プロジェクトファイナンスとは、企業があるプロジェクトにおける資金調達を行う際に、プロジェクト自体から生じるキャッシュフロー(事業から発生する収益や事業の持つ資産)をもとに資金を調達する方法(金融機関側からみた場合は融資)です。融資に対する返済の原資も、プロジェクトから発生するキャッシュフローに限られているため、企業の信用力や担保の価値に依存するコーポレートファイナンスとは異なり、事業を行う企業やスポンサーへの債務保証を求めないノンリコースファイナンス(ノンリコースローン)となっています。
プロジェクトファイナンスでは、多額な負債を必要とする大規模なプロジェクトで用いられるため、事業を遂行するSPCを設立し、これを事業者として、企業やスポンサーから独立し、資金調達を行う例があります。また、インフラなどの公共事業や公共的な要素の強い民間の事業について活用されることが多く、その場合はPFI事業会社を設立することが多いでしょう。
【プロジェクトファイナンスを行うメリット】
■借り手側
・従来のファイナンスではリスクを負いきれない大規模な資金調達が可能になる
・借入金を事業主のバランスシートに記載しなくてもよい
・プロジェクトからの返済が滞った場合も原則として返済義務を負わない
■貸し手側
・プロジェクトを事業主(企業やスポンサー)本体のリスクから切り離すことができる
・コーポレートファイナンスに比べ、高い収益を期待できる(金利が高い)