「魔法のiらんど」という社名だけを聞くと、可愛らしいイメージを持たれるかもしれませんが、もともとはシステム開発の性能評価を行う会社として1989(平成元)年に設立致しました。主にNTTデータの技術開発本部の性能評価を中心に、"技術を提供する会社"として成長してきた経緯があります。
その後1999年2月にNTTドコモがiモードのサービスを開始し、当社は、同年12月に携帯電話で自己表現ができるコミュニティサイトを作り、運営を開始しました。当初は技術研究の一環として試験的にサービスを提供していたのですが、あっという間に口コミで広まり、サービス初日には300PV(ページビュー)だったのが、その1ヶ月後には早くも40万PV/日になり、3ヶ月後には120万PV/日 にまで増えました。
その時に、多くの若者が当社の運営するサイトから、たくさんの楽しみを得ているのだと実感し、それならばビジネスとして必ず成り立つだろうと思い、現在の「魔法のiらんど」のような形でサービスを提供するようになりました。 2006年4月には、社名を現在の「株式会社魔法のiらんど」に変更し、更にその後NTTデータ等の性能評価を行っていた技術部門を分離し、別会社として独立させました。
現在は、サイトを利用するお客様へ向けた「広告」、お客様であるユーザーさんの手によって作られたコンテンツの権利をマネジメントする「版権ビジネス」、着メロやケータイ小説などのコンテンツを販売する「公式サイト」、の3つのビジネスが大きな柱となっています。
現在、サイトのトラフィック数は月間33億PV(2008年3月末現在)、この数字を1日当たりに換算すると約1億PV強です。更に1秒間に換算すると3000~4000PV。日頃、私達が何気なく呼吸しているたった1秒の間に、これだけのユーザーさんがアクセスしてくれているサイトと言えば判り易いかもしれませんね。
ユーザーID数は570万ID(うち約80%が女性/2008年3月末現在)で、10~24歳の女性が中心です。10~24歳の日本の人口が2000万人と言われ、その半分の1000万人が女性だとすると、「魔法のiらんど」は、中・高校生、大学生の女性40%以上から視聴率を獲得している全国メディアと言うこともできます。
サービスの特徴は無料HP作成に加え、小説、ブログ、川柳、写真、辞書、音楽等、全部で30種類以上の機能があり、ここからユーザーさんの手によって、日々たくさんのコンテンツが生み出されています。その中でも現在最も話題になっているのがケータイ小説です。これまでに100万タイトル以上の作品がサイト上で公開されました。公開当初より、読者から「感動した」、「泣いた」、「勇気をもらった」等、たくさんの声が寄せられ、現在はそれらの声を評価として反映し、ランキングをつけるレビュー機能が備わっています。人気の高い作品に対して、書籍化して欲しいという要望がどんどん増え、これに応える形で実際に出版するようになりました。更に書籍として発売されたものの中でも特に反響の大きかったものに対しては、昨年映画化が実現した作品もあります。今後はDVD化やドラマ化なども増えていくと思います。
当社の特徴は、ユーザーさんが作り出した良質なコンテンツが山のようにあることです。またそれらを評価したり、応援してくれる人達も大勢います。ユーザーさんによって作られたコンテンツが、サイトの中で評価され、その人気を基に、CDや、小説、映画化される仕組みがあり、今後も当社は創作者であるユーザーさんのお手伝いをする立場でありたいと考えています。
2008年4月には、1話約3分のストーリーで構成される「ケータイドラマ」の配信がスタートしました。ユーザーは携帯電話からいつでも見たい時に視聴でき、1日1話が配信され、1ヶ月(30話)で完結するという内容です。
サイトを利用する人全員にとって安心で安全な場を提供したいと考えています。それを実現させる為の一つの手段として、当社が運営するセキュリティシステム「アイポリス」があります。現在「アイポリス」は、日々サイト内を巡回・監視し、有害サイトや公序良俗に反する内容、誹謗中傷、違法行為等の書き込みに対し、警告・削除を行っています。
当社では「魔法のiらんど」のサービス開始当初より、積極的に安心で安全な場を提供する為の活動に取り組んできました。それが実を結び、昨今はその成果が徐々に日本全体にも波及してきていると感じています。18歳未満の児童を有害サイトから守る為に、総務省、通信キャリア等が取り組んでいる国家規模のプロジェクトでも、当社が重要な役割を果たしており、MCF(モバイル・コンテンツ・フォーラム)の理事としての役割も務めさせて頂いています。「魔法のiらんど」のユーザーさんだけでなく、世の中のモバイル・インターネットユーザーに対しても当社が果たす役割は大きいですね。
