女性公認会計士、金融業界向け監査経験を活かし、証券会社の経理部門へ

女性公認会計士、金融業界向け監査経験を活かし、証券会社の経理部門へ

No.1219
  • 現職

    日系 大手証券会社 本社主計部門 経理担当(連結財務・管理会計)

  • 前職

    四大監査法人 金融業界向け監査(公認会計士)

沢村 由衣 氏 27歳 / 女性

学歴:慶應義塾大学 卒
公認会計士
日商簿記検定1級
TOEIC 865点

①学生時代にさかのぼって新卒での就職の時の志や志向

学生時代の私は、私大の文系学部に通うごくごく平凡な学生でした。
そんな私ですが、将来はライフステージが変わっても柔軟に仕事を続けていきたいという気持ちが強く、その方法として、資格を活かした専門性の高い職業に就きたいと考えていました。ですので、大学に入って間もなく会計士試験の勉強を開始し、在学中に試験に合格出来たら新卒での就職先は監査法人にしようと決めていました。
数多くある資格の中で公認会計士を選んだのは、難易度が高いとされる国家資格の中でも、頑張れば比較的短期で取得することが可能だったからです。

家族の支えもあり、大学生のうちに無事試験に合格し、大手監査法人に絞って就職活動を行いました。
会計士試験の合格者は、合格後にまず監査法人で経験を積むケースがほとんどですので、王道の就職先です。私が新卒で就職活動をしていた頃は、監査業界は大変な売り手市場だったので、就職活動自体には苦労しませんでした。

当時は金融に漠然とした興味があったので、監査法人では金融機関の監査に特化した部署への配属を希望し、希望通りにキャリアをスタートすることが出来ました。この時点では、将来ずっと監査法人で働き続けるのか、それとも途中で新しい仕事を探すのか、決まってはいませんでした。もともとバリキャリ志向というわけでもなかったので、知識を身に付けて、将来は転職やアルバイトも含めてある程度マイペースで働き方を選べるようになれたらいいなと思っていました。

②監査法人での今日迄の担当業務や実務経験、体得したスキル

監査法人では、金融機関を中心に沢山の会社の会計監査、内部統制監査等を経験させていただきました。
監査を通じて、歴史ある大規模な会社から生まれたてのFintech企業まで、様々な会社の仕組みやビジネスを知り、多くの方々とお仕事をする機会を得られたのは、とても貴重な経験だったと感じております。

監査法人に入って一番身に付いたと思うのは、監査のテクニックや会計知識以上に、客観的な立場から会社全体を見る視点だと思います。社会人になりたての若いうちから多くの情報に触れ、全社的な目線でお客様である会社の状況を把握することが求められる環境があったからこそ、入社前は全く持っていなかった視点を身に付けることが出来ました。これは監査法人でファーストキャリアをスタートしたからこそ得られたものであり、今後どのような仕事をする上でも大切にしていきたいと考えています。

また、金融業界の中でも複数の業態の会社の監査を担当させていただけたので、業界を横断した知見を身に付けられたことも有り難かったです。
金融は複雑で理解するのが難しいと感じることもありますが、時代に合わせて今まさに大きく変化しており、仕組みを知るほど面白いと思っています。

③今回転職するに至った背景や理由・きっかけ

上記の通り、監査法人では沢山のクライアントを担当して、幅広くお仕事を任せていただきました。多くの監査チームに所属することで、触れられる情報も増え、会社の方やチームメンバーと良好な関係を築いていくことには面白味もあったのですが、入社以来続く忙しい毎日に体力の限界も感じるようになりました。
現状、監査法人は、同期の大半が定年まで監査を続けていくのではなく、どこかのタイミングで将来の方向性を決めて去っていく組織です。ちょうど多くの人が最初に転職を考える年次を迎える頃、やはり私も、今後ますますハードに監査業務を続けていきたいのか、それとも環境を変えて新しい仕事をしてみたいのか、悩むことが多くなりました。以前から、転職のタイミングについては、「仮に新しい職場で嫌なことがあったとしても、転職したことを後悔しない自信が持てるまでは辞め時ではない」と思っていたので、今の自分はどうなのだろうかと考えてみました。

結果として、このまま監査を極めるよりも、今までカウンターパーティーであった事業会社の経理の仕事に挑戦するのも良い経験になるのではないかと考えました。また、監査法人のように人の入れ替わりが激しい組織ではなく、ある程度腰を据えて働く風土のある会社で、じっくりと自社の業務に精通していきたいという気持ちも強くなっていました。監査現場での仕事も一巡出来た頃合いだったので、転職のタイミングとしてもちょうど良かったと思います。

