

そのような環境に身を置いていると、自分では常に色々なことに興味を持ち、仕事の幅を広げているつもりであっても、どこかその環境を理由にして興味の幅を狭め、好奇心を向けるにも範囲を限定してしまっている自分に気づくようにもなりました。
また、組織が大きく部門ごとの縦割りが強い一方で、意思決定権は各部門で完結しないことが多く、さらに鉄道事業の根幹である安全を重視する社風も相まって、各部署が調整を取りながら吟味に吟味を重ねて検討し、仕事を進めていくやり方が浸透しており、意思決定のスピードが大変遅い点についても、経験年数が増すに従い疑問を感じる様になっていきました。

そのような折に、ふとこれから将来の自分について考えてみると、これから少なくとも20年以上は仕事をしていくと思われるが、果たしてこのような環境・風土の中で続けて行って良いものかと、自問するようになりました。
こうして自然と転職について現実的に考えるようになり、前述した経緯からエリートネットワーク様のホームページにたどり着き、転職活動を開始するに至りました。

転職活動

転職先の候補については、活動開始時点から不動産デベロッパーを志望していました。
現職の不動産開発に関わる業務については不満なく、これからも続けていきたいと思っていました。加えて、前述した問題意識から、業務を進めるにあたっては、より新しいこと、挑戦することに前向きな環境であり、かつ事業に一体感とスピード感を持って取り組める環境に身を置きたいという想いも強く持っていました。不動産デベロッパーであればそのような働き方も実現できるのではないかと考えたのです。
ご担当いただいたエリートネットワークの転職カウンセラーである高橋さんと初めてお会いした時には、志望している各社の社風や出自について、高橋さんの蘊蓄を織り交ぜながら大変詳しく教えていただき、とても有意義な時間となりました。

転職活動が本格的に始まってからは、仕事と両立しながら進めるハードさはありつつも、初めての経験ということもあり大変楽しく、また高橋さんの迅速かつ的確なレスポンスにより、本当にストレスフリーに進めることができました。実は他社の転職エージェントの方とも少しやり取りをしていたのですが、高橋さんの常にズバッと端的に言って下さるようなご対応は群を抜いており、自分の考えを整理するにあたり大きな助けとなりました。

面接でどこの会社からも聞かれる転職理由についても、それなりに当たり障りなくまとめようとしていたところを「品のいいことを言う必要は全くない。不満がない人は転職しない。」と鋭く突いていただき、自分の中で不満に感じている部分を包み隠さず表現することができるようになりました。
これによって、実際の面接においても本心から自分の言葉で話すことができ、面接官の方々にもしっかりと納得していただけました。その他にも種々の的確なアドバイスのおかげで、無事に2社から内定をいただくことができ、その中でも活動当初から是非働いてみたいと考えていた1社に内定受諾をいたしました。

転職活動を振り返って

前職に入社した際には、まさか自分が転職するとは思ってもみませんでしたが、今回の転職活動を通じて、自分のこれまでのキャリアの棚卸しや、価値観や就労観の再整理をしっかりすることができただけでも、大変有意義であったと思っています。活動するからには結果を出すことも重要だと思いますが、もしどこにも受からなかったとしても、頭を切り替えて自らのキャリアに向き合うことができるようになったのではないかと思います。そういう意味においても、どなたにも一度は転職活動をすることをお勧めしたいです。
もちろん、大変労力がかかることではあるので中途半端な気持ちではやらない方が良いのですが、やるならとことん本気で取り組めば、それだけ得られる果実も大きなものになるような気がいたします。

内定受諾後、現職との退職交渉は正直なところ想像以上にストレスフルではありましたが、経験豊富な高橋さんからのアドバイスのおかげもあり、最終的には円満退職と言える状態まで持っていくことができたように思います。現職における不満も消化され、今は感謝の気持ちを残すのみです。
退職交渉もまとまり、ご招待いただいたお祝いランチの席でも、高橋さんは転職後スムーズに仕事をできるよう種々のアドバイスを下さいました。最初から最後まで手厚くフォローいただき、感謝の気持ちでいっぱいです。次の職場では、これまで以上に自分の興味関心に対して素直に反応し、仕事の幅を広げていくような働き方を実現したいと思います。そのためにも、高橋さんからいただいたアドバイスの一つである、個人的なビジネスパーソンとしてのKPIはしっかり達成する所存です。

おわりに

今回初めて転職活動をしましたが、改めてエリートネットワーク様にお世話になりとても良かったと思っております。転職については、自らが意思を持って決めるべきことですし、エージェントの方任せにせず主体的に動くことが重要だと思います。
ですが、並走してもらえる方が経験豊富な方であるとやはり心強いもので、自分の持っている力以上は出ませんが、進み方はとてもスムーズで気持ちが良いものになりました。本当にありがとうございました。

最後になりますが、私と同じように仕事に対してどこか不満や閉塞感を抱えた方が、一歩踏み出すきっかけになると、大変嬉しく思います。転職を検討されている方、前進あるのみだと思いますので、がんばって下さい!

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