大手 非鉄金属メーカー 本社法務部 主任(企業内弁護士)
司法研修所 司法修習生(未就労)
佐藤 太陽 氏 26歳 / 男性
学歴:県立高校 卒
旧帝国大学 卒
旧帝国大学 法科大学院 修了
弁護士(第74期)
東京商工会議所主催ビジネス実務法務検定2級 取得
司法修習生のほとんどは弁護士事務所に就職し、インハウスローヤー(企業内弁護士)として就職する弁護士は一握りです。そのため、司法修習生には企業に就職するためのノウハウがほとんどなく、手探りで就職活動をすることになります。
このような背景から、今後インハウスを目指す修習生の就職活動の一助となることを祈って、この度『就職体験記』を執筆させて頂きました。
インハウスを目指して就職活動する中で「なぜ法律事務所ではなくインハウスなのか?」という質問は幾度となく聞くことになると思います。
私の場合は、企業の経営的な側面に法的に携わることが出来る点や、自らの責任の下で企業の法的方向性を決定出来る点に魅力を感じたためでしたが、この質問に対する明確な答えを用意することが就職活動の成功に向けた第一歩になります。
私が活動を始めて最初に出会った問題は、司法修習生向けの求人の少なさです。
司法修習生が企業に就職するためにまず利用するものとしては、司法試験合格発表直後のひまわり求人求職ナビや、東京三弁護士会就職合同説明会の求人がメインだと思います。しかしこれらに掲載される求人は決して多くはなく、限られた求人の中から企業を選択することになるため、興味のある企業が見つからないこともあります。
また、合格発表から数週間たつとひまわり求人求職ナビでは修習生を対象としたインハウスの求人のほとんどがクローズしますし、東京三会合同説明会も一度きりですので、このような企業が積極的に採用を検討している機会を逃すと、求人案件を見つけることが本当に難しくなります。
私は、ひまわり求人求職ナビから幾つか興味のある企業にエントリーして就職活動をスタートしましたが、求人は少なく、どうしてもここで働きたいと思うような企業は多くありませんでした。
そこでもっといろいろな企業を見てみたいと考えるようになり、個別の企業ホームページを見てそこからエントリーをすることもしてみました。
しかし途中で、このようなやり方は非常に効率が悪いことに気付きました。私は二回目の司法試験で合格したため、新卒採用にはエントリーが出来ません。他方で中途採用は即戦力を採用する傾向にあり、中途採用では司法修習により勤務が一年後になる人材は求めていないとの理由で、ほとんど書類選考で落とされていました。
司法試験合格後直ちに司法修習が開始するため、就職活動に時間を割くことが難しくなる中でも、幾つかの企業は面接まで進んでいました。ただ、本当にこの企業に就職していいのか、本当にやりたいことはこの企業内にあるのかということを考えるようになり、焦燥感が募っていきました。
このような中で私は、就職斡旋エージェントを利用することを思いつき、複数のエージェントに応募しました。しかし時期が悪いことを理由に斡旋を断られたり、事前面談を実施してもその後一切連絡のないエージェントもありました。
そのような意味でエージェントに対する不信感を覚えだした頃に対応してくれたエージェントもあり、そのうち一つがエリートネットワークさんでした。
エリートネットワークさんは、毎年複数名の司法修習生の就職を斡旋している実績があるようで、安心感がありました。私の担当をして頂いた転職カウンセラーの篠原さんは、就職活動に対して持っていた数多くの疑問などをぶつけても真摯に答えて下さり、活動についての心構えや多様なアドバイスを下さいました。
具体的な就職活動のサポートについては、まず100社はある司法修習生に対しても門戸を開いている多種多様な業種の企業リストの中から興味のある企業を選定し、申請するように要請されました。その100社も事前面談でお伝えした希望が反映された企業であり、上述した事情で司法修習生向けの求人を探すことすら難しかった私にとっては、非常にありがたいものでした。
この選定作業を通じて、自分が真に働きたい企業を見つけることが出来ましたし、多種多様な企業情報を見て研究することで、将来どのような法律家になりたいのか、どのような企業でどのように成長していきたいかという具体的なビジョンも見つけられたと思います。結果、そうして見つけられた企業で内定を頂くことも出来ました。
エリートネットワークさんを利用するメリットは、以上に記載した就職斡旋への真摯さのほかにも、企業と求職者のミスマッチが防げる点が組織内の仕組みにもあると思います。
実はエリートネットワークさんのほかにもう一社エージェントを利用していましたが、そちらでは事前面談で条件を伝えていたにも拘わらず、提案された求人がそれを全く無視したものであることが多々ありました。
他方でエリートネットワークさんは、ひとりの転職カウンセラーが法人営業と求人の提案を兼務で行う体制になっているようで、企業とのミスマッチが少なく、私の要望を企業に対してしっかりと伝えて下さっているというのがよくわかりました。さらには、エリートネットワークさん内部でも求職者の情報が共有されており、直接の担当者の方が持っていない求人案件であっても、紹介を受けることが出来ました。
このようなミスマッチの少なさや密な連携を用いた就職斡旋がエリートネットワークさんの強みであると思います。
以上、私の就職活動の経緯について概説しましたが、もっと効率の良い方法もあると思います。とはいえ、司法修習生がインハウスを目指して就職活動をするのは、わからないことが多いことは確かです。
もし就職活動に悩んでいる方がいれば、私のこの『就職体験記』をお役立て下されば幸いです。