とはいえ、運悪くコロナの影響で以前ほど転職市場に活気がなくなってしまった時期でもあったので、信頼出来るエージェントと出会えることを条件に転職活動を開始しようと自分の中で決めました。

④自身がこだわったり、譲れないと考えた事柄、逆に、従来のこだわりを捨てた点

私は、学生時代から変わらず、将来仮にブランクが出来てしまっても何らかの形で仕事は続けていきたいと思っています。そして、短期間で退職する人が多いことが前提となっている監査法人での働き方には、少し落ち着かなさも感じていました。ですので、今回の転職活動では、自分なりに長く働き続けられそうな職場を見つけることを重視していました。
また、現在の忙しさを大幅に超える働き方は体力的に厳しく、転勤が続いて生活拠点が安定しない働き方にも抵抗がありました。無理なく続けるために挙げたこの条件は、最終的に転職先を選ぶ時の決め手になりました。

一方で、業務内容については強いこだわりがなく、会計士としてのキャリアから大幅に乖離しない職種であればある程度何でも良いと考えていました。社会人としては数年しか経験がなく、まだまだこれからという時期であると自らを捉えていたため、仕事にはきちんと緊張感を持って取り組みたい、監査以外に出来ることを増やしていきたい、という気持ちで求人を見ていました。

周りの会計士の先輩方は、事業会社の経理やコンサルティングファーム、ベンチャー企業等を中心に転職をしていました。しかし、私は金融業界には引き続き関心があったので、結果的に、これまでの経験を活かすことが出来、上記の条件ともマッチしそうな金融機関の経理を中心にエントリーすることにしました。

⑤転職活動を通じて、気づいた点や学んだ点

転職活動を通じて、初めてじっくりと自分の職務経歴を振り返ることが出来ました。業務に追われて忙しくしているうちにあっという間に数年が経っていましたが、今の自分が持っているものと足りないもの、双方を再認識出来たと思います。そして、面接官の方々とのやりとりを通じて、客観的に見た自分のキャリアについても知ることが出来る良い機会になりました。

私は、新卒時には、言ってしまえば面接で普通に受け答えが出来れば内定が出てしまうような状況で就職先を決めたので、きちんとした選考を受けるのは今回が初めてでした。転職活動におけるコロナ影響の程度も読めず、以前は対面で行うのが当たり前だと思っていた面接もオンライン中心になってしまい、初めての転職活動は分からないことや不安なことだらけでした。そのような状況でしたので、信頼出来るエージェントの方がいてくださったのはとても心強かったです。

今回、転職を成功させたかつての同僚からの紹介で(株)エリートネットワークの転職カウンセラーである篠原様にお世話になることになりました。篠原様には、求人の紹介前に丁寧にカウンセリングをしていただき、不安な点や自分の望む働き方について率直にご相談させていただきました。また、オンラインで面接を受ける際の注意点やアドバイス、面接後のフォローアップ等、最後まで細かく対応していただきました。特に、オンライン面接での声のトーンや表情について事前にご指摘いただけたのは非常に助かりました。お陰様で、本番の面接時には素の状態で明るく自然なやりとりが出来、最終的に複数の会社から内定をいただくことが出来ました。
魅力的な会社がいくつもあり、期日ギリギリまで意思決定出来なかった私ですが、納得いくまでお付き合いいただき、会社側との調整をしてくださったことにも感謝しております。

転職活動をするにあたって、率直に話せるエージェントの方と出会えることは気持ちの余裕に繋がり、自分自身の経歴やスキルとはまた違ったアドバンテージになるのだということを、今回の選考を通じて感じました。

⑥次の職場に賭ける意気込みや覚悟

新しい職場は金融機関で、入社後は経理業務を担当させていただく予定です。
会計や金融に関しては一定の基礎知識があるとはいえ、これまでの業務ではさほど求められていなかった英語力も必要となり、私にとってはチャレンジングな面もある選択となりました。当面はリモートワークも取り入れながら業務を行うことになると思いますので、きちんと自己管理を行い、迎えていただける新しい職場で一日でも早く戦力になれるよう頑張りたいです。

今後は今までと比べてより大きな組織の一員として働くことになりますが、自分なりに考えて取り組み、出来ることを一つでも多く増やしていきたいと思います。

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