中央官庁のキャリア官僚、シンクタンクの海外事業本部へ

中央官庁のキャリア官僚、シンクタンクの海外事業本部へ

No.1271
  • 現職

    一部上場 総合シンクタンク 海外事業本部 アジアにおける新規ビジネス展開・経営支援担当

  • 前職

    霞が関 中央官庁 国家公務員 総合職(旧・国家公務員Ⅰ種)

新村 要一 氏 36歳 / 男性

学歴:旧帝大 理系修士課程 修了
海外MBA取得

学生時代から私は、何か一つのことに打ち込んで社会にインパクトを与えたいと考えていました。

大学では、目に見える形に残るものを作りたいという想いで、工学部を選びました。そこでは様々な技術を学びましたが、それら技術は社会へ本当に良い影響を与えているのか確信が持てない、どうせやるなら社会へ良いインパクトを与えることがしたいと思い、大学院では社会科学系の研究室を選びました。

この分野は社会の仕組みを学ぶのに良い切り口でした。様々な課題の研究をするうちに、「経済社会全体の仕組みが最適化されていないと社会は良い方向に進まない」ということを学びました。
この経験から、社会全体を良くする仕組みを考えることができる中央官庁の仕事であれば、一生を賭ける価値があるのではないかと思い、国家公務員を就職先として選びました。

国家公務員になってみると、確かにスケールの大きな仕事や社会の仕組みを考える仕事の一部に携わっている実感はありました。しかし、改めていざ自分が何を成し遂げたのかと問うた時に、仕組みを単に回しているだけに過ぎないのではないか、という疑念が次第に強くなってきました。

また、新卒1、2年目は大変忙しい部署にいたので、連日の国会対応に疲弊し、深夜まで残業して朝早く出社し、休日は寝るだけ、という生活がサステナブルではないとも思っていました。とはいえ新卒の自分に大したスキルがあるわけではないので、量をこなすこともある程度必要であろうと思い、最初は何も考えずに働いていました。その中で、様々な出会いや経験があり、基礎的な社会人スキルや考え方を学び、ある種の成長も実感していました。

数年が経ち中堅の立場になってくると、それまでの社会人としての基本スキルを活かしながら、自分で企画したプロジェクトを回す機会も増えてきました。人的ネットワークも広がり、また省外での自己研鑽の機会ももらうことができ、非常に充実した日々を送っていました。
特に海外に関わる仕事では、オールジャパンとして政策を進めていく必要があるため、アンテナを高く張り、未来を見据えた政策を作っていくことにやりがいを感じていました。また、個人的なネットワークが海外に広がっていくことも、仕事の充実感とは別の自己実現的な観点からの充足感を得ることができたと思います。

一方で組織の仕組みが見えてくるにつれ、自分が将来どうなっていくのかということもおぼろげながら見えてきました。
組織が日本特有のピラミッド構造になっているため、上に行くに従って本流に残れる人とそうでない人が出てきます。そうでない人はどこに行くかというと、官庁であれば関連組織に出向となります。すなわち、その関連組織をマネージする立場になるわけです。

私は同期トップになる自信はありませんでした。そのため、将来的には関連組織に行くことが大いに想定されました。
ではその関連組織の業務内容に共感できるか、それが生涯を賭けてやりたいことなのか、と自分の中で問うと、私にとっては必ずしもそうではありませんでした。

社会の仕組みを良くしたい、という想いから中央官庁に入ったのに、下部組織、いわゆる執行機関のマネジメントをしていくという立場になる可能性があることに不安を覚えました。
では、ある分野の専門家になって、マネジメントをする立場ではなく、プレイヤーとして国で貢献する道はどうかとも考えましたが、国家公務員の場合、2、3年での部署異動が多く、中には同じような部署にずっといる人もいますが、公務員の人事上難しいと思わざるを得ませんでした。また、そのような制度の中でプレイヤー型を目指すと、組織のマネジメントが不得意なままマネジメントの立場になることがあり、皆が不幸になる状況も目にしてきました。
プレイヤーになって昇進をあきらめるか、マネジメントになるのかを決断する時期に来ていると思い、今後のキャリアを真剣に考えるようになりました。

加えて、待遇面について、決して薄給というわけではありませんが、長時間労働であることは確かでした。残業をして深夜付近に帰宅することを考えると、都心に近いところに居を構えざるを得ず、そうすると、生活コストが下げられず、結果的に可処分所得がおぼつかないという現実を思い知るようになりました。
また、自分が子育てに関与できないので、妻がほぼワンオペで子育てをしていましたが、公務員の給料かつシングルインカムでは広い家にも住めず、生活に窮屈さを感じていました。

もちろん、最近では働き方改革等も進んできてはいますが、国会を含めた日本の構造的な問題もあり、公務員の待遇が抜本的に変わるのはあり得るとしても相当先だろうと思い、転職を決意しました。

転職先としては、自分がやりたいこと、できること、企業がやってほしいこと、の3点が重なる領域を見つけよ、という話をよく聞きますが、この3点を満たす企業を見つけるのが大変でした。自分がやりたい事は大きく言えば社会を良くすること、できることといえば、多少の官庁周りの知識や英語程度で、企業が求めるものを提供できるようには思えませんでした。

最初は総合商社等の事業会社を受けてみましたが、面接官である事業部の方が求める法人に対する営業スキルのようなものが示せないまま、お断りをされました。次に戦略コンサルに焦点を当てましたが、やはり戦略コンサルが提供する価値と自分が提供できるもののギャップを感じたまま受け、最終的には上手く行きませんでした。

暗中模索している時にたまたま、まさに自分がやりたい事が要件に載っており、求められているバックグラウンドも自身に合致している求人を発見しました。
「これだ」と思い応募連絡をした、エリートネットワークさんがお持ちであったこの案件で募集を行っていたのが、今回内定を頂けた企業になります。

エリートネットワークさんは独自のネットワークでこの企業の案件を優先的に引き受けており、エリートネットワークさんのご紹介がなかったらこの求人に出会えなかったと思うと、感謝の念が湧いてきます。特に、ご担当頂いた転職カウンセラーの篠原様には、面接の前に企業情報の収集等を何時間行なう、といった具合に、具体的かつ的確な指示を頂けました。また、面接官の情報や人となり等を事前に教えて頂いたことも、直前の安心感を得るうえで非常に役に立ちました。

新卒の時とは違い、中途面接では面接官がどういったバックグラウンドで、何を求めているかということがある程度理解できる状態になっていると思います。そのため、それを突き詰めて情報収集を徹底することで、面接官のアンテナに引っかかるような話題に触れたり、気の利いた逆質問をしたりすることができるようになりますが、そのためには面接官の情報が不可欠です。その点、エリートネットワークさんは強固なネットワークにより内部事情を含めて様々な情報を掴んでおり、それらを教えて頂けたことは非常に役に立ったと思います。この場を借りて改めて御礼申し上げたいと思います。

転職活動においては、色々な悩みや決断が必要になる時があると思いますが、優秀なエージェントと相談できる関係にあれば非常に強力な武器になると思います。

転職活動では、新卒の時と違い、現職に残るという選択肢もあるため、どこかで大きな決断をしなければならない時が来ると思います。
その時に頼れるのは、最後は自分自身の信念ですが、それまでになるべく多くの情報を集めることが重要だと思います。その点で、優秀なエージェントとの出会いは転職活動をより満足度の高いものに変えてくれるものと思います。

是非、エリートネットワークさんの優秀なエージェントの方々と、二人三脚で転職活動を成功させて下さい。皆さまの成功を心より願っております。

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