内部統制とは、企業経営者の意思に従い、事業を適切に遂行していくための企業内部の管理体制のことで、各業務で所定の基準や手続きを定め、それに基づいて組織内のすべての者によって管理・監視を行う一連のプロセスのことを言います。
◆内部統制の目的は以下の4つです。
(1)業務の有効性・効率性を高めること
(2)財務報告の信頼性を確保すること
(3)事業活動にかかわる法規の遵守を促すこと
(4)資産の保全
◆内部統制は以下6つの基本的要素から構成されています。
(1)統制環境
(2)リスクの評価と対応
(3)統制活動(コントロール)
(4)情報と伝達
(5)モニタリング(監視活動)
(6)IT(情報技術)への対応
内部統制制度では、経営者が管理体制などをまとめた「評価報告書」を毎年作成し、監査法人がそれをチェックします。
アメリカにおける企業会計や財務報告に関する法律「SOX法」を基に、日本においても、会計監査制度の充実と企業の内部統制強化を目的とした日本版SOX法と言われる金融商品取引法が制定され、実践についての詳細項目を定めた「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準」が金融庁により示されました。
これにより、2009年3月期(2008年4月1日以降に開始する事業年度)以降、全ての上場企業に対し内部統制報告書の提出が義務づけられました。これは、該当企業とその連結子会社の範囲にも及びます。
※会社法では、資本金5億以上または負債総額200億以上の企業にも義務付けられています。
【内部統制に必要な経験・スキルとは?】
経理・財務、会計の基本的な知識はもちろん、会社法やSOX法等の法律知識、企業によってはIFRSやUS-GAAP等に関する知識も必要とされます。グローバル展開する企業が増加する昨今、M&A先の海外子会社の内部統制を行う人材の需要も増加しており、英語力が求められるケースも多々あります。
財務アドバイザリーやコンサルティングファームでの内部統制アドバザリー業務の経験者が、事業会社の内部統制部門に転職する事例や、その逆の事例もあります。
公認会計士資格やCCSA(内部統制評価指導士)、CFE(公認不正検査士)等の有資格者は歓迎されます。