もともと新宿新都心の新宿野村ビル (地上50階、地下5階) が竣工に合わせ、この超高層ビルの総合的な管理を担うため、1977年に野村ビル総合管理(株)が設立されました。
これを出発点として、野村不動産(株)が開発するビル・マンションの総合管理会社としてノウハウを蓄積していきました。1991年には、マンションの総合管理を担当する野村住宅管理(株)が設立され、その後、事業成長に伴う組織変更を経て、ビルを中心とした管理会社である野村ビルマネジメント(株)と、住宅の管理を行う野村リビングサポート(株)が、野村不動産グループの戦略企業として事業を拡大してきました。
2004年には持株会社制に移行し、野村不動産ホールディングス(株)が誕生、2006年 東証一部上場を経て野村不動産グループにおける運営管理事業部門としての2社のミッションを改めて明確化しました。そして2014年4月、両社が合併し、新たに野村不動産パートナーズ株式会社としてスタートしました。
私たちの管理事業を特徴付けるキーワードとして、「技術力」 「提案力」 「ホスピタリティ」 の3つを挙げることができます。
野村ビルマネジメント(株)は、オフィスビル、データセンター、教育施設、公共施設、複合型商業施設など、幅広い不動産物件に豊富な管理実績を築いてきました。社員の7割が技術系の社員であり、現場の多様な課題を解決する 「技術力」 「現場力」 を強みとする企業です。
また、オーナー様に代わってビルの資産価値を最大化する 「プロパティマネジメント事業」、実際の設備管理を担う 「ビルマネジメント事業」、テナント企業様の入退去やビル改修に伴う工事を担当する 「建築・インテリア事業」 という3つの事業部門を擁しています。
競合する大手不動産グループのビル管理会社には、これらの機能を別々の会社が提供しているケースが多いのですが、私たちはワンストップできめ細かくサービスの質を高めてきました。
野村リビングサポート(株)は、野村不動産の 『PROUD』 をはじめマンションにお住まいの方々が末永く快適に暮らして頂けるよう、マンションマネージャーと呼ばれる社員が管理組合に対して様々なアドバイスを積み重ね、その 「提案力」 が高い評価を頂いて参りました。
具体的には、「ホスピタリティ」 溢れるサービスの提供を心掛け、屋根や外壁、エントランスホールなど共用部分のメンテナンスに留まらず、専有部分 (各住居の室内) の設備トラブルの対応サービスまでも充実させて参りました。更に、お花見や餅つき大会など季節毎のイベントを開催し、とかく不活性になりがちなマンション内のコミュニティ形成のお手伝いをしてきました。こうした取り組みが、マンション管理会社評価ランキング (実施:アトラクターズ・ラボ株式会社) で2009年から2013年の5年連続で 「顧客満足度ナンバーワン」 という評価に繋がっています。
最近では、ビル管理分野に限っても極めて幅広い物件を扱うようになりました。オフィスビルだけではなくデータセンターや物流倉庫など社会インフラの一部を構成する施設、大学などの教育施設、マンションと一体化した大規模複合型商業施設や、オフィスと住宅・公共施設が共生する都市の再開発事業など、多様なニーズが複合する巨大プロジェクトに参画する機会が増え、今後も継続的な計画が見込まれます。
そこでは、単に 「特定の設備の維持管理をどうするか」 といった視点ではなく、強みである 「技術力」 「提案力」 「ホスピタリティ」 をより高度に統合し、お客様に対するサービスの水準を高めなければなりません。更には、より総合的なサービスの提供や、集客力を持った魅力ある施設運営等、ソフト面でのサービスを新たに創出していくことが急務となっています。こうした背景から、今回、新会社を設立することで、これからの社会に求められるトータルな不動産管理サービスをワンストップで提供していく体制を目指したのです。
野村不動産グループの運営管理部門として、野村不動産(株)との密接な協業を行っています。とはいえビルマネジメント事業では、野村グループの開発案件は40%程度で、実際にはグループ以外から受託する案件が多くなっています。マンション管理事業では、「PROUD」 を始めとする野村不動産(株)の開発物件が70%程度となっています。
管理規模はオフィスビルなどが713棟、9,353,757㎡。マンション管理組合は1,995組合、148,387戸 (いずれも平成26年5月末現在) となっています。