映画が放映される以前は、社名も知らない人が多かったのですが、現在では知名度がかなり上がりました。また、魔法のiらんどから生まれたケータイ小説の書籍発行部数は1000万部を越えました。中でも『恋空』は200万部(2008年4月現在)もの実売上部数を記録し、コミック化、DVD化もされ、特に注目が集っています。その他の作品でも20万部、30万部とヒットするものが多々あります。
またサイトへのアクセス数が増加したことにより、広告媒体としての価値も上がってきています。ただし、先にも述べたようにサイト内での安心安全を守る為、広告の掲載基準はかなり厳しく設定しています。広告内容が魔法のiらんどのユーザーさんにとって不適切であると判断した場合は、例え大手企業でも広告の掲載をお断りしています。そのような状況でも現在はナショナルクライアントと呼ばれる名門企業から広告をご出稿頂けているのは、とてもありがたいことですね。
「ケータイドラマ」のような新サービスや、今後も新たな機能を拡充する為に、コンピューター技術者の採用ニーズが高まっており、中でもプロジェクトのリーダーとしてシステム開発の工程管理を担える方や、アプリケーション開発者として、Unixをはじめとしたオープンソース系の技術をとことん追求するタイプの方を求めています。
現在当社の技術部門では、SIer、ソフトウェア開発企業等で経験を積んできた人材が活躍しており、彼らの中には、システム開発の一部分だけでなく、開発工程の全体が見えて、よりお客様と近い立場で新しいことにチャレンジしたいという思いを持って応募してきた方が多いですね。
技術者に求めるスキルは、システム開発に3年程度携った方であれば学歴やどんな企業に在籍していたかということは一切関係ありません。それよりも技術者として何を作ってきたかが大切だと思います。
技術者が職業を選択する際には、研究開発やシステムインテグレーター等、いくつかの選択肢があるかと思います。しかしいずれにおいても、クライアントからの依頼に対し技術を提供する立場で働くことがほとんどです。「魔法のiらんど」は通信キャリアに固定されない自由なオープンサイトです。自分達が作りたいサービスを自分達の手で、企画の初期段階からカットオーバー後まで一貫して携ります。その為、サイトに新たなサービスを加える為の企画段階から、他部署のメンバーと一緒になって話し合うこともあります。逆に新機能リリース後にバグが発見されれば、お客様から直接厳しいご意見を頂くことがあるかもしれません。
しかし、当社の社員は、サイトを利用する若者の夢と感動を手助けする為にサービスを提供するんだという理念を、全員共通認識として持っており、そのような志があれば自然とポジティブな考え方になると思います。勿論技術者であっても、どんな技術が提供できるかではなく、まずはお客様に喜ばれる為にはどのようなサービスが求められているか、その為にはどのような機能が必要なのか、ということを第一に考えながら働いて頂きたいと思います。そしてそれらを実現する為であれば、どのような方法・技術でも構わないという柔軟な発想の持ち主に是非ご応募頂きたいですね。
また、「魔法のiらんど」は1秒間に約3000~4000PVがあるサイトですから、これだけの高トラフィックの中で稼動するコンピューターの技術に携ることができるという面においても、他では中々経験できない楽しさがあるのではないでしょうか。
「こんな人を採用したい」というこちらからの要望に対して、ピンポイントでズレがない人材をご紹介頂けていると感じています。 私は予てから"企業の成長は、人次第"という考えを持っており、採用に関しては、経験やスキルも大切ですが、それ以上に企業理念と候補者のマインドが合うか合わないかが最も重要だと考えています。そのような部分もしっかりとご理解頂けているのはありがたいことです。
これまでご紹介頂いた4名は全員、それぞれの役割において活躍しています。
「魔法のiらんど」は10代・20代の若者が口コミで大きくしてくれたサイトであり、これからもきっとそれは変わらないでしょう。その中で我々が果たすべき役割は、若者達の夢や感動を作る為のお手伝いをすることです。
「魔法のiらんど」とは、名前の通り大きな土地であり、そこには多くの若者にとって夢や感動をもたらす可能性を秘めた、たくさんの種が植えられています。その種がいつの日か花として咲くように地道に土地を耕すことが、我々の役割なのです。勿論コンピューター技術者に対しても、技術を通じて若者達に夢と感動を作る手助けをして欲しいと願っています。技術ありきではなく、いつもお客様の喜びや感動を第一に考え、それを実現する為のサービスを創り出す技術者になって頂きたいですね。