また最近では、公共施設の建設・管理・運営を官民が連携して担うPPP (Public-Private Partnership) のスキームに注目が集まっており、全国各地で多くのプロジェクトが動き始めています。当社も引き続き、PPP案件に積極的にチャレンジしていく計画です。
PPPなどの仕組みを用いたプロジェクトの多くは大規模複合開発であり、入札要件も厳しく、ビル管理、住宅管理の両分野で一定以上の実績が求められます。その点、当社ではビルマネジメント事業、マンション管理事業に於ける長年の豊富な実績が強い競争優位性となっています。
これについては、8年前に野村ビルマネジメント(株)に転職してきた鈴木 真理(しんり)主任に話してもらいましょう。
鈴木氏: 「私は建築インテリア部門で、オフィスの入退去工事やビルリニューアルなどに際して内装の設計やオフィス家具の選定、及び工事の進捗管理を担当しています。前職ではベンチャー的な工事会社で家具の提案や内装工事を担当していました。
中途入社してまず感じたのは、誰もが真面目で一生懸命仕事に取り組む姿勢を持っていることでした。また、皆さん担当業務に一生懸命なだけでなく、横の連携も強かった。社内の関連部門や工事の協力会社とのコミュニケーションが非常によく取れ、仕事がし易いなと感じました。
当社では、オーナー様やテナント企業様からご要望頂いてから対応するというよりも、日頃から現場のニーズを敏感にキャッチして課題を発掘し、こちらから提案していく能動的な姿勢で仕事を進めることの大切さを学びました。
例えば入居工事では、テナント企業様に綿密なヒアリングを実施して、オフィスレイアウトのご要望や設備面のニーズを踏まえ、一から図面を起こしてご提案します。それでも往々にしてご要望とコストにはギャップが出てきます。その時、1人の担当者だけではなく、電気や空調、給排水など各分野のスペシャリストが集まって知恵を出し、社内のプロ同士がコミュニケーションを密にして課題を解決していく。転職してから、チームワークの良さに助けられた経験を何度もしています。」
旧財閥系ではない野村不動産(株)は、もともと会社の資産として広大な土地を保有していた訳ではありません。そのため同社の事業は、いずれもチャレンジャーとして事業を開拓してきた歴史であると言えます。
野村不動産グループの当社にも、「絶えず新しいことにチャレンジすることで成長する」 というDNAが受け継がれていると思っています。データセンターの管理では30年に及ぶ実績があり、また大学などの教育機関、区民センターなどの公共施設の管理を受託してきた当社固有の実績を考えると、一定部分はそのDNAのなせる業であったろうと推察しています。
私は野村不動産(株)に入社し、同社の人事部に8年間在籍していました。今から10数年前になりますが、当時取り組んだ 「YCDIプロジェクト」 が、グループのDNAとリンクする記憶として残っています。
「YCDI」 とは 「You Can Do It.」 の略で、「君もやればできる!」 「俺もやってやる」 といった姿勢で社員が資格取得に挑戦することを奨励する社内プロジェクトでした。勿論、資格そのものが目的ではなく、取得に向けて勉強した専門知識や思考方法が血となり肉となり、プロフェッショナルとして、高い成果を挙げられる人材育成、能力開発の為の施策です。宅地建物取引主任者や一級建築士など業務に直結する資格だけでなく、語学など専門外の資格にもどんどん挑戦することを奨励し、税務やマーケティングなどの社内資格も新設、オリジナルの講習プログラムを作成しました。
「YCDIプロジェクト」 は、新しいことにチャレンジするDNAを社員が再認識する一つのきっかけになりました。今、当社に於いても、社員の資格取得を会社として強力にサポートし、様々な社内講習を実施しています。
主に建築インテリア部門で幅広い経験やスキルをお持ちの技術者の方を募集しています。電気・空調・衛生設備などのリニューアル工事やテナント企業様の入退去工事に際して、コンサルティングから図面の作成、見積書・提案書の作成とご提案、そして施工管理までをトータルに担当して頂く仕事です。
また、省エネルギーやCO2対策を担う環境技術部門でも、省エネ診断から省エネ計画の立案、環境負荷を低減するリニューアル工事の施工まで、総合的なエネルギーマネジメントを提案できる技術者を求めています。
建築意匠、空調・給排水などの管工事、電気工事等、様々な専門能力をお持ちの方とお会いしたいと思っています。オフィス家具や設備機器メーカーでの技術コンサルティング経験も役立てて頂けると思います。1級建築施工管理士など、建築・設備関連の資格をお持ちの方を歓迎致します。
また、先程の鈴木主任の話にもありましたように、当社の仕事ではコミュニケーションのウェイトが非常に高く、お客様、協力会社、同僚と日々密接なコミュニケーションが図れることが基本的な資質として重要になります。話上手である必要は全くありませんが、相手の要望をきちんと理解し、それに対して自分の考えを伝えられること、そして何事に対しても自発的に行動できる技術者であって欲しいと思います。
「自分の仕事の幅を広げたい」 「色々なことをやってみたい」 という意向を持っている人が、結果的に当社にフィットするように思います。
ビルマネジメントの世界では、「設備管理」 と 「工事」 の仕事は表裏一体とも言える密接な関係にあるため、どちらかの業務に精通するともう一方の業務の知識も身につくからです。設備管理の経験を積めば、「この設備はそろそろ更新する必要があるから、工事を提案してみよう」 といったことが分かるようになります。逆に工事、施工管理の経験を積むと、色々な設備機器に精通しますから、最適な設備管理の方法についての知見が深まります。
これまで当社に中途入社された方で、順調に成長して比較的短期間にリーダークラスに昇格している人は、自ら進んで複数の業務領域にチャレンジしていく人が多いと感じています。
技術者としてのキャリア設計の観点からも、社員一人ひとりが自分の専門性を極めることにプラスして、業務を通じてこれまでは専門外であった周辺領域の技術の吸収に少しずつ挑戦していくことがキャリアアップに繋がります。当社の建築インテリア部門で働いて頂くことを想定する場合、仮に建築意匠のスキルをお持ちの方であれば、電気や管工事といった技術にも段階的に関心の幅を広げて、トータルな技術を身につけていく姿勢を大切にして欲しいと思っています。
また、管理業務というと、「ビルのオーナー様やテナント企業様の要望に対応していれば良い」 「設備が壊れたら交換すれば良い」 といった受け身の仕事をイメージされる方もいらっしゃるかもしれませんが、全くそうではありません。常日頃から現場の状況をきめ細かく把握して、設備に不具合が発生する前に、「こうすれば如何ですか?」 と当社側から先に先に提案をして、自ら仕事を創造していくのが当社の目指す管理業務だと言えます。
お客様が私たちの仕事を 「コスト」 として認識されるのであれば、すぐさまコストダウンの対象になります。でも、「サービス」 であると認識して頂ければ、それにふさわしい対価を頂戴することができます。私は若手社員を対象にした研修で講師を務めることがあるのですが、そこでよく 「我々はサービスを提供している」 というプライドを持ってきめ細かい配慮で仕事に取り組むことの大切さについてお話ししています。
例えば、技術者から見て、ビル設備に将来的に不具合が発生する恐れがあるとき、
①そのまま様子を見る、 ②今すぐ新品に交換しておく、 ③修理して使用する、という基本的な選択肢があります。提案の内容は、その時点における現場の事情によって異なってきます。来年になれば多数のテナント様が入居されることが分かっている場合には、来年賃料が入った時点で交換すれば良いでしょう。逆に来年テナント様が退去される予定であれば、修理して使用する方が良いかもしれません。しかし壊れてしまった場合には設備一式を交換しなければなりませんから、現場の状況を見極めながら個別に慎重に判断を下すオーダーメイドの提案が不可欠になります。
オーナー様にとってコストは安い方が良いですが、制約の中でも 「これだけはやっておいた方が良い」 「これはまだ先の対応でも良いですよ」 ときめ細かい提案を差し上げることで、結果的にビルを末永く快適な状態でお使い頂けるので、賃料という面でのそのビルの競争力が向上する上に、新規テナント誘致の面からも有利になります。
繰り返しになりますが、当社にはオフィスビル、データセンター、教育施設、公共施設、商業施設、そしてハイグレードな分譲マンションと、極めて幅広い不動産管理ができるビジネスフィールドがあります。また業務領域も、ビルの設備マネジメント、マンション管理、建築インテリア工事、プロパティマネジメントと幅広く、PPPやPFIの手法を活用した大規模複合案件にもチャレンジしています。
今までの経験と専門スキルを活かして、長期的視点で専門性の幅を広げ、技術者としての実力を高める機会が極めて豊富にあります。色々なことをやりたいというチャレンジ精神の旺盛な方が、高いモチベーションでキャリアを発展させて頂ける会社であると考えています。